地下の不可視部分の危険を見抜く地質・構造物調査の専門家
山田拓也
Mybestpro Interview
地下の不可視部分の危険を見抜く地質・構造物調査の専門家
山田拓也
#chapter1
大天災を幾度も経験し、安全の大切さを再認識する昨今。道路や建造物の安心安全を影から支えてくれる、地質調査のプロ集団が習志野市にいます。山田拓也さんが代表を務めるジオメンテナンス株式会社です。
「地面の下には、空洞や埋設物など、さまざまな現象や危険が存在しますが、当然目に見えません。それらを見るのが、私たちの仕事です」と山田さん。「〝地中のレントゲンを撮って分析する〟といえば想像しやすいでしょうか。レーダーや赤外線をはじめ、特殊な機械を駆使して地中の異物や不具合を検知。データを読み解いて、位置や大きさ、地中の状態を正確に掴みます」
一体、どのような場面で調査されているのでしょうか。「例えば地中やトンネルの背面には経年変化や地震などが要因で、空洞や地盤のゆるみが発生することがあるんです。大きくなれば、道路の陥没、トンネルの崩壊につながる。人や車が通っている時だと大事故ですよね。実際、数年前にはゴルフ場の地面が突然陥没して、人が亡くなった事例もありました」。ほかにも、波止場内部に波の浸食で空洞が発生し崩れる、道路が陥没し車が落ちる…。事故は沢山起こるそうです。
「国や自治体も手をこまねいているだけではありません。厳しい基準を設けて修復に取り組んでいますが、やみくもに手をつけても時間と費用がかかるばかり。そこで、工事が必要かどうか、修繕する場合はどこを直すのか。適切な判断をするために、まず私たちが、不具合箇所の位置、大きさを調査します」
工事の方向性を決める大事な第一歩が、山田さんたちの調査なのです。被害が甚大で広範囲に及んだ東日本大震災でも、復旧プロジェクトに参加。道路や建築物の構造内部を調査して修繕必要箇所を探るなど、復興に大事な役割を担っています。
#chapter2
北は北海道、南は沖縄県と、日本全国から依頼が引きを切らない山田さんたち。その理由は「質の高い技術力・調査力」と「多彩なソリューション(問題解決法)」にあります。
空洞を見つけたい、埋設管の位置を探り当てたい、帯水層の有無を調べたい、橋梁の杭の深さを知りたい。一言に地中調査といっても、目的はさまざまなのだとか。「当社の自慢は調査手法の豊かさです。空洞調査、高密度表面波探査、電気比抵抗探査、赤外線調査、基礎杭根入れ調査、地盤調査…。目的に応じた最適な方法をご提案できます」と山田さん。基本的に非破壊調査であるため、破壊調査に比べて迅速に結果が得られる点も好評です。
また、スタッフは熟練者ぞろい。各調査に精通した専門家があたることも大きな強み。「もちろん精度のよい機械を多数揃えていますが、機械さえあれば調査できるというものではありません。調査場所の選定、データの分析。調査の成否は機械を使う人間にかかってきます。経験と技術。両方を持った〝現場力の高い人間〟が担当することで、初めて質の高い調査が可能になります」。そう語る山田さんも、日本有数と言われるほど高い技術をもった空洞調査のエキスパートです。
優れた調査力と、問題解決能力を併せ持つ山田さんたち。国や全国の自治体、建設コンサルタント、建設会社から「プロフェッショナルパートナー」として、厚い信頼が寄せられています。
#chapter3
高い技術が認知されるにつれ、震災で起きた液状化部位の空洞調査、海外での遺跡発掘など、依頼される分野は広がるばかり。
「最近は不動産会社や不動産オーナーの方から、地質調査や空洞・埋設物調査、建造物調査のご依頼が増えています。不動産売買の際、瑕疵(かし)に気がつかないまま取引を進めると、後にトラブルが生じ責任問題になる。調査して、問題がなければ〝調査済み物件〟の安心が付加価値となり、取引がスムーズに進むそうです」。家が突然傾き始めた、というので調査に入り、地中に埋まっていた廃棄物を発見した事例もあったそうです。
「目に見えない部分だからこそ、何かあった場合、大トラブルにつながります。私たちの技術をもっと利用して、安心して暮らしていただきたいです」
「私たちは表に出ることのない存在。ですが、我々の調査がみなさんの安全につながる。国の大動脈である道路やトンネルづくり、インフラ整備にも寄与できる。それは大きな誇りです。これからも技術を磨いていきたいですね」。山田さんたちは、今日も日本のどこかで安全を支え続けています。
(取材年月:2012年8月)
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Profile
地下の不可視部分の危険を見抜く地質・構造物調査の専門家
山田拓也プロ
測量士
ジオメンテナンス株式会社
目的に応じた最適な調査プランの提案力に強み。知識と経験をあわせもった専門家集団として、迅速で正確な調査を行います。
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