特殊清掃、ゴミ屋敷清掃、遺品整理、生前整理を一貫してサポート（2/3）

故人や遺族の心情を推し量りながら遺品整理を行う姿勢を大切に

　広島県出身の香川さんは、愛知県内の大学を卒業後、コンタクトレンズのメーカーや販売店で20数年間、営業を担当していました。35歳で実家の父親が亡くなり、その体験が「この仕事を始めた原点」と語ります。

　「父が逝ってしまった後のことを考えたこともなく、何をすればいいのか全くわからなくて…。遺品整理や死後の手続きなどを、手探りでなんとか終わらせました。そして、自分と同じようにとまどい、途方に暮れている人が大勢いるのではないか、そうした方々の役に立つことがしたいと考えました」

　独立した当初は、右も左もわからない状態だったといいます。「法律にのっとった廃棄物の処理や、古物市場での売買など、現場を踏みながら一つずつ学んでいきました。特殊清掃については、前職でコンタクトレンズのケア用品を扱っていたため、薬剤についての知識が役に立ちました」

　つらい場面にも数多く立ち会ってきました。「つい先日も、30代の男性が自死した部屋の清掃をしました。こうしたケースでは、親御さんがものすごくショックを受けておられるんです。『なんでこんなことになったのか』『生きている間に何かしてあげられることがあったのでは』『もっと会って話をすればよかった』と…」

　遺品整理では、故人が使っていた物を捨てる決断ができない遺族もいます。そんなときは「毎日、手を合わせてあげられるものだけ残しては」と提案することも。「亡くなった方にとっては、家族に自分のことをいつも思い出してもらえることが一番の幸せなのでは」と香川さん。故人や遺族の心情を推し量りながら、日々の業務に向き合っています。

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