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自由な発想から生まれる「あなただけのスペシャルな家」

オンリーワンの住みやすさとスタイルを実現する家づくりのプロ

井上孝紀

井上孝紀建築設計事務所 代表 井上孝紀さん
独自の創意工夫が生きる注文住宅の建築現場

#chapter1

一級建築士とともに、ひと味違う家づくり

 多くの人にとって、マイホームは一生で一度の、大きな買い物です。そして、ひとたび手に入れたら、人生の多くの時間をそこで過ごす、かけがえのない存在になります。

 「望み通りの家を建てたい」「ライフスタイルに合った、自分らしい家にしたい」-そのように考える方も、多いのではないでしょうか。

 「建て主とその家での「暮らし方」のイメージを共有しながら、決まった型にはまらないオンリーワンの家づくりに取り組んでいます」と語るのは、鶴岡市の一級建築士、井上孝紀さん。

 地元・鶴岡で一級建築士としての活動を始めて12年。建築主の想像を超える、独自性のある住宅を多く手掛けてきました。「住む人に感動してもらいたい」と思う姿勢が、多くの共感を呼んでいます。

 「建築士が手掛ける注文住宅は、オーダーメイドですから割高、ぜいたくだと感じる人がまだ多いと思います。しかし、家の設計に敷地の土地柄や住み手の暮らし方を反映させる建築士の仕事があってこそ、本当に快適に暮らせる住まいは実現すると思います。そうした家は平均化もカタログ化もすることができません。長期間にわたって暮らす快適な住まいが得られることを考えれば、建築士に設計を依頼することはむしろコストパフォーマンスの高い選択ではないでしょうか」。

 建物のことを話し始めると、穏やかな口調がだんだん熱を帯びてきて、次々にアイデアが飛び出してきます。そんな井上さんとの家づくりは、建て主との「どんな大きさの部屋が何部屋欲しいか」ではなく「どんな感じの暮らし方がしたいか」という会話からスタートします。

#chapter2

住む人の立場で考えた、本当の住みやすさを追求

 家づくりにおいて井上さんは、設計と工事監理を担当します。その中で特に重視しているのが、建て主との相談や打ち合わせです。

 「どのような家を」「どのような土地に」建てるか。予算はいくらぐらいか。家族構成は、面積は、構造は…。打ち合わせを重ねながら、アイデアがだんだん形になっていきます。平面図やスケッチ、模型などを示しながら、構想を形にしていきます。図面に向かう際、井上さんは住む人に思いをはせ、「設計している家の中で、住む人がどのように動き回るか」を想像しながら、線を引いているといいます。

 「建て主の希望を全て満たすだけなら、全部盛り込んでしまえばいい。しかしそれでは、大きな建物になって予算をオーバーしたり、後々の光熱費がかさんでしまいます。『例えば、限られた空間でいかに広々と暮らすか』ということを、自由な発想で、時には建て主の想像を超えるような形で提案するよう心掛けています」。

 つくり上げた図面を基に、大工さんや工務店の人たちが工事を行います。その際、設計通りに仕上がるよう、詳細なところまで図面を用意しています。「設計でどう施工するかを提案することで大工さんと綿密な打ち合わせをすることができ、きちんとした建物づくりにつながっています」。

 そうして出来上がった住宅は、細部まで創意工夫が行き届いた、オンリーワンの建物ばかりです。

 中央のとんがり屋根が印象的な、鶴岡市内の住宅。とんがり屋根の下には、6メートルの太い柱がそびえ、柱を取り囲むように2階に通じる階段があります。吹き抜けの1階リビングと階段の踊り場、2階の子ども部屋の一体感を演出し、柱が家の象徴的な役割を果たしています。

 敷地内の松の木が映えるよう配慮した、バリアフリーの平屋は、玄関の上がり框(がまち)の段差が3センチ。さらには、狭い敷地の中に建物と駐車スペースを機能的に配置した家。機能的な中に柔らかさを感じさせる工場…などなど。新築に限らず、増築やリフォームでも、独自の工夫がさまざまな形で息づいています。

二人の建築士がユニットを組み、より良い家づくりを進めている

#chapter3

二人の感性が響き合い、より良いものを生み出す

 家づくりにおいて井上さんは、二人の一級建築士によるユニット「a・i sekkei∋(あいせっけい)」として活動を展開しています。(「∋」は集合を表す記号)

 「a・i sekkei∋」におけるパートナーは、秋野公子さん。一級建築士としての先輩で、中学教師だった井上さんの父の教え子に当たります。「京都にいた頃から父に聞いており、鶴岡に戻ってから一緒に活動させてもらうようになりました。お互い客観的に指摘し合うことで視野が広がり、完成度の高い仕事につながっています」とのことです。

 「厳しい条件があるほど、考え抜いて工夫するので、結果的にいいものができる」と力説する井上さん。「家づくりは楽しいイベントですよ!」と強調していました。

(取材年月:2020年10月)

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家づくりにおいて難条件は、克服のために徹底的に考え抜くことでデメリットではなく、アイデアとオンリーワンのスタイルを生み出すメリットとなります。

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