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樹木の適正管理のスペシャリスト

国際公認 マスター樹護士アーボリストのプロ

安藤義樹

安藤義樹 あんどうよしき
安藤義樹 あんどうよしき

#chapter1

高さ8㍍以上の高木にも対応

 大きく育った樹木の手入れに困っていませんか? 北杜市小淵沢町の「Annの森プロジェクト」(安藤義樹代表)は樹木の適正管理のスペシャリスト。高さ8㍍以上の高木にも対応できるのが特徴です。
 年月を経るごとに成長していく樹木。最初は自分で手入れができても、いつの間にか木が大きくなり過ぎてしまったり、樹勢が弱くなってきたりすることがあります。手入れを怠った樹木は病気や害虫の発生、古くなった枝の落下や倒木などのリスクも高まります。

 安藤さんは樹木医の資格を持ち、木の診断や樹勢回復の手当てができるほか、「アーボリスト」と呼ばれる国際資格を有し、危険で難しいとされる高木の剪定(せんてい)、伐採を、高所作業車やクレーンなどの重機を使わずに行うことができます。車両が入れない狭い場所や障害物がある場所でも対応できるため、これまでに森林だけでなく寺院や神社、公共施設、一般家庭などの「巨樹、巨木、大木、高木がある所はどこでも」(安藤さん)手掛けてきました。
 大切にしていることは、切らずに済む樹木はできるだけ生かして残すこと。「ちゃんと管理すれば切らなくて済む木もあります。木の安全性や将来性を見極め、どうすれば良いかを依頼者に助言、合意形成した上で作業するようにしています」

 安藤さんによると、国内で高木を扱える業者は少なく、そもそも林業や造園業自体が減っていると言います。背景にあるのは少子高齢化と産業としての衰退です。「日本人は大昔から木を上手に利用してきた民族ですが、林業などは負担が大きいわりに収入が見込めないため若者の参入が減り、この50年ほどの間に大きく衰退してしまいました。しかし、これからの時代は先人たちから受け継いできた自然の恵みを守るためにも、木仕事を産業として復活させていくことが大切だと思っています」

#chapter2

世界50カ国以上に会員 「アーボリスト」とは

 アーボ(Arbor)はラテン語で「大きな木」。アーボリストは木の手入れを専門に行う職人で、米国に本部がある国際アーボリカルチャー協会(ISA)が認定している資格です。ロープを使った「ツリークライミング」という技術で木にのぼり、専用の道具で安全かつ効率的に手入れをすることができます。日本と韓国、中国ではあまり知られていない仕事ですが、世界50カ国以上に会員がいて、安藤さんは日本で初めて認定されたアーボリストの1人です。

 海外ではアーボリストの社会的ステータスは高く、収入も高いのが一般的。安藤さんは「高い樹上で仕事をするので、安全への意識の高さは航空機業界並みです。国内、県内にアーボリストを増やし、木仕事のいわゆる3Kのイメージを払拭できれば若い人の参入が期待できます。同時に、日本の昔ながらの伝統的な木仕事も世界に発信していきたいですね」と今後の夢を語ります。

安藤義樹 あんどうよしき

#chapter3

生命の源である森林を守りたい

 安藤さんは神奈川県出身。大学卒業後は大手企業勤務を経て、「大好きな森と木に関わりたい」と県内に移住し、峡北森林組合の職員として小淵沢町の八ケ岳薬用植物園で約300種類の植物の栽培や管理、県民向けプログラムの企画などを手掛けました。その後、活動の幅を広げるために40代で独立。現在は林業を中心に樹木医、森林インストラクターとしても活動しています。

 「出身は鎌倉市で、自然に囲まれて育ちました。森、樹木は知れば知るほど奥が深くて面白いです。水や空気、土壌を守ってくれている森林はあらゆる生き物にとって必要な生命の源です」。イギリス人ガーデナーのポール・スミザーさんらとともに「森想(Mori sou)」と銘打った自然保護活動にも取り組み、森林の価値を正しく伝えるための野外ワークや学習会を行っています。「ここ数年、発電のために山や森を安易に切り開いて生態系の破壊を招く行為が目立っています。新しい技術も大切ですが、もう一度原点に返り、未来への緑環境に対して私たちに何ができるのかを考えていきたいです」

(取材年月:2020年2月)

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安藤義樹

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安藤義樹プロ

森と木の仕事屋 Annの森プロジェクト

県内唯一の国際有資格者 (高木・大径木の剪定 安全診断の専門職)生態系への影響を最小限とする丁寧な手仕事。重機械を使用しない緻密な仕事。最新 世界品質  樹木・森林専門的知見で ご相談承ります。

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