リノベーションを熟知した建築士からの暮らし直しのススメ
住宅再生におけるコミュニケーションの話
リノベーションや住宅再生の現場で、いちばん大切なのは、実は「技術」や「デザイン」だけではありません。 何より大事なのは、コミュニケーションだと私たちは感じています。
お客様が思い描く「理想の住まい」。
それを形にするために、設計者や職人は知恵と技術を尽くします。
リノベーションや住宅再生において、図面はとても大切なものです。 お客様の思いや要望を、正確に職人さんへ伝えるための“共通の土台”であり、工事を進める上での「設計図=道しるべ」です。 寸法や仕様だけでなく、空間の意図や暮らし方のイメージをどう形にするか・・・ 私たち設計者は、そのすべてを図面に落とし込んでいきます。
ただ、どれだけ丁寧に描いたとしても、図面だけでは伝えきれないことがあるのも事実です。
現場に入ってみて初めてわかる納まりや素材感。
作り手である職人さんが、「ここはもう少しこうした方がいいんじゃないか」と感じることも少なくありません。
だからこそ、図面を“絶対”とするのではなく、現場との対話を通して柔軟に調整する姿勢が求められます。
お客様の理想を形にするために、私たち設計者は、職人さんたちとしっかり言葉を交わしながら、図面の意図を共有し、時には見直す判断もしていきます。
もちろん、お客様とのコミュニケーションも欠かせません。
図面を前にしての会話だけでなく、ちょっとした雑談の中にこそ、本音や大切なヒントが隠れていることもあります。
家づくりは、図面と現場、そして人との対話の積み重ね。
そのどれもが欠けては、満足のいく住まいは生まれません。
設計者は、お客様と職人との橋渡し役でもあります。
だから私たちは、お客様・職人・設計者の三者が、信頼をベースに、遠慮なく言葉を交わせる関係づくりを何より大切にしています。
図面でしっかりと“芯“をつくり、現場で“血を通わせる”・・・
そんな気持ちで、私たちは日々、住宅再生に向き合っています。
私たちはこれからも、「話す」・「聞く」・「伝える」を丁寧に重ねながら、一つひとつの住まいを再生していきます。



