捨てられない気持ちに寄り添って——モノと空間と心の整理
日中はまだまだ暑いですが、9月に入り、朝晩の空気が少しずつ涼しく感じられますね。
こんにちは
住まいと暮らしのコンサルタント 川崎育代です。
今月は「敬老の日」もあり、家族のことや実家のことを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
家の中を見回すと、押し入れや棚の奥に眠るアルバムや写真、思い出の品々…。
片づけたいと思っても、「これは捨てられない」「処分するのは心が痛む」と感じて、手を付けられないことありますよね。
でも片づけは「物を減らす」ことだけが目的ではありません。
「物語を残す」という視点に変えるだけで、気持ちがぐっと楽になり、整理も前向きに進められるようになります。
「減らさなきゃ」と思うと疲れてしまう
片づけの本や情報を見ると、「まずは捨てましょう」「使わないものは処分しましょう」といった言葉が並びます。
それは一つの正解ですが、特に思い出の品や写真はそう簡単には決断できませんよね。
親から受け継いだものや子どもの頃の記念品など、「手放したら記憶まで消えてしまうのでは」という不安を抱える方も多いはず。
そんな時は「無理に減らす」のではなく、「何を残したいか」を考えてみましょう。
気持ちに寄り添った片づけは、心の整理にもつながります。
物よりも「物語」に価値がある
写真や古い手紙、記念品の多くは、ただの“モノ”ではなく「思い出やエピソード」が詰まった存在です。
例えば、祖父母の若い頃の写真には、知らなかった家族の歴史が隠れているかもしれません。
物そのものにこだわるのではなく、「この写真にはこんな物語があった」と、未来の家族に伝えたいストーリーを残すことを目標にしてみましょう。
それだけで整理の仕方も変わり、選ぶ基準も明確になります。
写真整理から始める「物語の棚卸し」
写真整理は、片づけの中でも取りかかりやすいテーマです。
アルバムの中やバラバラの写真を取り出し、「残したいもの」を選び、簡単なコメントを書き添えるだけでも価値が生まれます。
最近はスマホで撮影してデジタル化する方法もあり、重いアルバムをすべて残さなくても大丈夫。
家族と一緒に写真を見ながら思い出を語り合えば、世代を超えたコミュニケーションにもなります。
家族の歴史を未来に伝える
思い出を整理するというのは、単に荷物を減らすことではありません。
「物語を残す」という視点で片づけをすれば、親の思いや家族の歴史を次世代にバトンのように渡すことができます。
もし「これ誰の写真だろう?」と思った時に、そのエピソードが書かれていたら、子どもや孫の世代も受け取りやすくなります。
写真や記念品をきっかけに、家族の歴史や大切な価値観を共有できるのは、とても素敵なことですね。
まとめ
「片づけ=減らす」という考え方から少し離れて、「残したい物語を選ぶ」片づけにしてみましょう。
写真整理はその第一歩としてもぴったり!
敬老の日をきっかけに、家族の思い出を見直す時間を持ってみてはいかがでしょうか?
それは、家を整えるだけでなく、家族のつながりを感じられる心温まるひとときになるはず。



