人事面から中小企業の経営の攻めと守りを支えるプロ
熊谷知直
Mybestpro Interview
人事面から中小企業の経営の攻めと守りを支えるプロ
熊谷知直
#chapter1
「中小企業の事業者さんから、働き方改革の進め方がわからない、長時間労働を減らすにはどうするか、あるいは同一労働同一賃金、短時間正社員の意味は?労働に関する法改正が頻繁に行われ、よくわからないことだらけと困っている経営者の方が結構います」と、熊谷綜合労務事務所代表の熊谷知直さんは事務所に寄せられる相談内容について説明してくれました。
そして、10年くらい前を境に相談内容が変わり、以前は解雇をめぐっての労使トラブルが大半だったのが、近頃では真逆になりました。従業員が職場を辞めるというのを引き留められないかという相談が増えました。背景には人手不足が深刻化してきたことや、求人にかかる経費がかさむ傾向があげられます。『辞める!辞めさせない!』のトラブルの結果か、最近では退職代行業なる仕事まで出てきました。
あるいは、こんなトラブルの相談も。「職場で自分がLINE(コミュニケーションアプリ)のグループに入れてもらえず一人だけ仲間外れにされたのは同僚間におけるパワハラだと申し立てをしてくる社員への対応のむずかしさ」はSNS時代ならではのケースです。
「なかなか職員が定着しない職場に幼稚園・こども園・保育園があります。長時間労働や産休・育休取得をめぐる問題、パワハラ・セクハラなど、働く人がいればそこには必ずや労働問題が発生します」と、熊谷さんは指摘します。
#chapter2
熊谷さんは1995年大学卒業後、就職氷河期真っ只中で就職活動に失敗し、1年半のフリーター期間を経た上、大手スーパーに就職。毎週末行われるセール企画の準備で朝早くから終電間近までの長時間労働が続きすっかり心身が疲弊。それに加えて上司からのパワハラもあって悩んでいた時期に「労働」をテーマとする仕事の社会保険労務士(以下社労士)を知り、退職して受験に挑戦。2002年に合格。さらに2010年「特定社会保険労務士」(以下特定社労士)資格を取得。『社労士以上コンサル未満』が好きな言葉という熊谷さん。
ところで社労士と特定社労士の違いは?とお尋ねしたところ「社労士は書類作成と提出代行業務、就業規則などの作成や労務相談が主な業務です。一方、特定社労士とは労働紛争解決業務が出来る資格です。今までは弁護士が行っていた業務の一部をわれわれで行えるようになったということです」
「労働トラブルの未然防止・早期解決に全力を挙げます。これらはお客さまの会社にとっては守りの部分かと思いますが、当所では、人事制度・人事評価制度、キャリアパス、社員研修といった社員の能力アップについても提案する攻めの業務にも取り組んでいます」業務を2階建ての家に例えて1階部分は社労士の仕事、2階部分はコンサルティングの仕事という模式図を書きながら丁寧に説明してくれる熊谷さん。「社労士以上コンサル未満という言葉が好き」といっていた意味がここにあります。
#chapter3
趣味はと尋ねると、趣味らしい趣味はないと頭を傾げつつ「もっぱらスポーツ観戦」との答え。忙しい合間を見つけて北海道日本ハムファイターズの試合観戦に札幌ドームに足を運んでいます。日本酒も好きで、日本酒ナビゲーター認定を持つほど。「最近は宅飲み専門で」と苦笑しつつ道産の日本酒の話をしてくれました。その他に「全国47都道府県巡りで、あと6つで完全制覇なんですが…、まとまった休みがとれないので残っている県を巡るのは時間がかかりそう。行った先々での地酒は楽しみの1つです」ちなみに残っている6県は島根県、沖縄県、鹿児島県、宮崎県、山形県、福島県。忙しいながらも、ご自身、働き方改革の良き手本となるよう挑戦しています。
最近、自分が経験してきたことをもっと還元したいとの思いが強くなったといいます。かつて自身が経験した長時間労働やパワハラといった労務トラブルは誰の身にでも起こり得るから。経営者のためにも、そこで働く労働者のためにも力になりたいとの思いがつのります。
「これまで事務所を拡大することは考えたこともなかったです。最近は少し考えが変わって、事務所が大きくなることも1つのケーススタディとして、お客さまに見てもらえると思うようになりました」と熊谷さん。今後もセミナーや文化教室の講師としての活動は拡大していくでしょう。47都道府県の完全制覇を目指しながら!
(取材年月:2019年12月)
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熊谷知直プロ
特定社会保険労務士
熊谷綜合労務事務所
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