保育・育児に役立つ情報を伝えるプロ
神宮司忍
Mybestpro Interview
保育・育児に役立つ情報を伝えるプロ
神宮司忍
#chapter1
「保育の仕事には、夢と希望しかないです」。きっぱりと語るのは、笛吹市石和町のOLive保育園(市部園・窪中島園)の園長、神宮司忍さん(43)です。園の運営とともに、自身の経験を生かして、保育士や子育て中の保護者、保育士を目指す学生らを対象とした研修、講演活動を行っています。「それぞれの立場で悩みがあると思います。私が知っている情報を提供することで負担を軽くし、楽しく、ワクワクした気持ちで保育、育児に取り組んでほしいです」と笑顔で語ります。
県内の短大での講義をはじめ、保育士向けのスキルアップ研修、保護者を対象とした育児勉強会など、さまざまな場面で講師を務める神宮司さん。持ち前の明るい性格を武器に、「聞く人に笑ってもらえるような講義をする」を心掛けているといいます。
例えば、県の委託事業の子育て支援員研修。保育士を補助する役割の人材を育成する研修で、受講者は社会人がほとんど。「講義内容は制度の概要やルールなど、どちらかというとお堅い内容なので、冗談を交えながら話しています。講義が面白くないと、保育も楽しめないと思いますから」。
とはいえ、笑いを誘いながらも、子どもに関わることの責任について認識できるように講義を進めます。
「保育は子どもの成長を担うだけでなく、地域の未来や日本の未来を担う大事な仕事、ということを伝えるようにしています」。
#chapter2
家庭での育児に行き詰まる保護者も少なくありません。神宮司さんは「知ることで楽になることって、結構あります」と言い、保護者に対しては、少しでも育児の負担が軽くなるようなアドバイスをしています。
「泣いてばかりいる赤ちゃんがいるとします。ミルクも飲んだばかり、おむつも替えたし、体調も良さそう。でも、全く泣き止みません。お母さんは困っちゃいますよね。ところが、もう1点見るところがあります。乳児には脳が急速に発達する時期があり、その子自身が驚いて泣くことがあるのです。それを知っていれば、『びっくりしているのね。成長しているんだね。落ち着くまで抱っこしていようね』と、冷静に向き合うことができます。知識さえあれば、お母さんが楽な気持ちで育児に向きあえる場面は増えると思います」
さらに、プロとして学んだ保育の知識を、多くの人に伝える重要性を実感している神宮司さんは、現場の保育士にも、その役割を積極的に担ってほしいといいます。「保育士の資格を取るまでが勉強ではなく、現場に立った時からがスタート。子どもの発育について勉強し、理論的に理解すれば、保護者に適切な説明やアドバイスができるし、保護者からの信頼も得られます。たくさん勉強して、プロとして明日からの保育に期待やワクワク感を持ってほしいですね」とエールを送ります。
#chapter3
神宮司さんは、山梨県内の公立保育園で初の男性保育士として採用されました。その後、笛吹市で初めて学童保育を立ち上げる際には、4施設を統括する立場に。そして、工場や老人ホームでの勤務を経て、2009年、ずっと思い描いていた保育を形にしようと、テナントの1室を借りて認可外保育所(現・市部園=小規模保育園C型)を開きました。
OLive園は0~2歳の未満児に特化した小規模保育園です。月齢による発育の差に留意しながら、ゆるやかにグループ分けし、すべての保育士が、すべての子どもを見られるようなスタイルを採用しています。「幼児期の子は、さまざまな視点から多面的に見てあげることが大切です。保護者がお迎えに来た時に、すべての保育士がその日の子どもの様子を伝えられますし、一人の子の責任すべてを、保育士一人が負うというリスクを避けられる利点もあります」
しつけ教育も同園が力を入れる要点の一つです。「しつけが身についた子は、どこへ行ってものびのびと活躍できると思います。といっても、怒って従わせるのではなく、ひたすらほめて育てます」と神宮司さん。ちゃんと座れたね、靴がそろえられたね、よくできたね―と。子どもの月齢に合わせ、ときに母性的な愛情を持って、ときには厳しく壁になって、バランス良く育てる環境を整えているそうです。
モットーは「大人が変わると子どもも変わる」。神宮司さんは「大人の意識や接し方が変わると、子どもはびっくりするほど変わります。保育士はプロたる保育士になるように、保護者は親として成長できるように、知りうる情報を提供していくことが私の勤め」と話し、子どもたちを優しいまなざしで見つめます。
(取材年月:2020年9月)
リンクをコピーしました
Profile
保育・育児に役立つ情報を伝えるプロ
神宮司忍プロ
保育園運営
NPO法人Hope笛吹 OLive保育園
研修・勉強会や講話は楽しい雰囲気で笑いが絶えません。保育士には保育のプロとして身につけて欲しい知識を、保護者の方々には育児の悩みや不安が少しでも軽くなるような知識や情報、育児のテクニックを伝えます。
\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /
掲載専門家について
マイベストプロ山梨に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または山梨日日新聞社が取材しています。[→審査基準]