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水まわりの「当たり前」を支え、清潔で快適な暮らしを守る「排水管のドクター」として活動

排水設備の予防保全を支える維持管理のプロ

棟方亮

棟方亮 むなかたりょう
棟方亮 むなかたりょう

#chapter1

浄化槽の維持管理、排水管のトラブル対処、飲食店のグリストラップ清掃などに対応

 「水まわりの『当たり前』を支え、清潔で快適な毎日をかなえることが私どもの役目です」と話すのは、青森県平川市の「平賀浄化槽センター」の棟方亮さん。

 生活排水をきれいにする浄化槽の維持管理などを手掛け、戸建て、アパート・マンションのような集合住宅、公共施設、事業所や工場、店舗などへ赴いています。

 「当社は1974年の開業以来、地域に根ざし、水環境を保守するサービスに取り組んできました。汚水の逆流や漏水などを招く、排水管のトラブルにも対処すべく、管内のカメラ調査や、頑固な汚れを落とす高圧洗浄も承っています。『水が滞留する』『コポコポと音がする』『下水臭がする』といった場合は、早急にご連絡ください」

 近年は、飲食店や給食施設に設置されたグリストラップ(油脂分離阻集器)の清掃にも注力。厨房から出る排水中の油分や生ごみを分離・貯留する装置で、放置すると悪臭や害虫、管内に詰まりが生じ、最悪の場合は水が流れなくなり、営業停止のリスクもあります。

 「当社では、専用車両で汚泥を吸い取るバキューム方式に加え、『石けん化工法(グリピカ)』も導入しています。特殊な薬剤によって廃油を石けん水に分解するもので、廃棄処分をなくし、臭いの軽減やコスト削減にもつながります。グリストラップの状態を見て、2種類のうちから適した方法をご提案いたします」

 土壌・水質・大気汚染の要因となる産業廃棄物の収集・運搬も手掛け、法令に則して適正に処分することで環境保護にも尽力。し尿のくみ取りや仮設トイレの清掃も担い、地域の公衆衛生の保全に努めています。

#chapter2

目に見えない異変を見極めるスキルを身につけ、排水管の不具合の原因を究明

 棟方さんは建築系の専門学校を卒業後、神奈川県で、工場やプラントの配管検査会社に就職しました。配管が摩耗していないか、振動に異変はないかなど、目に見えない設備の欠陥や劣化を的確に把握し、補修計画を立てるスキルを身につけ、家業である同社に入社しました。

 「幼い頃から働く父の姿を見て、業務をある程度は理解していたつもりでしたが、点検やヒアリングなど、想像以上にお客さまとの距離が近いことに気づきました。『ありがとう』の言葉を直接いただける、喜び多き仕事だと改めて実感し、生活に欠かせないインフラを整備する職務への誇りも高まりました」

 排水の不具合は日常生活に直結。トイレの水が流れない、シンク下が水漏れしているといった困りごとを解決へ導き、ほっと安堵する顧客の表情が何よりのやりがいだと言います。数多くの案件を請け負う中で、特に印象に残っているのは、増改築のたびに排水管を接続し直した住宅だとか。

 「配管経路を示す図面はなく、点検口も見当たらず。どこから水が流れ、どこで詰まっているのかを探るため、現場を何度も確認して、ようやく原因にたどり着きました。水道を使えず不便も伴うので、リフォームを検討されている方は、業者さんから図面をもらっておくことをおすすめします」

 排水設備の多くは床下や壁の中にあり、構造が分かりにくい点にも配慮。棟方さんらは手書きの図で問題点を分かりやすく説明するなど、納得してもらえるコミュニケーションを大切にしています。

棟方亮 むなかたりょう

#chapter3

建物の足元をすべて診る「総合病院」を目指し、定期診断の重要性を発信

 「当社は、自分たちの仕事を“排水管のドクター”と表現しています。病院で健診を受けるなど、日頃の心掛けが大病を防ぐように、排水設備も早めの相談・診断が大きなリスクを回避する点がお医者さんと似ています。対応が遅れると費用や時間がかさむだけでなく、寿命を縮めるおそれもあるので、早期発見・早期治療が肝要です」

 ほかにも、飲食店の排水管に生ゴミや油脂が蓄積すると、腐敗や発酵が進んで硫化水素などの有害なガスが発生し、従業員の健康に影響を及ぼすケースも。さらにグリストラップの清掃を怠り、油分や汚泥が流出してしまい下水道管まで腐食してしまうと、道路が陥没する可能性も指摘されています。

 「人命にかかわり、道路が使えず都市機能にもダメージを与える重大事故を引き起こさないように、定期的にメンテナンスする重要性を知ってほしいですね。末期症状になってからではなく、少し気になる段階でお声がけいただくことで、経済的にも精神的にも負担は軽くなると思います」

 先進的な技術を積極的に取り入れてきた棟方さんらが掲げる目標は、建物の足元を総合的に支える存在。家族が暮らしを営む住まいや、人々が集う店舗・施設など、地域の大事な財産を末永く守っていきたいと語ります。

 「ゆくゆくは排水管を作り直す工事も行い、事業を拡大したいと考えています。病気を発症しないように予防し、傷んだ箇所があれば手当てを施し、設備のコンディションを整えることで、健やかな地域づくりに貢献したいですね」

(取材年月:2026年5月)

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専門家プロフィール

棟方亮

排水設備の予防保全を支える維持管理のプロ

棟方亮プロ

排水設備管理

有限会社平賀浄化槽センター

排水管のつまり解消から浄化槽管理、グリストラップ清掃まで対応する水回りの専門家。原因究明力と石けん化工法を強みに、トラブル対応だけでなく予防保全を通じて地域環境を支えています。

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