老人ホーム選びのプロ
五味和仁
Mybestpro Interview
老人ホーム選びのプロ
五味和仁
#chapter1
山梨市歌田の株式会社NEXT INNOVATION(ネクストイノベーション)は、老人ホームの無料紹介事業を行っています。会社設立は2019年11月。代表取締役の五味和仁さんは「県外では入居のあっせん業がかなり増えています。県内ではまだ事業者が少なく、今後に可能性を感じて会社を立ち上げました」と話します。
紹介の流れとしては、まず本人や家族と面談し、介護度、必要とする介助、予算、希望エリア、家族の状況などを丁寧にヒアリング。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームなど県内約100カ所以上の施設の中から、空室状況を踏まえて条件に合う所を複数、提案します。入居希望の施設の見学にも同行し、確認すべきポイントもアドバイス。納得がいくまで何度でも相談に乗ります。入居に関する書類作成のお手伝いやケアマネジャーの紹介なども行います。
五味さんによると、施設への入居を検討している人が入居先を探すには、一般的に地域包括支援センターや担当ケアマネジャー、入院先のソーシャルワーカーに相談したり、口コミやインターネットサイトで情報を集めたりする必要がありますが、条件に合った所を見つけるのは容易なことでないと言います。
「特に初めて介護に直面する人は、慌ただしく入居先が決まり、落ち着いた段階になってから『イメージと違っていた』『他にもっと合う施設があったのでは』と感じることがあります」。ケアマネジャーもソーシャルワーカーもさまざまな業務を抱えているため、こうした相談に多くの時間を割けない現状もあります。五味さんは「施設選びを私たちに任せてもらえれば、ご本人や家族の希望をじっくりと聞くことができ、安心した入居に繋がりミスマッチを防ぐことでケアマネジャーたちの仕事の負担軽減にもつながると思います。
また入居するまでの経過については、ケアマネジャーたちにも随時報告し情報を共有することで入居後のサービスが円滑にできるよう配慮しています。
紹介するのは有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームがメインになりますが、特別養護老人ホームなどの公的施設についても情報提供は可能です」と頼もしい笑顔を見せます。
#chapter2
五味さんは山梨市出身。県内の介護専門学校を卒業し、老人保健施設やデイサービス、特別養護老人ホームなどの現場で10年間、勤務しました。その後、現場の仕事だけでなく、サービス高齢者向け住宅、ショートステイの立ち上げや管理業務、経営者として運営にも関わりました。
その中で、数多くの家族の悩みに向き合ってきました。「介護がきっかけで家族関係が悪くなってしまうことがあります。親御さんの介護のために雇用形態を変えたり、仕事自体を辞めなければならなくなったりすることもあります。でも、そこに介護のプロが入って関わり、ご本人や家族の環境をサポートすることで、家族に余裕ができ、ご本人との関わり方にも負担がなく、家族が再び良い関係に戻れることもあるのです」
「家族の負担を軽減し、気持ちに寄り添いながら、笑顔と希望に満ちた生活を提案したい」、「出会った人に笑顔と感動を与えられる存在になりたい」。それが五味さんの願いです。
#chapter3
同社は現在、企業向けに従業員の介護離職防止に向けたサポート制度「かいごプラス」というサービスを行っています。企業には福利厚生の一環として「かいごプラス」を導入してもらい、介護が必要になった従業員の相談に応じるという内容です。サポート内容に応じた月額制の契約を企業と結ぶため、従業員には相談費用の負担は生じない仕組みとなっています。企業側は従業員が抱えている悩みが分かるほか、従業員の精神的な負担の軽減も図れるというメリットがあるそうです。
「かいごプラス」は、専門家が介護に関する総合的な相談窓口として「親の介護が必要になったが、どこへ相談したらいいのか分からない」といった初歩的な悩みから受け付けます。相談者の状況によって、介護保険制度や利用できる施設・サービスの案内、施設見学や書類作成のサポートなどを行います。介護のプロがアドバイスをすることで、仕事と介護の両立がイメージでき、離職を思いとどまることにつながるといいます。
総務省の2017年就業構造基本調査によると、過去1年間に山梨県内で介護や看護を理由に離職した人は約千人。離職者のうちの3・0%で、比率は全国で3番目に高いです。
五味さんは「介護に漠然とした不安を抱えている人は多く、『会社に迷惑を掛けられない』と一人で悩みを抱えてしまうと、離職につながってしまいます。実際に、制度を導入している企業の従業員の方からは、親の介護を理由に退職を考えているという相談が寄せられています。介護の担い手になることが多い女性従業員の方々の悩みも大きいです。企業の福利厚生として介護の相談サービスがあると、従業員の方の不安が軽減し、離職を防ぐことができるのではないかと考えています」と話します。
今後は、介護の相談窓口として「かいごプラス」を一般の方にも利用してもらい、介護に直面している方や、介護が今後必要になる方の相談にも関わっていきたいそうです。
地域のため、介護業界に新たな価値を生み出すために、五味さんの挑戦は続きます。
(取材年月:2020年2月)
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