ゴルファーの重心や体の使い方を強みにするゴルフ指導のプロ洞口誠男

ゴルファーの重心や体の使い方を強みにするゴルフ指導のプロ

洞口誠男

自分に合った重心や体の使い方を科学的に伝える「4スタンス理論」で、スピード・パワーと脱力を両立

　未経験者からスコア100切りを目指す経験者まで、ゴルファーそれぞれの“特性”を生かして上達に導く「ゴルフライフサポート」の代表・洞口誠男さん。本格的にゴルフを始めて48年、指導歴37年、独立から21年と、長くゴルフに向き合い続けてきました。

　「『ゴルフを通じて、人生がより楽しくなるお手伝いをいたします』をテーマに可児市周辺の練習場でレッスンを行っています。現在も定期的に講習を受けて知識をアップデートし、科学的にアドバイスできるのが強みです」

　レッスン最大の特長は、自分らしい体の使い方を知ってプレーに生かす「4スタンス理論」を導入していること。創案者の廣戸聡一氏は中部大学客員教授を務め、日本ゴルフツアー機構やプロ野球、サッカークラブのアスリートもサポートするトレーナーです。

　「まずは体の特性を確認します。運動方向に対して重心が体の前寄りで安定する人はA、後ろ寄りならB、内ももで踏ん張りやすい人は1、外ももなら2。この4つを組み合わせて『A1』『A2』『B1』『B2』の属性を知っていただきます」

　A1とB1は、大腿や上腕の内転や内旋が得意とのこと。A2とB2はその逆で、さらにAタイプは正しく立つことで土踏まずのつま先寄りに、Bタイプはかかと寄りに重心がかかりと動きが安定しやすいと説明します。

　「タイプ別にクラブの握り方や構え方、スイングに落とし込んでいきます。レッスンを受けると脱力の感覚が分かりパワーやスピードや再現性が向上して飛距離アップしベストスコア－更新と怪我の防止につながると好評です。体験プランも用意しているので、ぜひお試しください」

トーナメントプロの下で武者修行。覚悟に触れ、楽しみながらも結果に責任を持つレッスンへ

　洞口さんがゴルフに親しんだきっかけは、ゴルフ好きの父親。幼い頃からテレビ放送を見て興味を持ち、練習場にも同行しては、ジュース片手に後ろで見学。「打ってごらん」と声を掛けられる時間がうれしかったと振り返ります。

　「高校生の時にプロになると決めました。ある合宿で指導に来ていたトーナメントプロに『技術はいまいちだが熱意が素晴らしい』と評価されたことが転機です。弟子入りを許され、一緒に練習するようになりました」

　自らも鍛錬を重ねてきたとはいえ、師匠は未明からゴルフコースで走り込むなど想像以上にストイックだったとか。また、行きつけのジムを紹介すると夜間のハードワークもされるようになり、何でも柔軟かつ貪欲に取り入れる姿勢に圧倒されたといいます。

　「最後になったプロテストでは、後に国内ツアーで8勝された方と同じ組でプレーし、トッププレーヤーとのスケールの違いを悟るとともに、能力の限界を知り、指導専門のティーチングプロに転身しました。この経験のおかげで、当初から『結果を出す』意識を持ってレッスンに臨めました」

　その後勤務先のゴルフ場が、経営破綻により環境が一変。洞口さんは「お世話になったから」と債権者との窓口業務を担い、再オープンを見届けて退職しました。

　「その後『ゴルフライフサポート』を立ち上げました。近年は『4スタンス理論』に感銘を受けテストに合格し、マスター級トレーナーに認定されました。体育の授業や介護の現場にも応用できるので、広くメリットを発信していきたいですね」

出会いと気付きが循環し、世代を超えて楽しめる環境づくり

　洞口さんがレッスンを続ける原動力は、自身を通じて数々の出会いが生まれること。自身と生徒、生徒同士、あるいはゴルフ業界で共に切磋琢磨する人との交流が始まるからこそ長く続けてこられたと話します。

　「経営者のお客さまをマッチングさせた結果、新たなビジネスが芽を出すこともあります。皆さんとコースに出たり、食事会を開いたりすることも多く、私がテーマに掲げる『人生がより楽しくなるお手伝い』を実践しています。今後も単なるゴルフスクールにとどまらず、人間関係の構築やコミュニティーの形成に寄与できればうれしいですね」

　また、生徒に気付きを提供できるのもやりがいの一つ。「これまでお手本通りになろうと窮屈な思いをしてきた」「体を回転させなければと力んで腰を痛めてしまう」といった過去の束縛から解放し「迷ったけれど結局は自分らしいスイングで構わないのか」と、納得感を与えることが自分の役目だといいます。

　「小学生から中学生までのジュニア世代を対象にした無料レッスンも、8年ほど続けています。ゴルフへの関心を持ってほしい思いはもちろん、根底には『親子3世代で楽しんでほしい』という願いがあります。特に、孫と体を動かし語り合うひとときがシニア世代の生きがいとなり、健康寿命の延伸につながれば何よりです。個人的な夢としては、ゴルフ発祥の地スコットランド・セントアンドリュースに1カ月ほど滞在し、自分の集大成となるプレーを味わいたいと考えています」

（取材年月：2025年11月）

スイングは十人十色。無理なフォーム改善よりもスムーズな動作を見つけスコアアップを導く

自分に合った重心や体の使い方を科学的に伝える「4スタンス理論」で、スピード・パワーと脱力を両立

トーナメントプロの下で武者修行。覚悟に触れ、楽しみながらも結果に責任を持つレッスンへ

出会いと気付きが循環し、世代を超えて楽しめる環境づくり

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