遺言や相続、任意後見など人生の終盤を支える行政書士
中村修一
Mybestpro Interview
遺言や相続、任意後見など人生の終盤を支える行政書士
中村修一
#chapter1
「行政書士法人中村事務所」は、愛知県内に9カ所の相談窓口を設け(2025年7月現在)、相続や遺言といった、人生の終盤に向き合う大切な手続きを地域密着型で支援しています。
「法律は全国共通ですが、土地柄によって風習や考え方は異なり、地域性を十分に理解し柔軟に対応する必要があります。また、お困りの際に気軽に足を運んでもらえるようにと考えた結果、拠点が増えていきました」
そう語るのは、代表の中村修一さん。各事務所に行政書士を置き、年間1,000件以上の案件に対応しています。
「公正証書遺言は、ご自身の意志を反映でき、信頼性と確実性が高まる点でおすすめしています。遺言執行や相続手続きも承ります。認知機能の低下に備えるなら元気なうちに任意後見契約を結んでおくと、将来の不安を軽減できるでしょう。独り身だから亡くなった後のことを任せたいという方も増えていますね」
中村さんのもとでは、寄せられる相談に二人体制で対応しているのも特徴です。
「お話の中で感情が高ぶってしまう方もいらっしゃいます。依頼者さまの真意を齟齬なく理解するためには、複数人でヒアリングした方が良いと考えています。『1つの案件に2人も必要か』と言われることもありますが、先輩と後輩で担当することでノウハウの継承にもつながりますし、何よりお客さまに安心していただけます」
「任せて良かった」との声が励みとなっていると中村さん。「相続の雑務は当方が担いますので、ご遺族さまには、故人を偲びながら生活を建て直すことに注力してもらえたら」と話します。
#chapter2
中村さんは愛知県の出身。1993年に大手旅行会社に就職し、主に法人営業を担当しました。
「入社当時はバブル経済が崩壊したころで、企業も慰安旅行を縮小傾向にありました。なかなか契約に至らず苦戦しましたが、顧客のニーズや意思決定者を見極める力を磨くことで、営業成績を上げることができました。さまざまな業界や業種の方と接点を持てたことが今も役に立っていますね」
その後、6年間の勤務を経て、外資系の生命保険会社に転職。
「それまでは法人営業(BtoB)が中心でしたが、個人のお客さまを対象にした保険営業(BtoC)をすることに。理解度や状況が人それぞれ異なる中、信頼関係を構築し契約後もフォローしていくことの大切さを学びました」
2005年に退職し、税理士が設立した相続支援会社にオープニングスタッフとして入社。ファイナンシャル・プランナーの勉強をしていたこともあり、相続や事業承継の分野に強く惹かれていたといいます。しかし、会社の業績は思わしくなく赤字続き。このままでは事業の継続は難しいと判断し、2008年に株を買い取って経営を引き継ぎました。
営業経験で培ったネットワークを生かし、着実に顧客を増やして経営を軌道に乗せた中村さん。相続業務における戸籍収集などの実務対応には行政書士資格が有効と考え、2013年に資格を取得し、行政書士事務所を開設しました。
さらに、有資格者の雇用を進めて法人化。愛知県内をはじめ、岐阜県・三重県・静岡県西部などにも拠点を広げ、地域に根ざした支援体制の構築を目指しています。
#chapter3
「当方が代表を務める相続支援会社がトータルコーディネートすることで、依頼者さまの負担軽減をはかっています」と中村さん。必要に応じて適切な専門家を手配しながら、相続手続きの全体を把握して差配する体制を整えています。
「例えば、相続に伴う不動産の登記変更は司法書士に依頼しますが、未登記だった場合には行政書士や土地家屋調査士が関わります」
複数の士業にまたがる手続きでも、中村さんが橋渡し役となることで、手続きの抜けや重複を防ぎます。
「相続税の申告がある場合など、金融機関へ出向いて残高証明書や入出金の履歴等の書類集めが必要となりますが、慣れていないとハードルが高く、何度も窓口に足を運ぶ事態になりかねません。当方では、書類取得も代理で行っており、各専門家の作業もスムーズに運びます」
こうした積み重ねが信頼につながり、現在では金融機関とのやりとりを効率化するスキームも確立。相続案件の相談を受けることもあるとか。
また、豊富な実務経験からセミナーの講師も務めており、多い年には年間150回以上開催。エンディングノートの書き方や不動産相続など、多様なテーマを通して相続を「自分ごと」として考える機会を広げています。
「資格を取得して感じたのは、勉強した内容と実際の現場とでは大きなギャップがあるということです。ご自身で情報を調べる方もいらっしゃいますが、まずは相談して方向性を確認する方が失敗は少ないでしょう。心も時間も余裕をもって対処するためにも、早めのご相談をおすすめします」
(取材年月:2025年7月)
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遺言や相続、任意後見など人生の終盤を支える行政書士
中村修一プロ
行政書士
行政書士法人中村事務所
公正証書遺言の作成や執行、相続手続き、任意後見契約などを年間1,000件以上担当。県内各地に事務所を構え、地域の風習や考え方も考慮しながら、トータルコーディネートし、スムーズに手続きを進めます。
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