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カラダ思いの材料で、食べた人が幸せな気持ちになるようなお菓子を届けたい

カラダにやさしくおいしいお菓子を手掛けるプロ

大聖寺真理子

大聖寺真理子 だいしょうじまりこ
大聖寺真理子 だいしょうじまりこ

#chapter1

タルトやシフォンケーキ、クッキー、アイスミルクなど手作りの焼き菓子をオンラインショップで販売

 「カラダ思いの素材を使い、食べた方に幸せな気持ちになってもらえるようなお菓子をお届けしたいですね」と笑顔で語るのは、兵庫県芦屋市にアトリエを構える「ひみつのひとさじ」のオーナー兼チーフパティシエ・大聖寺真理子さん。農薬や化学肥料に頼らず育てられたオーガニックの素材を厳選し、低糖質でカラダにやさしいお菓子を作り、オンラインで販売しています。

 「甘みは白砂糖ではなく、でんぷんから作られた還元麦芽糖を中心に使っています。血糖値の上昇やインスリン分泌への影響が少ないことが特長で、病院で糖尿病患者さんに50年以上使われてきた安心安全な糖です。保存料や防カビ剤といった添加物も使っていないので、小さなお子さまにも安心してお召し上がりいただけます」

 タルトやシフォンケーキ、マドレーヌ、クッキーなど、いずれの商品も一つ一つ生地から丁寧に手作り。作り手のぬくもりが感じられるラインアップです。

 「卵はえさや飼育環境にこだわった『養麗卵』などを産地から直接取り寄せており、小麦粉は北海道産『有機きたほなみ』や石川県産『有機ゆきちから』などを、作るお菓子ごとに配合を変えて使用しています」と大聖寺さん。「お菓子はおいしくないと幸せな気持ちになれない」をモットーに、これらの材料の配合を1g単位で調整し、多い時には数十回の試作を経て、ようやく理想のレシピにたどり着いたと言います。

 「特に還元麦芽糖は、しっかり時間をかけて溶かさないとザラザラとした食感が残ってしまいます。でも、溶かしすぎると生地がうまく膨らまなくなってしまうため、加熱温度や時間、他の材料の分量を変えてみるなど、調整を重ねました」

#chapter2

留学時代にフランスの伝統菓子に魅了され、現地の味を再現

 かつてフランスのインテリアデザイン学校に留学していた際、ホストマザーからフランス菓子の作り方を教わったという大聖寺さん。さらに、各地の伝統的なお菓子の味に魅了されたことから、「ママン(お母さん)が家族のために作る、真心のこもったお菓子」をコンセプトにしているそうです。

 「ケーキにしても、焼き菓子にしても、日本では薄い焼き色が好まれますが、フランスではしっかりと焼きを入れた、香ばしい生地が一般的なんです。毎年11月頃から季節限定で販売しているタルト・タタンは、現地に伝わるレシピを再現した当店の人気商品です」

 こんがり焼き上げたタルト生地の上に、バターとメープルシュガー、バニラビーンズであめ色になるまで煮詰めたリンゴをまるまる8個分敷き詰めた芳醇なお菓子で、繰り返し注文してくれるリピーターもいると言います。

 「お客さまからメールやお便りなどで感想をいただく機会も多く、特にアレルギー対応のお菓子をお作りしたお客様からのメッセージには、『まさか自分の誕生日にケーキを食べられる日が来るなんて思いませんでした。子どもたちの嬉しそうにケーキを食べている顔を見ながらお祝いしてもらえて、何重にもプレゼントをもらいました。そしてすっごく美味しくて幸せです』など、とても喜んでくださっているご様子が伝わり、励みになります」

 通常の商品のほか、アレルギーや病気などで口にできない原因食物がある人に向けて、オーダーメードにも対応。また、「お菓子を前にした時のわくわく感を大切にしたい」という思いから、見た目にもこだわり、オンラインショップには見ているだけで楽しくなる、きれいなお菓子の写真が並びます。

大聖寺真理子 だいしょうじまりこ

#chapter3

大病を機にカラダにやさしいお菓子作りに目覚め、オンラインショップをスタート。新たにお菓子教室も

 以前はインテリアデザイナーとして建築会社に勤務していた大聖寺さん。自身のショップを開くことにしたのは、ある出来事がきっかけでした。

 「44歳の時に大病を患い、一命は取り留めましたが、病院の先生から『砂糖を摂取し過ぎると再発のリスクが高くなるので、これからは甘いものをなるべく控えた方がいいですよ』と告げられたんです。お菓子が大好きだったので、ショックでした」

 そこからは砂糖不使用のお菓子を探しては試してみたものの、なかなか納得できるものに出会えなかったとか。「『ならば自分で作ってみよう』と、先生からすすめられた還元麦芽糖で、まずはシフォンケーキにチャレンジすることにしました」

 試行錯誤の上、完成したケーキを先生や看護師長に試食してもらったところ、大好評。それから週1回、病院でケーキやクッキーを販売するようになりました。さらに、「ありがたいことに、遠方の方からも購入したいとのご要望をいただき、オンラインショップを始めました」と振り返ります。

 開業以来、品質のよい材料と手作りにこだわってきましたが、昨今の物価高騰から材料費などがかさみ、事業の継続が難しい状況に。そこで、新たな事業の柱として、オンラインのお菓子教室を始めることにしました。

 「私が培ってきたノウハウで、家族やご自身の健康を気づかう方々のお役に立つことができればうれしいです。さらに現在、特殊な技術により、こだわり卵とジャージー牛乳を使った、凍らせて解凍しても滑らかな舌触りの無添加の冷凍プリンを開発しています。創意工夫をしながら、食べた方が幸せな気持ちになるようなお菓子をお届けしたいですね」

(取材年月:2023年5月)

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大聖寺真理子

カラダにやさしくおいしいお菓子を手掛けるプロ

大聖寺真理子プロ

パティシエ

ひみつのひとさじ

「カラダ思いの材料で、食べた方が幸せな気持ちになるようなお菓子を届けたい」という思いから厳選した素材を使い、アレルギーや病気の人でも食べられるお菓子を手掛ける。オーダーメードの注文にも対応。

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