歯周病とインプラント治療のプロ高野清史

歯周病とインプラント治療のプロ

高野清史

日本歯周病学会歯周病専門医として、予防から重度歯周病まで対応

　「歯はできるだけ削ったり抜いたりせず、自然な状態が一番いいんです。一本一本の歯を大切にしたいという思いを込めて、ありのままにといった意味を持つ医院名にしました」と語るのは、「ナチュール歯科」の院長・高野清史さん。2階建てのクリニックは1階が治療スペースで、2階がオペ室と予防スペース。2人の勤務医とともに、一般歯科をはじめ、インプラント、矯正、小児歯科などの診療にあたっています。

　日本歯周病学会歯周病専門医である高野さんは、歯周病の治療に力を入れています。
　「私が歯学部を卒業した当時は、歯が悪くなったら抜くというのが主流でした。抜歯するのではなく、自分の歯で食べられるようにサポートすることが、患者さんにとって幸せなことではないかと考え、歯周病治療で実績のある東京都内のクリニックで修業をしました」
　その後、伊達市にある「高野歯科医院」で30年近く副院長を務め、2021年、福島市東浜町に同院を開業しました。

　歯周病は、成人の約7割がかかっていると言われ、歯を失う原因の一つです。また、歯周病を引き起こす菌が血管の中に入り込んで全身を回ることで体に及ぼす悪影響も、指摘されています。
　「心筋梗塞や肺炎を招くこともありますし、早産・低体重児出産のリスクも高まります。糖尿病との関係も深く、歯周病が悪化すると糖尿病が重くなったり、歯周病の治療をすると改善したりということが報告されています。ですから、口の中を清潔に保つことは全身の健康において非常に重要だということを念頭に置いて、患者さんに向き合っています」

自分の歯のように噛めるインプラント治療のエキスパート

　今ある歯を守るための治療や、歯周病やむし歯かにかからないよう予防に取り組む高野さんですが、中にはどうしても救えない歯もあります。そんなときの選択肢として挙げられるのがインプラントです。

　「義歯というと、入れ歯を思い浮かべる人も多いかと思いますが、入れ歯は食べるときに違和感があるという方もいます。その点、インプラントは自分の歯と同じように噛めるというのが利点です。1回の食事で人は約1500～3000回も咀嚼します。それが1日3回です。快適に食べ物をかみ砕けない状態が続くと、胃に負担がかかったり、消化不良を起こしたりして、体調を崩すこともあります。おいしくご飯をいただけないと、ストレスにつながるおそれもあります」

　また、見た目や発音といった面でも歯は大きな役割を果たしています。噛み合わせを安定させるという点でもインプラントはおすすめだとか。
　「保険適用ではないため費用は高くなりますが、メンテナンスをきちんとすれば先々まで使えます」

　海外に研修に行くなど長年にわたってインプラント治療の研鑽を積んできた高野さんは、全国に会員がいるスタディーグループの会長も務めています。会員同士でさまざまな症例について共有し、現在進行形で学んでいることが強みだと言います。
　「自分ですべてを経験できるわけではありません。ですが、他の歯科医師が手がけた症例や治療を見ることで知見を広げることができます。助け合える仲間が大勢いることがありがたいですね」

親子二代で通う人も。長くお付き合いできる歯科医師でありたい

　高野さんが患者と接するときに心がけているのは、わかりやすく説明し、提案すること。
　「自分のお口の中は、鏡で見てもよく分からないですよね。当院では、口腔内写真やレントゲン、歯周病検査などで口の中の状態を理解していただくことに重点を置いています。そして、治療方法は一つだけありません。いくつかの方法から患者さんに選んでいただくようにしています。当院でもメンテナンスをいたしますが、毎日のお手入れをするのは患者さん自身だからです」

　口の中を清潔に保つという点でいえば、幼少期の習慣はとても重要。高野さんは子ども好きということもあり、小児のケアにも熱心です。
　「小さなお子さんは、一緒にお話ししたり遊んだりして、安心感をもってもらうことを大事にしています。親御さんには、虫歯予防に有効な歯磨きの方法や食事の仕方もお伝えしています」

　幼児から80代、90代まで幅広い世代が訪れるナチュール歯科。「高野先生にずっとお願いしたい」と、以前に勤めていた歯科医院から一緒に移ってきた人もいるそうです。また、子どもの頃に高野さんに診てもらっていた人が大人になり、わが子を連れてくるケースもあるとか。
　「患者さんと長くお付き合いできることが本当にうれしい」と、笑顔で語る高野さん。「歯に自信をもってもらえるように、ホワイトニングやマウスピース型装置を用いた歯列矯正など、審美的な分野も視野に入れています。これからも家族ぐるみで通える場所でありたいですね」

（取材年月：2022年1月）

できるだけ削らない抜かない。自分の歯で長く噛める治療を

日本歯周病学会歯周病専門医として、予防から重度歯周病まで対応

自分の歯のように噛めるインプラント治療のエキスパート

親子二代で通う人も。長くお付き合いできる歯科医師でありたい

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