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介護予防から在宅ケアまで、「自分らしく生きる」を一貫して支える

高齢者の「自分らしい暮らし」を支援する介護福祉のプロ

新井恵

新井恵 あらいけい
新井恵 あらいけい

#chapter1

訪問看護を柱に、リハビリや介護予防など、トータルで高齢者の生活をサポート

 〝誰もが住み慣れた地域で、最後まで自分らしく幸せに生きる社会の実現〟を目指す「あいりはグループ」。代表取締役の新井恵さんのもと、看護・介護・リハビリなど高齢者の暮らしをトータルでサポートしています。

 主軸の訪問看護では、広島市を中心に約600人の利用者を抱え、月間訪問数は約3000件に上ります。医師やケアマネージャーなど他の専門家と連携して、在宅での療養や看取りを支援。ほかに訪問介護・鍼灸、デイサービスや保険外のリハビリセンター、サービス付き高齢者向け住宅、福祉用具販売貸与に住宅改修と、事業は多岐にわたります。
 「リハビリの質を高めるため、訪問看護ではセラピスト(理学療法士、言語聴覚士、作業療法士)約30人が在籍しています。福祉用具や住宅改修の提案も、体の動きを熟知した理学療法士が担当し、階段昇降機などの外的環境を整えます」

 グループ全体のポリシーは、「利用者が元気になれるように働きかけること」。
 「現行の介護保険制度では、利用者の要介護度が改善すると介護報酬が下がり、売上は下がります。それでも私たちは、必要な人にきちんとケアを届け、〝自分でできること〟を増やしてその方らしく暮らせるように力を尽くします。運営するサービス付き高齢者向け住宅でも、入居時より要介護度が改善する方が目立ちます」

 介護を必要としない体づくりにも力を入れ、2024年2月には要支援者向けの予防フィットネス「アップスフィット広島」をオープン。
 「元気なまま老後を送ることを目標に、ショッピングセンター内のデイサービス『ショッピングデイ®』として、今後も広島市内に施設を増やす計画です」

#chapter2

専門職へのリスペクトを原点に、自ら現場経験を積み、事業を成長させる

 新井さんは20代半ばで介護業界に進み、高齢者向け病院で入院相談や広報などに携わりました。
 「ある日、当直で病棟を見回った際、介護士や看護師が患者さんの排泄ケアをしている現場に遭遇しました。過酷な環境下で『今からきれいにするから、ぐっすり眠れますよ』と優しく声をかけている様子に、『すごい人達だ』と。そのとき感じたリスペクトを原点に、志を持って働く人たちが活躍できる場を作りたいという思いが生まれました」

 その後、病院を運営する法人のグループ会社にて、介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の開発、経営企画などに従事。11年の勤務を経て、自分の思いを実現しようと30代で独立します。
 「築40年の古民家を借り、デイサービスを始めました。現場にもっと共感したいと思い、入浴介助など一から勉強しました。創業からの利用者さんは今でも『社長が来た!』と歓迎してくれます」

 新たな事業にも積極的に取り組む新井さん。2021年に開設した「脳梗塞リハビリセンター」や、2024年にイオン段原ショッピングセンターに開設した予防フィットネス「アップスフィット広島」や、児童発達支援・放課後等デイサービスなども手掛けます。
 「脳梗塞リハビリセンターでは、30代から50代の若い利用者も多く、職場復帰を果たされた方もおられます。医療制度では、リハビリ期間に限界がありますが、『もっとよくなりたい』というニーズに応える受け皿になりたいですね」

#chapter3

業界団体での活動や、事業承継のサポートなど、業界の底上げに貢献

 新井さんは、業界全体にも目を向けます。介護・福祉関連の約5000社が加盟する業界団体「一般社団法人 全国介護事業者連盟」の広島県支部支部長を経て、2024年4月から中国ブロック長を務めます。
 「介護や福祉は国全体の課題で、業界全体の就労人口は300万人に迫り、その裾野は広いです。事業者の垣根を越えて知識や経験を共有する場をつくり、現場の声を国に届け、業界をより良くしたいですね」と決意を語ります。

 また、介護需要の高まりにより活発化する事業承継でも知見を発揮します。
 「当グループで、今まで2度の事業承継を経験し、買い受けた不採算部門を成長させた実績もあります。経験をもとに事業承継の出口戦略もアドバイスできます」

 経営者として、「従業員ファースト」の視点も欠かしません。
 「最前線で利用者さんと直接関わるスタッフ一人一人を大切にすることが私の役割です。我々の業界はボランティア的に語られることも多く、〝カスハラ〟に遭っても我慢するスタッフは少なくありません。自分が大事にされずに、利用者さんを大事にする気持ちは生まれません。働く人が尊重される環境をつくることで、利用者満足度も高まると考えています」

 「あいりは」とは、〝愛・相・会+リハビリ〟のことだそう。
 「リハビリは、ラテン語の〝Re(再び)+Habilis(取り戻す)〟が語源とされます。自分らしい生活を取り戻すことを、専門分野に関わらずスタッフが一丸となって支えます」

(取材年月:2024年3月)

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新井恵

高齢者の「自分らしい暮らし」を支援する介護福祉のプロ

新井恵プロ

介護・福祉

あいりはグループ

「自分らしい生活を取り戻す」関わりを大切に、訪問看護や介護、リハビリ、福祉用具、住宅改修など、高齢者の在宅支援を一貫してサポート。ショッピングセンター内の予防フィットネスなどの他、障がい福祉にも注力。

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