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田舎暮らしのコンサルタントとして、地方移住を望む人の生業づくりを支援

地方移住のための生業づくりを支援するプロ

清水秀幸

清水秀幸 しみずひでゆき

#chapter1

自らが知見を持つ養蜂や害獣対策をはじめビジネスを提案し、移住をサポート

 「生まれ育った地元に戻りたい、喧騒を離れゆったりと過ごしたい、自然豊かな場所で子育てをしたいと考えている人はたくさんいるでしょう。Uターンや自分たちらしいライフスタイルを願いながら一歩踏み出せないのは、何より収入源を作れないからに他なりません。当方では暮らしたい場所で生計を立てる手法を公開しています」

 そう話すのは、広島市福山市の「はなはな」の代表・清水秀幸さん。養蜂業の傍ら、田舎暮らしのコンサルタントとして活動。故郷で第二の人生を検討するリタイア世帯、自分のペースで生きるスローライフを目指す現役世代、のびのびと暮らしたいファミリー層、老障介護世帯などに向け、生業を作り出す方法をアドバイスしています。

 「地方で稼ぐ手段として養蜂のほか、害獣対策も案内しています。野生動物が嫌うスズメバチの羽音やにおいを発する装置を設置し、田畑や住居を荒らすイノシシやシカ、サル、ネズミなどを遠ざけるものです。ミツバチを飼育する中で、巣箱のある区域に害獣の被害が出ないことから独自に生み出した侵入忌避システムです」

 それぞれが思い描くビジョンを実現するため、相談が寄せられた際には「何がしたいのか。将来どうなりたいのか」をじっくりとヒアリング。本人の意に沿う移住をサポートします。

 「『都会にあるものが田舎にはない』とよく言われますが、田舎には都会にないものがあります。私から言わせれば田舎の可能性は無限大です。具体的なビジネスアイデアは多々あるので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください」

#chapter2

穏やかに暮らしたいと考え、仕事でたびたび訪れていた福山に移住

 清水さんは山口県周南市の生まれです。大学を卒業後、大手企業に就職するも、入社3日目から退職を考えるようになったと明かします。

 「当時、先輩たちの働く姿から、自分の将来像を想像することができず、モヤモヤした気持ちを抱えていました。このままでいいのかと自問し続けながらも、結果として3年間働き続けましたが、心の中ではずっと『新しい一歩を踏み出したい』という思いを抱えており、退職を決意しました」

 会社員生活を終えた後、日本で特段やりたいことが見つからなかった清水さんが取った選択は渡米でした。米国では、日本人観光客向けに現地を案内するビジネスを始めます。同様のサービスを英国やインドなどでも展開し、蓄えた資金を元手に、帰国後は東京でデザイン会社を立ち上げました。

 「経験があったわけではないものの多方面からご用命があり、10件案件をこなしたら20件注文が増えるような感じでした。とてもありがたいことでしたが、あまりにも忙しく眠れない日々が続いたため、地方で穏やかに暮らしたいと考えるようになりました」

 移住先として選んだのが、仕事の関係でたびたび訪れていた福山市でした。当初は、おいしい蜂蜜を食べたいと遊び半分で、2007年に自家用に生産を始めます。

 「軽い思い付きで始めたこともあり、周囲に教えてくれる方が少なく大変でした。ある大学に詳しい先生がいて、その方の元へ何度か通った後は、独学で採蜜などの知識を蓄えました」

#chapter3

養蜂など地方で仕事を作り、移住を後押しすることで地方創生に貢献

 清水さんは順調に収穫量が増えたことから事業化。養蜂を志す人が苦労しなくて済むように、新規参入者に技術指導する中で、移住者へとノウハウの提供を広げるように。指導を受けた人が各地で創業しているそうです。

 「地方移住の鍵は、とにかく行動すること。自宅に置く配置薬の営業をしていた人が、話を聞きたいと突然訪ねてきたこともあります。養蜂について一通り説明をしたら『分かりました、やります』と言って帰りました。その後、半年以上音沙汰がなく、久しぶりに連絡が来たと思ったら『福山に引っ越しました』と言うから驚きました。今では一流の養蜂家です」

 清水さんは現在、生産している蜂蜜に付加価値を付けて販売するための商品開発を進めています。その一つが蜂蜜を原料とするハニーワインです。

 「ハネムーンの語源は、『結婚から1カ月間、はちみつ酒を飲んでいたから』という説があり、ウエディング用に醸造することを構想しています。天然の蜂蜜は賞味期限が長いので、新たな門出を迎える2人が不変の愛を誓い、いつまでも甘く幸せな毎日を送ってほしいとのメッセージを込めてお届けしたいですね」

 高品質の蜂蜜を確保していくためにも、養蜂家の育成に力を入れていきたいと語る清水さん。視線の先には、移住希望者への支援を通じて地方創生に貢献したいという思いがあります。

 「全国の自治体が過疎化に苦しんでいます。地方で仕事を作れるようになれば、人口減少の打開、そして地域の活性化につながると信じています」

(取材年月:2025年3月)

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清水秀幸プロ

移住支援業

株式会社はなはな

何もないと言われる過疎地で暮らすには就職を前提にした移住には無理があります。過疎の主因でもある就職先などないという前提の収入源作りが必須、その可能性と、成功事例で田舎で暮らせることを知ってください。

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