コストをかけずに、壊しすぎず、資産を守る

齊藤和義

齊藤和義

テーマ:リノベーションとコスト

ヴィンテージリノベーションという選択

リノベーションと聞くと、「壁を壊し、床を剥がし、設備を一新して…」と、まるで新築同様に作り変えるイメージを持つ人が多いかもしれません。

しかし、本当にそれが正解でしょうか?

近年注目されているのが、「壊しすぎないリノベーション」という考え方です。
特に昭和に建てられた住宅では、築年数を重ねたからこそにじみ出る風合いや、今では手に入らない素材、独特な設計意図が、他にはない大きな魅力となります。
これらを無理に新しくするのではなく、「活かして、整える」

古くなった住宅を、ただ新しく見せかけるだけでは、本当の付加価値を高めたヴィンテージ空間は生まれません。重要なのは、限られた予算の中で、どの部分に手を加え、いかに魅力を引き出し、価値を保つかです。コストを抑えつつ、デザイン性の高い空間を生み出す、賢いヴィンテージリノベーションの極意がここにあります。こここそ、住宅再生デザイナーの“真の腕”が試される瞬間です。住宅のポテンシャルを見抜き、無駄を省きつつ価値を高めるために求められるのは、経験とセンスであると言えるでしょう。

住まいの再生には、数字では測れない“目利き力”
が必要なのです。



例えば、長年使い込まれた無垢材の床には、多少の傷やシミがある。
   全面張り替えではなく、必要に応じたサンディングとオイルメンテナンスだけで、
   素晴らしい表情を蘇らせることができます。
また、古いタイルや建具も・・・
   少しの補修や再塗装を施すだけで、見違えるように美しく、そして唯一無二の
   存在感を放ちます。

新築では決して得られない「時間の積み重ね」こそが、ヴィンテージリノベーションの最大の魅力なのです。

さらに、表層だけを刷新することで、構造やインフラに過度な負担をかけることもありません。 本当に必要な部分だけに資金を集中することで、結果的に建物の寿命を延ばし、将来の大規模修繕リスクを減らすことにもつながります。

壊すことは簡単です。
けれど、「残す勇気」には、リノベーション建築家の目利きと時を重ねてきたご家族の住まいへの愛情が必要です。


コストを抑えながら、真に価値ある住まいを育てる。
それが、これからの時代にふさわしいヴィンテージリノベーションのあり方ではないでしょうか。



私たちは、そんな営みにリノベーションのプロとして寄り添い、
お役に立てることこそが、私たちの存在価値だと信じています。
一緒に、住まいと家族の「その先」を考えていきましょう。

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Mybestpro Members

齊藤和義
専門家

齊藤和義(リノベーション建築家(二級建築士))

株式会社 ReLIFE

約200棟以上の住宅再生に携わった経験を生かし、柱や梁、屋根などをそのまま使いコストを抑えるリノベーションを手掛ける。中でも古い家の魅力と現代生活に合う構造が融合したヴィンテージリノベーションが人気。

齊藤和義プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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