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コンセプトを的確に伝える視認性の高いパッケージをデザインし、全国の依頼に対応

トータル力に富んだ「伝わる」デザインのプロ

大野玲

大野玲 おおのれい
大野玲 おおのれい

#chapter1

売り場と相性の良い「映えるパッケージデザイン」を逆算して制作

 「当方ではパッケージデザインを中心に、イラストやロゴ、サンプル用のダミーフィルムの作成、ビジュアルの撮影・出力までトータルで承っております。新規リリースや既存品をリニューアルする際はお声がけください」

 そう語るのは、札幌市で「デザインれい」を開くデザイナーの大野玲さん。商品の魅力を的確に捉える「伝わるデザイン」に注力。思わず手に取りたくなるパッケージ制作に定評があり、大手製菓メーカーや食品会社からオファーが舞い込みます。

 「消費者にアピールするにあたり、売り場との相性も重視しています。個人店、スーパー、お土産屋さんなのか、さらに棚に陳列されるのかワゴンに並ぶのか。売り場に合わせてセールスポイントを強調するため、配色やレイアウトなどゴールから逆算した“映える”設計を意識しています」

 在籍するデザイナーは大野さんを含め4人。シンプル、ポップ、スタイリッシュなど、それぞれが得意とする作風を駆使してクライアントの要望に応えます。

 「全員が女性であり主婦であることも当方の強みです。パッケージでは流行や季節感を反映しながら、コンセプトや触感などが一目で分かる視認性の高さが求められます。日常的に買い物へ行き、さまざまな商品を見て、主婦層の目線から購買意欲をかき立てることを心掛けています」

 また、少数精鋭だからこそ「クライアントとコミュニケーションを深め、根気強く理想を追求できる」と大野さん。「お菓子のサクサクとした食感や食材のみずみずしさを描き出し、売り上げアップにつなげたいですね」と力を込めます。

#chapter2

「売り上げが伸びた」「コンペで勝った」など訴求力を備えた成果物を提案

 大学時代は油絵を専攻し、卒業後は個展を開きアーティストとして活動していた大野さん。あるきっかけで、文字、絵、図形などを用いるグラフィックの奥深さに目覚めます。

 「アルバイト先でスタッフの制服をデザインしてほしいと頼まれました。『美大出身だし、やってみない?』という店長の一言で気軽に引き受けましたが、とても好評で、社長へのプレゼンも担当することになったんです。テーマやコンセプトを分かりやすく伝えるためにプレゼンボードを作成し、アプローチを考えるうちに、ゴールから思考を積み上げる面白さにすっかりはまってしまいました」

 その後、パッケージデザインを手掛ける事務所で3年間経験を積み、2003年に独立して事務所を開業。訴求力を備えた成果物により、クライアントからの紹介やクチコミで案件を請け負うようになりました。

 「時には『満足がいく提案が上がってこない』と悩むお客さまから、なんとかお願いできないかと、お問い合わせをいただくこともあります。急を要し、納期にゆとりがないこともありますが、可能な限り期待に応えたいと考えています」

 臨機応変な姿勢で制作に励み、「売り上げが伸びた」「コンペで勝てた」など、一つ一つのうれしい報告が大野さんの原動力です。
 
 「アートの世界に入ったのも、この仕事を始めたのも『絵が好き』『デザインが楽しい』という思いから始まっています。自分がやりたいことでクライアントのお役に立ち、喜んでいただけるなんて、天職だと感じます」

大野玲 おおのれい

#chapter3

UVプリンターで繊細な色味や立体感のある加工をかなえ、表現も拡大

 制作に際し、大野さんがもっとも重視しているのが打ち合わせです。初回はできる限り対面で話し、商品のコンセプトやターゲット、届けたいメッセージなどを丁寧に掘り下げます。

 「『かっこいい感じ』などふんわりした依頼をされる方もいます。方向性が定まっていない時は、あえて違うテイストをいくつかご案内しています。『AとBならB』というように、クライアントのイメージが徐々に研磨され、明確にすることができます」

 最初のデザイン案を提出するまでには1週間から10日程度を要します。修正についても回数の縛りはなく、有料ではありますがクライアントが納得いくまで手直しして完成度を高めます。

 「当方では版下作成、印刷出力にも応じているため、発注の段取りや要件の伝達など他の業者を介することで発生する業務がカットできると重宝されています」

 最近は、紙以外の素材にも使えるUVプリンターも導入し、さらに対応できる範囲が拡大。繊細なグラデーションやリアルな質感を再現し、箱の表面にぷっくりと立体感のある加工を施すなど、表現の幅も広がっています。

 「今後は、道内だけでなく全国からのニーズにも応えていくつもりです。デザインという形のないものを具現化するのは大変な作業ですが、一見異なる要素との組み合わせでひらめきを得たり、当初では想像もしなかったアイデアに着地したり。多彩な物語を紡ぎながら、クライアントの愛着ある商品を、最良の形で世に送りだすお手伝いをさせていただければと思います」

(取材年月:2024年9月)

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大野玲

トータル力に富んだ「伝わる」デザインのプロ

大野玲プロ

デザイナー

デザインれい

撮影・出力・ダミーフィルム制作とパッケージデザインにまつわる業務をワンストップで対応。「伝わるデザイン」を信条に、コンセプトや商品の特長を的確に届ける実践的なデザイン力に定評がある。

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