会社を守る労務経営コンサルティングのプロ石田和彦

会社を守る労務経営コンサルティングのプロ

石田和彦

労使協調できる社風づくりが、トラブルを防ぐ

「社会保険労務士といえば、社会保険などの書類作成や届け出など、『事務代行』のイメージが強いかもしれませんが、当事務所では、加えて労務相談に力をいれています」と話すのは、「社会保険労務士法人北海道賃金労務研究所」の代表で特定社会保険労務士の石田和彦さん。
　経営者にとっての一番の悩みは、やはり「人」。採用、賃金、サービス残業、退職などのトラブルが経営者を悩ませ、会社経営を揺るがすケースもあります。
　本来、会社と社員は敵対関係でなく、信頼関係で結ばれるもの。「労使協調できる社風づくりができれば、トラブルは発生しない」と、石田さんは確信しています。
　札幌市中央区にある北海道賃金労務研究所のオフィスには、セミナールームの他会議室と相談ブースが設けられています。顧問先企業の、幹部会議や相談・コンサルを開く時には、このセミナールームに集まってもらい、本音で語り合えるよう、石田さんが会議の進行役を務めます。
　「労使トラブルは、感情論に走っては禍根が残ります。冷静なジャッジと法的エビデンス（根拠）、そして何より大切なのは、両者の立場を踏まえて、“どういう対応をすれば振り上げた拳を収めることができるのか”を考えることです。労使問題は法律論の前に心理学なのです」。
例えば、いきなり解雇を言い渡すのと、「あなたにはお世話になった。ありがとう。しかし残念ながら……」と話しかけ、ときには再就職支援等の配慮を示すのでは、解雇という結果は同じでも、社員の反応は違うものになるでしょう。同事務所では、社員や家族の心情を気遣い、できる限り命令調の「解雇通知書」は作成せず、「お知らせ」スタイルにしているとのこと。こういった些細な積み上げと、経営者の思いを込めた就業規則づくりや、会社の意図をくんだ社会保険、労働保険の手続き代行を通して、労使トラブルの防止に努めているそうです。

スタッフを大切にすることは、質の高い仕事につながる

これまで、上場企業から中小企業まで約400社を超える労務顧問を引き受けている北海道賃金労務研究所。年間延べ2,000件を超える労務相談に対応しています。社労士4人が長となり、チームで顧客を担当し、手続き代行から労務相談までを受け持っています。
　「うちはお客様の期待レベルが高いんです。経営者は既に結論をお持ちです。この心底にある結論を聞き出し、そこに至るルートの提案、まだ気づいておられないポイントの指摘をさせていただく。このようなサポートには、経験と勉強が必要です。経験は、日々のご相談に向き合うことで十分に積むことができますが、勉強は自ら行動に移さなければできないもの。勉強しようとする職員への投資は惜しみません」と石田さん。
　多い人では、なんと年間15～16回の外部研修を受けることも。スタッフを「人財」と考え、向上心を積極的に応援すると共に、困ったら相談し合える社風を目指しているそうです。また、新人が入社したら専属で先輩が付き、仕事のことから事務所ルール、備品の置き場所などまで気軽に聞ける体制も整えています。
　職員の皆さんからは「明るい雰囲気で、真剣に取り組む時と、休み時間のメリハリがきいている」「社内勉強会では、具体的な事例を基に、書籍では得られない実践的な知識が学べます」「みんなが発言できて、常に社内のルールを改善できる事務所です」「女性が活躍できる職場。頑張ろうとしている人を応援してくれるので、長期的に働いている自分がイメージできる」「石田さんとはケンカができる。本音をぶつけても受け止めてくれます」「子どもがまだ小さく、学校行事や急な病気の時、周りの皆さんが助けてくれるので、休みが取りやすい」というコメントが聞かれました。

まっとうな経営者を全力で応援したい

石田さんは、北海道大学農学部を卒業後、大手食品メーカーに研究職として就職。趣味を通じて知り合ったのが、たまたま中小企業の経営者の方たち。ある町工場の経営者に「研究よりも、人と話す仕事の方が向いている」と言われて、社労士に興味を持つようになりました。
　「まっとうな社長、一生懸命に頑張っておられる社長を徹底的に応援し、元気になっていただきたい。社長が明るく思いやりのある会社は活気があふれ、そこで働く社員も元気になれます」。
　周りにいる人の心を晴れやかにするような、石田さんの明るい笑顔は、悩みを持つ社長にとって心強い味方になるに違いありません。

　
（取材年月：2016年1月）

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スタッフを大切にすることは、質の高い仕事につながる

まっとうな経営者を全力で応援したい

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