予防中心の診療に取り組む口腔ケアのプロ工藤剛大

予防中心の診療に取り組む口腔ケアのプロ

工藤剛大

予防を重視する歯科医を目指して

　青森市の南中学校正面にあるミドリデンタルクリニックの院長、工藤剛大さんは歯科医のマイナスイメージをなんとか拭い去りたいと、医院理念に「予防中心の歯科医院」を掲げています。「痛い治療は嫌だ」から「痛くなる前に治療しよう」「治療しなくてもいいように予防しよう」へ。ストレートでわかりやすい考え方です。スタッフにも患者さんへの対応を細かく指導し、心地よい空間が保たれるようにと、明るい待合室やプライバシーが守られる治療室にもさまざまな工夫が見られます。

　例えば、歯垢を取り除いてもらうとします。定期的に通っていれば処置は短い時間で済み、歯はもちろん、口腔内の健康チェックにつながります。小さな虫歯や何らかの不具合が見つかれば、早期に適切な処置が可能となります。完全予約制のシステムでゆっくりと患者さんの悩み事を聞くことが信頼関係を深め、次からは気軽に相談してくれる方が多いそうです。工藤さんの言葉で印象的だったのは「歯は体の一部です」というもの。口腔内だけなのか、噛み合わせはどうか、食べ物が偏っていないか。さまざまな原因で虫歯になる可能性があると言います。

　そのため、カウンセリングを通じて、ブラッシングの指導はもちろんですが、歯磨きペーストの選び方、偏食改善のためのアドバイスに関してなど、さまざまな相談に対応することもあります。患者さん一人一人に合った総合的な予防を重視しながら診療し、素敵な笑顔を増やしています。

子供の歯は、妊娠中からの口腔ケアが大切です

　妊娠中のお母さんは十分な栄養を摂らなければなりません。「そこで大切なのは、やっぱり歯です。さらには、口腔内のケアが大切ですよ」と工藤さん。妊娠中に身についた口腔ケアは、妊婦時から育児中にも生かされ、子供の健康な歯を守ることにつながるそうです。小さい頃から予防目的で歯科医院を訪れることで、歯科医院通いに抵抗なく成長してくれます。結果として、健康な口腔ケアが維持できることになります。

　歯科医院へのアレルギーを軽減するために、工藤さんを含めスタッフが笑顔を絶やさない接客に努めています。受付スタッフそれぞれが自分の名刺を持ち、患者さんから名前で呼ばれるという良好なコミュニケーションができているようです。

　工藤さん自身もカジュアルなシャツを着用、少しラフに白衣をまとい、スニーカー履きでとても軽快な印象です。そのような環境づくりが、ありがちな歯科医院のイメージを一掃し、この先生なら任せられるという関係を築いているのでしょう。

美容室に通うような心地よさを提供

　「美容室に通う感覚で、来てほしいですね」と工藤さん。ミドリデンタルクリニックの最終目的は患者さんの健康と笑顔です。定期的に通ってもらうことが健康維持への第一歩です。病気になったからではなく、健康できれいになるために通ってもらえたらと考えています。

　デリケートなことなので相談しにくいのですが、男女を問わず「口臭」を気にされている人も多く、いったん気になると他人と話すことに消極的になってしまいます。ミドリデンタルクリニックでは、最後までとことん付き合っていくという力強い専門カウンセラーの熱意があり、スタッフ全員が心がけているのは相談しやすい環境づくりです。デリケートな事案だからこそ、その一歩を踏み込めた、患者さんに合った処置とカウンセリングを提供できると思っています。

　環境づくりは医院のデザインにも現れています。円をモチーフにした、丸太を輪切りにしたような作りになっています。放射状に処置ベッドが並んでいるので、隣の患者さんを気にせずに診察を受けることができます。待合室から診察室が見えない、カウンセリング室は独立しているなど、患者さん目線の構造になっています。さらに患者さんへの情報提供を心がけています。季節の話題や工藤さんのプライベートな出来事などを交えながらの、手書き・手作りのミニ冊子が患者さんへ手渡されます。待ち時間に読んだり、そのまま持ち帰ったりと患者さんとの距離を近くしてくれているようです。

　インプラントの導入や、最新治療のセミナーには工藤さんだけではなく、スタッフもできるだけ多く参加し、新しい知識や技術の習得に努めています。健康な歯を維持し、口腔ケアを重ね、口元の印象を美しく保つことが生活まで明るくしてくれる。評判の美容室やエステティックサロンが話題になるように、美しさの基準として歯科医が選ばれる時代がくる事を予感させる診療姿勢を感じました。

（取材年月：2012年12月）

歯の健康が患者さんの笑顔をよりいっそう素敵にします

予防を重視する歯科医を目指して

子供の歯は、妊娠中からの口腔ケアが大切です

美容室に通うような心地よさを提供

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