住宅ローン審査・申込実務のプロ松股善治

住宅ローン審査・申込実務のプロ

松股善治

住宅ローンどれが正解？顧客の状況に応じて丁寧にコンサルティング

　マイホーム購入の際に利用する住宅ローン。どこを選んだらいいかわからない、ローンを申し込んだが審査に通らなかった、借り換えを検討している……そんなときの強い味方が「福岡MPオフィス」の代表・松股善治さんです。

　松股さんは勤務した住宅会社で20年以上、住宅ローン業務を担当してきました。しかし、会社の業績が悪化し希望退職者を募ったことをきっかけに独立。住宅ローンのコンサルティングに特化した同社を設立しました。前職から数えると通算で7000件以上の申し込みに関わってきたそうです。

　「お金の悩みというと、まずファイナンシャルプランナーが頭に浮かぶ人も多いでしょう。保険や教育・住宅費など資金計画の相談にこたえてくれる専門家です。しかし、当方は住宅ローンのみです。私の強みは、住宅ローンに関する豊富な実務経験によって各金融機関の審査規定と金利情報に精通していること。ファイナンシャルプランナーから意見を求められることもあるんですよ」

　住宅ローンの申込先を自分で調べるとしたら、今は気軽に検索できるインターネットが主流かもしれません。しかし、ある一定の条件を満たすと金利が優遇されるなど、銀行などのホームページでは公表されていない情報がたくさんあるのです。松股さんは、銀行員との長年の付き合いからこうした内容も熟知。相談者に有利な住宅ローンを十分に検討し、提案しています。

　「何千万円もの金額を長期にわたって返済するのですから、選び方によって返済総額に大きな差が出ることもあります。私と一緒にしっかり見極めていきましょう」

審査に関することは早めの相談。これがマイホームへの近道

　松股さんに最も多く寄せられるのが、住宅ローン審査に関すること。金融機関や保証会社の審査規定と、相談者の状況を照らし合わせた上で金融機関を選定。書類作成や窓口への同行など細やかにサポートしています。また、いくつかの住宅会社から、住宅ローンに関する事務手続きを一括で請け負っています。「面倒な業務から解放されて、本来の営業活動に専念できて助かる」と喜ばれているそうです。

　ホームページを見た人からの依頼で、例えばこんな事案がありました。夫の信用情報に問題があったため、妻単独で数社に住宅ローンを申し込んだものの却下。ただ、妻は資格職で年収も十分にありました。そこで、妻単独で申し込んでも大丈夫と思われる金融機関を紹介し、事務手続もサポート。無事審査に通り、マイホームを手に入れることができました。

　「病気の治療と同じように、不安な点があれば早めに対策をとる。これが審査通過の一番の近道です。審査に出すとその履歴が残るため、審査回数が増えれば増えるほど不利になってしまいます。さらに、金融機関に足を運ぶ時間や結果を待つ時間も余計にかかります。労力を省くためにも、承認されやすいと思われるところに絞って申し込みを行うのが得策なのです」

　松股さんは何でも引き受けるのではなく、現状では審査に通らないと言い切れる時や身の丈に合わないローンを組もうとしている時などは、依頼を断ることもあります。「今は難しいけれど、2年たてば申し込みできるでしょう。それまでにこういう面をがんばっておいてください」と、相談者の今後を見すえたアドバイスをしています。

キャッシュレス社会の到来で、知らないうちに信用情報に傷がついていることも

　「車のローンが残っていると住宅ローンを組めないのでは？」という疑問も多数。松股さんによると、住宅ローンの申込先で車のローンを借り換えることで、トータルの返済額が少なくなることもあるそうです。住宅ローンに付随する幅広い知識を備え、有用な回答を導き出してくれるのも松股さんならではと言えるでしょう。

　「ここ数年で急増しているのが、スマートフォン本体の分割払いが信用情報に影響を及ぼしているケースです。例えば機種変更時に旧機種の残債を支払ったつもりが、何かの手違いで未払いが続いたというデータが残っていて、住宅ローンの審査に落ちることがあるのです。お金がなくて支払いが滞ったわけではないので、それを説明する資料を申込時に添えることもあります。私がやっているのは、あくまで正攻法です」

　クレジットカードやスマートフォン決済の普及など、社会のキャッシュレス化が進むと、自分が知らないうちに信用情報に傷がつく可能性があると警鐘を鳴らす松股さん。「カードなどで困っている方々をフォローしていきたい。その術は知っていますから」と話します。

　家は一生にそう何度もない大きな買い物。住宅ローン専門のコンサルタントは、人生を左右する大事な仕事と自負しています。ただ、同業者が少ないがゆえに、業務内容を理解されにくいという課題も感じているそう。今後はもっと認知度を上げて、マイホームを夢見ている人の力になりたいと意気込んでいます。

（取材年月：2021年8月）

住宅ローンを知り尽くし、審査・借り換えに不安がある人をサポート

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