不妊治療に特化した漢方と鍼灸で子どもに恵まれない夫婦を全力でサポートする子宝先生Ⓡ

不妊治療に特化した漢方と鍼灸の処方を行うプロ

野崎利晃

#chapter1

最短で妊娠しやすい体をつくり必要な医療行為を提案

　2015年に行われた「第15回出生動向調査」（国立社会保障・人口問題研究所実施）によれば、結婚15∼19年の夫婦のうち不妊を心配した経験があるのは29.3％。そのうち検査や治療を受けた経験があるのは15.6%に上り、その割合は過去の統計に比べて上昇傾向にあります。
野崎利晃さんは子どもができず、悩んでいる夫婦のために、岐阜駅から徒歩5分の所にあるアクセス便利な「メディカルサロンM岐阜漢方センター」を開院。不妊治療に特化した漢方と鍼灸処方を行っています。“子宝先生Ⓡ”のニックネームで親しまれ、同センターにはオンラインも含め、毎月約300人もの患者が来院。週末には九州や北海道など遠方からの患者も多く、海外の患者に対してはスカイプを使って対応しており、妊活サプリなどの通販も行っています。

　「当院では不妊に悩む女性に対して、その方の体質や現在受けておられる不妊治療の内容に合わせて、最短で妊娠しやすい体づくりを行うと同時に、妊娠に必要な検査や医療行為を患者さんに提案しています。お金と時間をかけ続けることが妊娠への近道ではありません」と野崎さんは話します。
　不妊に悩む女性たちの多くは社会や年齢によるプレッシャーに押しつぶされそうになり、高額な医療費を払っているにもかかわらず、結果が出ないことに対して焦りやいらだちを感じています。女性の体はとても複雑でデリケートなので、こうしたメンタル面での悩みや心配事は月経周期にも影響を与え、それは治療効果にも響いてきます。

　大切なのはまず、そうした患者の悩みや心配を払拭してあげること。そのために野崎さんはカウンセリング重視し、患者自身の意識を変えることに努めています。「なぜ、子どもを望むのか。それは『この人の子どもがほしい』と思えるパートナーと一緒に暮らしているからで、そういう状況にある自分は今とても幸せな夫婦関係を築けているという大前提に気づいていただくことが大切。高齢になるほど出産リスクは高く、体外受精の成功率は低くなります。子どもを産むのは時間との戦いです。だから少しでも早くうちに来ていただけるとうれしいですね」

#chapter2

信頼できる産婦人科医と業務提携し、不妊に悩む人々の力になる

　長年漢方や鍼灸をはじめとする東洋医学の勉強に励み、不妊治療で知られる岐阜市の髙橋産婦人科院長に顧問医となっていただき、2016年には同産婦人科で不妊治療を受けている患者を対象とした「鍼灸院　天使の産声」を、同産婦人科の院内に開設しました。
　2020年6月には「株式会社子どもは未来」を設立。この名前には重要なのは妊娠することではなく、無事出産して社会が子どもを健康的に育てることこそ幸せな未来であるという野崎さんのポリシーが込められています。

「出産後の子どもの病気も妊娠前から漢方や食生活を改善することで、予防は可能だと思っています。そのためにはおかあさんだけではなく、ご主人の協力が必要です」
　また野崎さんは不妊に悩む人、あるいは不妊治療を受けている人ならだれでも無料で利用できるオープンチャットを開設。月曜から金曜の午前7時から午後7時まで、妊娠や不妊治療に関することならなんでも質問OK。現在1000人ほどの会員がいるそうです。「不妊治療を受けていても、今何をやっているのかわからない人がほとんど。この薬は何のためか、今出ている症状は病気なのか、薬の副作用なのか。患者さんは妊娠するまで不安がいっぱい。少しでもその心配を取り除いてあげることができればと思います」

#chapter3

社会全体で子どもを育てる取り組みができるような世の中に

　現在、野崎さんは「シュタイナー教育」を柱としている3カ所の幼稚園や保育園で管理薬剤師をしており、教育や食育に関するセミナーも行っています。
　「経済活動や社会活動をしている女性は会社や社会で評価を受けていますが、結婚して家庭に入り出産を経て子育てに入ると、一時的にせよ、仕事や活動をやめなければなりません。主婦や母親というのは評価の基準がないのです。ですからどうしても自己評価が低くなる。でも、そうではなくて、目の前の子どもが笑顔でいてくれることがおかあさんにとって一番なんですよということに気づいてほしい。母親だけでなく、社会全体で子どもを育てる。そんな世の中になってほしいと願っています。私は不妊治療に特化した漢方や鍼灸処方を通して、そうしたお手伝いをしていきたいと考えています」と、野崎さんはさわやかな笑顔で話してくれました。

（取材年月：2020年12月）

Profile

専門家プロフィール

不妊治療に特化した漢方と鍼灸の処方を行うプロ

野崎利晃プロ

薬剤師

メディカルサロンM岐阜漢方センター

不妊治療に特化した漢方薬の処方や鍼灸、食生活やライフスタイル改善のためのアドバイスなどを通じて、子どもに恵まれない夫婦の力になれる。子宝先生Ⓡとして知られ、SNSを駆使してさまざまな妊活情報を発信。

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