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周囲に頼れる人がいない、葬儀のことで困っている人に、家族葬や直葬を提供

家族葬や直葬など小さな葬儀のプロ

安川護

安川護 やすかわまもる

#chapter1

遺族の意向に沿い、故人ときちんとお別れをできる葬儀プランを用意

 「親戚付き合いや昔ながらの慣習にとらわれない風潮で、お葬式の在り方も変化しています。家族やごく親しい関係者のみで静かに弔いたい、費用を抑えて荼毘に付したいといった方が増えています」

 そう話すのは、「家族あいしん会館」の代表・安川護さん。富山市、滑川市、魚津市、高岡市、射水市、中新川郡エリアで、小さな葬儀を専門に執り行っています。

 「病院や施設へ故人さまを迎えに伺い、役所への届け出が済み次第、火葬場に向かう直葬や、当方の会館で通夜・葬儀、初七日法要を行う家族葬などを用意しております。直葬では安置所を葬祭場かご自宅か選べ、家族葬では初七日を当日や後日に改めて行うことも可能です」

 安川さんは個々の事情や多様なニーズを考慮し、各種プランで柔軟に対応しています。

 「当方は、ご遺族さまのご意向に沿うことを第一にしております。香典返しや生花といったお供え物のオプションもございますが、ご希望があれば費用を明確にご説明し、納得いただいた上で準備を進めます」

 どういったセレモニーがいいか思案している時は、「参列者が故人ときちんとお別れができるようにするにはどうすればいいかを、一緒に考えましょう」と助言をしているそうです。

 「あるご遺族は、『大層なものでなくていい』とお話しでしたが、ご要望を細部にわたってお聞きするうちに、心ゆくまで故人さまをしのんでいただくのがよいと感じました。当館を3日間使用していただけるプランをご提案し、ご遺族からは『時間をかけたことで気持ちの整理ができた』という声をいただきました」

#chapter2

本当に必要なものだけを提案し、それぞれに合った葬儀をかなえたいと起業

 「新婚旅行で訪れたホテルや、レストランのスタッフの立ち居振る舞いを見て、接客に興味を持つようになりました。ほどなくして参列した妻の親戚のお葬式で、葬儀会社の方々が遺族の心中を推し量り、丁寧に段取りを整える姿に、こういう接客業もあるんだなと感銘を受けました」

 安川さんは、人生のエンディングに寄り添いたいと転職を決意。葬儀社2社で計14年間勤務し、遺体の安置や納棺、各種手続きのフォロー、宗派や地域のしきたりに応じた通夜や告別式の手配など、幅広く実務経験を積みました。

 「これまで、たくさんの旅立ちをお手伝いしてきましたが、初心を忘れることなく職務に向き合ってきました。志を全うできるのも、ご遺族や関係者の方々が、悲しみの中にあるにも関わらず、ありがとうと感謝してくださるからです」

 親身な提案を心掛け、やりがいを持って仕事に打ち込む中で、立派すぎる祭壇や供え物は必要ないと考えている人が多いことに気づいた安川さんは、それぞれに合った葬儀をかなえるため2007年に独立しました。

 「当時はまだ『家族葬』という言葉もなく、小規模葬と言っていました。しかし、遺族が内々で式をしたくても、亡くなってから火葬許可を得るまでの間ご遺体をご自宅へ搬送すると、近所の方々がお悔やみにいらっしゃって。家族だけのお見送りが難しくなるというケースも多かったんです」

 身内でゆっくり送り出せるよう、2015年、立山連峰を望む場所に「家族あいしん会館」をオープンしました。

#chapter3

高齢者の日常生活の困りごとや生前整理・遺品整理などもサポート

 「時代の流れとともに、家族葬も広く認知されるようになりました。さらに、コロナ禍を契機に、『本人の遺志でこぢんまりと済ませます』『近親者だけで直葬します』と、周囲に伝えやすくなったのではないでしょうか」と安川さん。

 誰をも手厚く見送りたいと、身寄りがないなど行政の支援を受けている人の葬儀にも応じています。

 「各自治体が定めた範囲内で、できる限りのことをさせていただきます。保佐人・後見人のサポートを受けている方や、高齢者施設にいらっしゃる方のご相談にものっています。葬儀のときだけ菩提寺さんなどのお世話なるのは気が引けるという声もありますので、一連のお勤めをしてくださるお寺さんをご紹介するほか、今後についてもアドバイスいたします」

 地域の人たちの不安や悩みに耳を傾ける安川さんは、買い物同行や庭の手入れなど、高齢者の日常の困りごとに応える事業も始めました。

 「生前整理や遺品整理も承っており、特に遠方に住んでいる方には『足を運べないので助かる』とご用命をいただいています。また、海洋散骨を行う会社と連携しており、お墓を管理する人がおらず自然葬をしたいという方にご案内しています」

 安川さんは、生活に少し不自由を感じるようになった段階から伴走し、心の負担を和らげたいと語ります。

 「社名には、皆さまに愛情を込めて接し、安心感や信頼につながるように、という思いを込めています。周囲に頼れる人がいないという方や、葬儀が心配という方の力になりたいですね」

(取材年月:2024年2月)

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安川護

家族葬や直葬など小さな葬儀のプロ

安川護プロ

葬儀業

家族あいしん会館

上市町(富山市より)に専用の会館を有し、葬儀を行わず火葬場へ向かう直葬から、一般葬に近い家族葬まで、さまざまなプランを用意。葬儀費用を抑えたい、親しい関係者だけで見送りたいという要望に応えます。

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