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「まちのデザインやさん」として中小企業の活性化をサポートする

“まちのデザインやさん” として中小企業をサポート

松尾益秀

“まちのデザインやさん” として中小企業をサポート 松尾益秀さん
制作事例のカタログ

#chapter1

小さな会社の魅力を最大限に引き出す

 グラフィックデザイナーとして20年以上のキャリアを持つ松尾益秀さんの肩書は、“まちのデザインやさん”。親しみやすい呼称には、デザインを通じて中小・零細企業に貢献したいという願いが込められています。
「T.M.P.」の3本柱は会社案内のパンフレット、店や商品のロゴマーク、ホームページの制作です。ウエブ全盛の時代ですが、営業先ですぐにカバンから取り出して見せることのできる会社案内は、便利な営業ツールとしてその良さが見直されています。
 制作の際、松尾さんはディレクターとして自ら経営者にヒヤリング。「経営者の思いをダイレクトに受け止められるし、余分なコストもかかりません。時には自分でコピーも書きます。カメラマンやコピーライターとのネットワークもあり、幅広い要望にお応えできます」

 ものづくり王国と呼ばれる中部地方には製造業が多く、そのほとんどは中小企業。他社にはない特色ある技術を持った企業も多く、これまで松尾さんはそうした企業のブランディングを数多く手掛けてきました。しかし、ライバル企業に自社のやっていることを知られたくないと、情報開示にはあまり前向きでない経営者もあるとのこと。「大手の下請けとして経営的にも安定しているためか、自社のすばらしさに気づいていない経営者の方もいらっしゃいます。そういう方々から自社の強みを引き出して、それに気づかせてあげると、とても喜ばれます。若い社長さまからお仕事のご依頼や相談を受けることが多いですね。『今のままではダメだ』と、危機感を抱いていらっしゃるのだと思います」と、松尾さんは分析します。

 時には依頼によりJimdoなど無料のホームページを使ってのデザインも引き受けます。「ウエブで集客を図るには、ホームページを常に更新していく必要があります。ですから、ぜひ、ブログは書いて頂きたいですね。SEO対策も重要です。自社の強みとなるキーワードを入れながら文章を書くことで検索エンジンの上位に上がってくるので、見つけられやすくなります」

#chapter2

ウエブ集客が図れるホームページを制作

 イラストレーター志望だった松尾さんは、ほのぼのとしたあたたかみのあるイラストが得意。専門学校を卒業した後、デザイン事務所に就職し、5年間勤務。さまざまな仕事を任され、お客様とのやりとりを通じ、デザイナーとして大きく成長することができました。
 その後、店舗設計の会社に転職し、2年間、主に飲食系の店舗に関わる看板の装飾やメニュー帳、ポスター、オープニングチラシなどを制作。一から店舗づくりのサポートをすることで、企画やディレクションのノウハウも身に付けることができました。
 平成16年、29歳で独立・開業。しばらくは苦労しましたが、次第に仕事も軌道に乗り、現在は顧客から絶大な信頼を得ています。

 愛知県のお隣、岐阜県各務原市にある「株式会社 日本温浴研究所」の顧問もしており、同社関連のホームページやカタログパンフレット、ロゴ、商品パッケージなどを手がけています。また、糖度18度で生でも食べられるフルーツコーン「味来」を生産・販売する「ファームタケアキ」の商品パッケージやカタログパンフレットなどを制作し、その販促をサポートしています。

制作事例のカタログ

#chapter3

弱者の戦略を学び、仕事に生かす

 一昨年松尾さんは体を壊し、休養をとることになりました。時間があるので読書でもしようと思い、「弱者の戦略」という本を読んだのです。そこには弱者(業界第2位以下の企業経営者)が経営で成功するために必要な八つの項目と、それに基づいた経営戦略が書かれていました。「これはすごい! ぜひ、うちでも実践しよう」と思い、さらに勉強を深めました。「総合力で劣る弱者の場合、広く総花的に売ってはダメ。商品や地域を限定して、だれに、何を売るのかを明確にする必要があります。自分に向けて訴えかけているのだということを、お客さんに伝わるようにすることが大切」

 弱者の戦略を実践してホームページ制作のお手伝いをした例に、プレス加工業の前川製作所さんがあります。Jimdoの無料テンプレートを使用し、同社の技術的特色である六角矢打ちに特化したホームページを制作。ネジの頭に六角矢打ちのできる会社は全国でも少なく、ネット公開したとたん、問い合わせが殺到したそうです。
経営者がホームページで顔写真を公開するのも大切なポイントの一つ。小さい企業ほど、取引相手の顔が見えることで、自分に近しい存在だと思ってもらえるのだといいます。
 デザイナーとして、あるいはトータルプロデューサーとして、松尾さんはこれからも中小企業を応援していきます。

(取材年月:2018年1月)

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Profile

専門家プロフィール

松尾益秀

“まちのデザインやさん” として中小企業をサポート

松尾益秀プロ

グラフィックデザイナー

T.M.P.

グラフィックデザイナーとして20年以上のキャリアを有し「弱者の戦略」を武器に中小企業に特化した販促活動や集客サポートを行う。経営者の魅力を引き出すことに注力し、シンプルでダイナミックなデザインが得意。

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