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地域づくり・多文化共生・防災の経験知を伝え、地域の力を高める

地域力3要素、地域づくり・多文化共生・防災の実践を伝えるプロ

明木一悦

明木一悦 めいきかずよし
明木一悦 めいきかずよし

#chapter1

地域に欠かせない3つの要素を実践的に伝えるセミナーを展開

 「地域づくり」「多文化共生」「防災」。より良いまちづくりを進める上で、重要なキーワードです。これら3つのテーマで、自治体や企業、学校などで講演や研修を行っている明木一悦さん。広島県安芸高田市を拠点に、全国で活動しています。
 「これからの地域づくりには、地域それぞれの課題解決はもちろん、多文化共生や防災の視点が欠かせません。移住した先での町おこしや、海外生活、被災地での支援活動など、私自身の実体験をもとに、まちづくりを提案できます」

 「地域を活性化させるためには?」「住民に外国人が増えてきたが、地域でどうコミュニケーションをとればいいのか」「災害時の備えを強化したい」などのニーズに合わせて内容をカスタマイズ。対象は、個人・団体・企業問わず、小中学生から高齢者まで幅広く、英語による講演も可能です。
 「人材不足の地方都市こそ、技能実習生をはじめとした外国人労働者が増えており、外国の方や日本国籍を取得した方と共生する環境づくりが求められています。普段からの交流や災害時の支援など、何から取り組んでいいか分からないという声が多いので、経験談として具体的な取り組みをお話しします」

 その上で、「ただ話を聞くだけではつまらないので、必ず参加型のパートを盛り込みます」と明木さん。「災害時の対応」がテーマなら、避難所運営ゲーム「HUG」や災害図上訓練「DIG」を用いた疑似体験や、「町おこし」なら施策の計画書づくりなどグループワークを行います。参加者から「実践したことが聞けて、分かりやすかった」とよく言われるそうです。

#chapter2

アメリカ暮らしを経て、移住した広島・小原地域で町づくりをスタート

 広島市出身の明木さんは、通信環境を整備するエンジニアとしてキャリアをスタ―ト。海外赴任で渡米して7年間暮らし、地元に戻って外資系自動車メーカーに転職。アメリカや外資系企業での体験を通して、多文化共生への理解を深めました。

 帰国後に安芸高田市の小原地域に移住したことが転機になりました。
 「自分が田舎暮らしを楽しむために考えたことが、地域づくりの原点です。まずは仲間をつくり、手作り三輪車レースなどイベントで交流を生むことから始めました」

 その後、市議会議員を経て、NPO団体の「ぷらっとほーむ小原」を立ち上げ、暮らしやすいまちづくりに力を注いでいます。
 「駅舎に食堂をオープンしたり、買い物難民のために移動販売車を呼び込んだり、老人ホームにジム併設を働きかけたりと、利便性を高めました。何かを形にするには、資金の壁がありますが、企業などを巻き込む方法などをアドバイスできます」

 また過疎化の対策として、空き家調査のほか、広島大学と共同でJR吉田口駅周辺の活性化を目指した「小屋プロジェクト」にも取り組んでいます。プロジェクトでは、遊休地に手作りの小屋を建て、住民や外部からの来訪者の交流拠点をつくりました。

 「小原地域の事例を知りたいという声は多く、最近もJICAの依頼で、アフリカや東ヨーロッパの方に向けて講演しました。実際、小原地域の人口は、10年前の約1200人から、現在30人近く増えています。取り組みとの因果関係は定かでありませんが、減らずに増えたのはやっぱりうれしいですね」

明木一悦 めいきかずよし

#chapter3

東日本大震災や広島の豪雨災害などでの支援経験を防災減災に生かす

 明木さんが災害支援に携わったきっかけは、東日本大震災でした。岩手県陸前高田市で、がれきの撤去作業や遺骨の捜索、小中学校への支援などに従事しました。
 「被災地の状況を目の前にし、『ここまでになるのか』と愕然としました。何かできることをという思いで、広島から車で何度も往復して物資などを届けました」と当時を振り返ります。

 現地の経験を買われ、支援の幅を広げてきた明木さん。広島の豪雨災害ではボランティアセンターの運営支援、熊本地震では多言語支援センターの設置・運営などに携わりました。
 「近年、各地でさまざまな災害が起こり、被災者には外国の方もいるなど、マニュアルではカバーできていない新たな課題が見つかります。高齢者や障がいのある人など、誰一人取り残さないためには、フレキシブルな対応が求められると実感しますね」

 防災減災のセミナーで必ず伝えるのは、「空振りはしてもいいが、見送りは許されない」。
 「避難すべきか迷うときも、最悪の事態を想定した早めの行動が命を守ります。結果、大事に至らなくても、お互いに『よかったね』と言い合える意識づけが大切です」

 「地域の力を高めるには、人づくりから」と明木さん。
 「何事も〝できる人が・できるときに・できる範囲で〟やればいいのですが、自分ごととして、何をできるか知っておく必要はあります。一人一人が意識すれば、取り組みは広がります。まずは、知ることから始めましょう」と呼び掛けます。

(取材年月:2024年1月)

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明木一悦

地域力3要素、地域づくり・多文化共生・防災の実践を伝えるプロ

明木一悦プロ

セミナー講師

 

これからの社会に求められる3要素「地域づくり」「多文化共生」「防災」をテーマにした講演や研修・訓練などで、地域や企業・組織団体などによる地域再生や減災防災に関わる事を経験に基づいて伝えています。

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