理念経営・人財開発のプロ
藤本秀俊
Mybestpro Interview
理念経営・人財開発のプロ
藤本秀俊
#chapter1
人財力を高めるための人材開発や組織の活性化を専門とし、中堅中小企業の特性を掴んだ経営コンサルティングを行う「神戸経営支援センター」。代表取締役の藤本秀俊さんは、経営コンサルタントとして20余年の実績を持つスペシャリストです。
「事業を運営、発展させていくためには、組織全体の精神的支柱となる『理念』が必要です。経営者の思いや信念を明確にし、それに基づいてマネジメントをする『理念経営』を実践することで、従業員の士気を高め統率していくことができます。業績を上げることに注力してつい見落としがちですが、組織は人で成り立っていることを忘れてはいけません」と藤本さん。
経営者は孤独です。「社員がわかってくれない」「何から手を付けたら良いのかわからない」といった不安や、「誰に相談していいのかわからない」といった悩みを抱えても、社内に相談する相手がいないことも多いものです。自社や自分の弱みを表に出せずに、孤独と闘っている経営者に、藤本さんはカウンセラーのごとく丁寧にヒアリングし、じっくりと問題をひも解いていきます。
「経営者の方々は、自宅でテレビを観ていても、家族と旅行へ出かけても、常にビジネスチャンスやサービスのヒントを見つけようとされます。プライベートと仕事の境界線がない『公私統合』の生活を送っておられるので、業務上の悩みが私的な悩みにつながることがよくあります。身内や友人にも話せない部分に触れていくことが私の役割。人として信頼してもらうことが、何よりも重要だと思っています」
#chapter2
ヒアリングとともに、藤本さんが大切にしているのがコミュニケーションです。
「組織のコミュニケーションとは、報告・連絡・相談のことです。例えば、会議や朝終礼は報連相の場であり、企業の風土や体質が良く表れます。会議がうまく進まない企業は、日々のコミュニケーションにも問題があります。定期的、継続的に会議を開くことは、最初は大変だと感じる方も多いですが、経営方針や目標を徹底させること、問題の早期発見や解決に役立てること、仕事にリズムをつくることができ、さらに、互いに啓発し合うことから、人材育成にもつながる重要な場です」
「会議は無駄なのではなく、やり方です。社内のコミュニケーションを機能させることで組織は強くなっていきますので、目的、内容、やり方について、きちんと見直すことが大切」と藤本さん。
「組織は人間の体と同じです。健康体にもなりますが病気にもかかります。コツコツと鍛えて行くと体力がつき、徐々に体形が良くなり、体質が改善されていきます。一方で、体力づくりや健康診断を怠ると、知らない間に病気が進行し“ガン”になることも。忙しさのあまり、各部署とのつながりをおろそかにしていると、経営者の意思とは異なる方向にベクトルが向いて肥大化し、取り返しのつかない状況に陥ることがあります。また、資金や情報の流れが悪くなる“心筋梗塞”や“脳梗塞”を患うこともあります。なにごとも、早期発見・早期治療が効果的です」
#chapter3
藤本さんは神戸の高校を卒業後、大蔵省造幣局に入局。公務員として働きながら、夜は神戸大学経営学部に通いました。大学卒業と同時に造幣局東京支局へ転勤。総務課、会計課などを経て29歳で退職し、経営コンサルティング会社「タナベ経営」(本社・大阪市)に入社しました。
東京から関西に戻り、経営コンサルタントとして充実した日々を過ごしていた藤本さんが独立を意識したきっかけは、1995年に発生した阪神・淡路大震災だったといいます。
「ボランティアに参加するために神戸市役所に足を運び、そこで有志を集めて長田区の病院へ出向きました。メンバーが率先して水くみやトイレの修理、掃除などを行う様子から、人が自律的に動く組織にこそ未来があると気づきました。また自ら被災しながらも激務をこなす医療チーム、そのメンタルケアにあたるアメリカ人セラピストの姿に感銘を受けました。セラピーにより癒やされた医師や看護師たちが現場に戻り献身的に働く様子を見て、心の声をくみ取ることの大切さを痛感しました」
独立後、37歳で再び神戸大学大学院で経営学を学び、今では兵庫県立大学大学院の特任教授としても活躍する藤本さん。「経営大学院は、経営ノウハウを学ぶ場所ではありません。仕事の面白さや奥深さに気付き、仕事を通して社会に貢献する人間を育てる場です。それが、経営の本質であり使命だと思います」と話してくれました
(2014年6月 現在)
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藤本秀俊プロ
経営コンサルタント
有限会社 神戸経営支援センター
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