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転倒のリスクから多くの人を守るべく、滑り止め加工事業を展開

安全面に配慮し建造物の床面や通路に滑り止め加工を施すプロ

花島司

花島司 はなしまつかさ
花島司 はなしまつかさ

#chapter1

住宅やオフィスビル、商業施設、医療・福祉施設など幅広い現場に対応

 街のあちらこちらで赤いヘルメットを身に付けて黙々と作業に打ち込むのは、広島市に拠点を構える「司建設工業」の社員です。

 「赤いヘルメットを使用している会社が周囲になかったので、覚えてもらいやすいだろうと思い採用しました。広島東洋カープが『赤ヘル軍団』として知られるように、赤は広島の人たちのソウルカラーでもありますからね」

 そう話すのは、代表の花島司さん。2000年に同社を立ち上げて以来、県内を中心に中国地方全域でアスファルト舗装や土木工事を手掛けてきました。

 「当方では近年、滑り止め加工に力を入れています。一戸建て、マンションといった住宅、商業施設やオフィスビル、病院、老人ホームなど、さまざまな建物にお伺いしております。転倒事故を防ぐためにも、ぜひご検討ください」

 花島さんのもとでは、エントランスや廊下、階段など人が行き交う場所のほか、浴槽、プールサイドといった水回りにも対応。歩道の縁石やマンホールにも応じます。

 「磁器タイルや塩化ビニル、スチールなど材質に合わせて、適切な塗料を選定しています。ペイントのようにお好みの色を施すこともできますし、透明のクリアタイプでは、大理石のマーブル模様などの下地を生かすことができます。左官のように塗り仕上げるハードタイプもあって、劣化した部分を補修すると共に防滑性を高めることができます」

 ツヤを出してきれいにしたいという目的でも、打ち合わせをするうち「そんなにバリエーションがあるのなら」と、滑り止めを希望する顧客も珍しくないそうです。

#chapter2

22歳で独立。寝る間も惜しんで仕事に励み、滑り止め剤も開発

 1975年、広島市で生まれた花島さん。10代の頃から、知人の父が経営するアスファルト舗装会社で修行の日々を送ります。「いずれは独立する意思があることを伝えた上で、面倒を見てもらいました。多くのことを学ばせてもらい、とても感謝しています」

 技術や知識を身に付け、22歳で司建設工業を設立。若手ではありましたが、独立に際して不安はなかったと言い切ります。「うまくいかなかった時のことなんて考えませんでした。何事もやってみなければ分かりませんからね」

 自分が選んだ道を信じて一歩を踏み出した花島さんは、寝る間も惜しんでがむしゃらに働きます。10年以内に国や地方自治体といった官公庁の工事を元請けする会社になること、公共事業に携わることによって信用を高め、事業を安定させるという目標を掲げていたのです。

 努力のかいがあって、創業から5年とたたずに県や市の案件を落札できるように。実績が増えるにつれ、民間の依頼も舞い込んでくるようになりました。

 各方面で業務に励んできた花島さんが、滑り止め加工に乗り出したのは2012年頃からです。きっかけは、ある法人からの問い合わせでした。「床を滑りにくくするために樹脂材を塗布したそうなのですが、それが固くて割れやすい上、紫外線にも弱く、どうしようもないという話でした。いい手だてはないかと試行錯誤し、シリコン入りのウレタン樹脂により、柔軟性を備えた滑り止め剤を完成させました。2012年と2014年に実用新案権も取得しました」

花島司 はなしまつかさ

#chapter3

滑り止め加工の重要性が広まり、同業者が増えることで多くの困り事に応えたい

 独自の製品を開発するなど、顧客の要望に応えてきた花島さん。塗料が乾くまでには4時間ほどかかり、その間は通行できないことから、施工するタイミングや仮歩道の設置方法なども工夫しています。

 住民や利用者にできるだけ迷惑を掛けないよう配慮する姿勢で、1カ月の間に15もの現場をこなしたことも。「有り難い限りですが、私たちのサービスが広く知られるようになって、ライバルがたくさん出てきてほしい」と語ります。

 「滑りやすい床を放置していると、店舗や施設の利用者が転んで大けがを負う恐れもあります。事業者は責任を問われる可能性があり、事前に対策を打つことが重要ですが、施工業者が少ないんです。競合が増えたら受注数が減るかもしれませんが、切磋琢磨すればよいのです。同業者同士、協力体制も整えられるでしょうから、お互いに商圏を広げられますし、何より困っている方の力になれます」

 また、昨今は人材不足が懸念されることから、後進の育成にも取り組んでいきたいと言います。「私は長年にわたり建設業に従事してきました。インフラを整備するなど生活を支え、地域の皆さんのお役に立てる素晴らしい仕事だと心から思っていますが、若い人たちにそれが伝わっていないようで残念です。今は、私が若い頃よりも人が少ない分チャンスは広がっていますから、この業界にもチャレンジしてほしいですね」

 誰もが歩きやすい環境に整えたいと願う花島さんの、さらなる活躍が期待されます。

(取材年月:2023年5月)

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専門家プロフィール

花島司

安全面に配慮し建造物の床面や通路に滑り止め加工を施すプロ

花島司プロ

土木工事業

有限会社司建設工業

2000年の創業以来、土木工事やアスファルト舗装などの案件を多数請け負ってきました。2012年からは建造物の床面や通路の滑り止め加工に力を入れており、転倒事故の発生を防ぎ人々を守ります。

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