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「介護難民ゼロの実現へ」の実現を目指し、介護事業についてコンサルティング

低コスト開業と運営改善を支える介護事業のプロ

菊地敏文

菊地敏文 きくちとしふみ

#chapter1

物件選びや事業計画の策定、人材採用や教育、請求業務などを伴走支援

 「ReSPA(リスパ)」の代表で介護福祉士の菊地敏文さんは、通所型のデイサービスセンターや訪問介護事業所を運営してきた知見をもとに、介護コンサルティング事業を展開。

 新規立ち上げでは「どこで」「誰に」「どんなサービスを提供するのか」といった施設のコンセプトを設定したり、介護事業所や障害福祉事業所の指定申請や融資に欠かせない事業計画を策定したり。活動方針や人員構成、収益構造に関わる部分から助言・提案しています。

 「物件の選定や市場調査、行政手続き、人材の採用と教育、勤務体制の構築、事務などのバックオフィス業務まで一貫してサポートしています。クライアントさまは、重要な意思決定や契約時の書類などを確認・承認するだけ。実務の大半を担う『丸投げプラン』により事業運営をお手伝いします」

 物件探しでは「入居希望者が見込めるか」だけでなく、「スタッフを確保できるか」も踏まえて立地や交通アクセスの利便性などを精査。開業後も経営管理や介護保険の請求業務を受託するなど、事業が軌道に乗るまで長期的に伴走しています。

 既存の事業所に対しては、スタッフ自身が日常業務の中で課題を見つけ、自発的に改善できる「気づき力」と「実行力」の育成に注力。現場のオペレーションを見直すことで効率性を上げ、月200~300万円の増収につながった事例もあり、改善を継続できる組織づくりを目指しています。

 「開業して終わりではなく、長きにわたり利用者や職員に選ばれる施設であり続けることが大切です。実地で培った実践的なノウハウで介護事業の成長を後押しします」

#chapter2

業務効率や収益面など、現場で培った改善力を事業所の運営に生かす

 菊地さんが介護の道を志したのは、理学療法士の勉強をしていた学生時代です。実習を通して介護の現場に触れ、「人の生活を支える仕事」に魅力を感じたのがきっかけだと言います。

 「介護職に就いてからは、利用者さんのケアだけでなく、業務改善にも取り組みました。デイサービスでは送迎ルートを見直し、送迎時間を40分以上短縮して残業時間を削減。ショートステイでは、夜間の排せつケアを利用者一人一人の生活リズムに合わせて分散し、スタッフの身体的な負担を軽減しました」

 有料老人ホームでは、入居者の転倒事故が起こりやすい時間帯を分析し、起床時などに合わせて早番シフトの開始時間を変更。事故の減少と売り上げの向上を両立し、グループ内で同時期に開設した全国60施設の中で、好成績を収めました。

 「実務者、管理職、施設の責任者として介護の現状をつぶさに見てきました。いずれの立場でも心掛けてきたのは『現場をどうすればもっと良くできるか』という視点です」

 職員の就労環境を整え、ケアの質を保ちながら利益体質を強化してきた経験を多くの事業所で役立てたいと考え、元同僚の友人とともに「ReSPA」を設立。現場改善を得意とする菊地さんと、経営面を得意とする友人、それぞれの強みを持ち寄り、介護事業者に向けたコンサルティングをスタートしました。

 「机上の空論ではなく、現場で試行錯誤してきたからこそ伝えられることがあります。経験に基づいた具体策をご案内できることが、現在の事業の土台となっています」

#chapter3

空き家など地域資源を生かした仕組みづくりで「介護難民ゼロ」へ

 高齢化が進む今、生活を送る上で支援を必要とする人が増える一方で、施設や人材の不足は全国的な課題となっています。経済的な理由や地域の事情から、適切なサービスを受けられない人も少なくありません。

 「私は、『介護難民ゼロ』をスローガンに掲げています。必要な人に介護を届けられるよう力を入れているのが、空き家や中古物件を活用した施設づくりです。新築では億単位を要する初期投資を抑えやすいため、介護事業へ新たに参入するハードルを下げることができます」

 例えば、民家はアットホームな雰囲気が魅力になり、駅から遠い郊外でも住宅街であれば近隣住民から需要があり、地域に寄り添ったケアを届けることができます。また、賃料など月々の固定費も抑えられるので、生活保護受給者をはじめ、経済的に余裕のない人でも利用しやすい料金設定が可能になるのも利点だとか。

 「空き家という地域資源を活用し、働き口をつくることで地域に雇用を創出し、年齢を重ねても、住み慣れた場所で暮らし続けられるまちづくりに貢献したい」と語る菊地さん。現在、東北を中心に活動していますが、今後はエリアを全国へ広げることも視野に入れています。

 「コンサルティングは、施設を増やすことだけが目的ではありません。地域資源を生かしながら、介護を受けたい人、介護事業を始めたい人、地域社会の三者が支え合える仕組みをつくること。『介護難民ゼロの実現へ』を実現することが目標です」

(取材年月:2026年7月)

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専門家プロフィール

菊地敏文

低コスト開業と運営改善を支える介護事業のプロ

菊地敏文プロ

介護事業コンサルタント

株式会社ReSPA

空き家・中古物件活用による初期投資を抑えた介護事業の開業支援からスタッフが自ら改善できる組織づくりまで一貫して対応。現場経験を生かした実践的な提案で、安定した事業運営と持続的な成長を支えます。

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