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目指す姿を見据えた基幹システムの導入支援で、組織を新たなステージへ

中堅企業の基幹システム導入を支援するDXコンサルタント

大西亜希

大西亜希 おおにしあき
大西亜希 おおにしあき

#chapter1

中堅企業の社内システムの課題抽出やベンダー選定を中立の立場でサポート

 「基幹システムの保守期限がそろそろ切れる」「部門ごとのクラウドを統合したい」など、社内システムの入れ替えを検討していませんか。「ヴェールコンサルティング」代表取締役の大西亜希さんは、DXコンサルタントとして20年以上、大手企業から中小企業まで100社以上のコンサルティング実績を誇ります。

 特に力を入れるのが、100人~500人規模の中堅企業を対象にした基幹システムの見直し・導入のサポート。システム開発会社(ベンダー)と利害関係のない中立の立場で、販売・生産・在庫管理など業務に適した基幹システムの導入を支援します。

 「導入から5年以上たつと、老朽化はもちろん、事業も変化するので実際の業務と機能が合わなくなります。いつものベンダーに相談する前に、第三者の専門家を活用してほしいですね。既存システムにとらわれず、低コストで利用できるクラウドサービスなど複数のプロダクトを組み合わせたマルチベンダー構成を提案します」

 導入までには、システム構想フェーズ・システム構築フェーズの二つの段階を経るのが一般的。大西さんは、構想段階のRFP(提案依頼書)作成やベンダーの選定、実行計画の立案などを担います。
 「システム導入は〝先手必勝〟です。計画段階で解決したい課題や狙いとする効果を明確にし、具体的な要求や機能にどれだけ落とし込めるかがポイント。構築後の要件追加によるコストアップや納期遅延のリスク低減にもつながります。とはいえ、全社にわたる業務要求を網羅的に定義するのは、ノウハウがなければ至難の業です。お客さまから『社内ではここまでまとめられなかった』と評価いただくことが多いですね」

#chapter2

経営と業務、ITをつなぐ橋渡し役として〝To Be像〟をデザイン

 ベンダー選定・発注にあたって肝となるのが、自社の要望をまとめたRFPの作成です。ベンダー各社からより良い提案を引き出し、もれなく同じ条件で見積もりが取れるよう、精度の高い内容に仕上げます。
 「ベンダーとの知識のギャップから、やりたいことを正確に伝えられない企業は多いでしょう。私の役割は、発注側のユーザー企業とベンダーをつなぐ、いわば〝翻訳家〟。クライアントの業務内容も複雑なIT技術も、どちらも理解していますので、齟齬なく伝えられます」
 
 まずは、全社の業務およびシステム活用の状況を棚卸しするため、営業・購買・経理など部門ごとにヒアリングを実施。既存システムの現状課題(As Is)を洗い出します。
 「現状分析から、必要な機能・不要な機能を整理します。重要なのは、ビジネスの変化に対応する、事業展開を見据えた将来像(To Be)を共有することです。組織を横断したシステムのグランドデザインを描きます」

 仕組みを具現化する成果物として、全社にまたがるシステムを一覧できる「システム全体図」や、どの業務でどのシステムを利用するかを可視化した「業務フロー図」、実現したい機能がイメージできる「機能一覧」などを作成します。

 また、経営側の目線も大事にします。「現場の声を重視し、部分最適の視点でおのおのカスタマイズすると、コストは膨らむ一方です。システム構築は〝標準化〟が基本。時に、トップダウンでプロセスの標準化に取り組み、全社の業務改革を図ることも。経営と現場、テクノロジーの橋渡し役を担います」

大西亜希 おおにしあき

#chapter3

開発・構築の経験から、技術面に精通。デジタル庁での挑戦も

 大西さんは、銀行のシンクタンクや外資系ITコンサルティング会社で約10年勤務。金融機関や上場企業を中心に、基幹システムの構想から設計開発、構築までトータルで携わりました。
 「自ら開発も手掛けていたので、技術的な知識があることは強みです。システム導入のコンサルでも、機能評価や進捗チェックなど構築段階にも関わってほしいとベンダーからよく言われます」

 独立したのは、企業側に寄り添うサポートをするためと言います。
 「基幹システムの導入は、巨額の投資であるのに、ベンダーに提案されるがまま、必要以上のコストをかけ、十分に使いこなせていない企業は少なくありません。ITリテラシーに不安のある企業に伴走して正しい発注を導き、より良いデジタル活用をお手伝いしたいと事業を立ち上げました」

 2021年から、デジタル庁でITストラテジストとしても活動する大西さん。現在、法令データベース「e-LAWS」の運用見直しなどに携わっています。
 「第二子の育休明けを機に、たまたま第一回公募を目にして挑戦しました。入庁後は、想像以上のアナログな業務に驚くことばかり。縦割りの省庁だけでなく、国会などさまざまなステークホルダーが絡むため、一気に最適化を進めることは容易でないと痛感しています」

 それでも「壁は高いほど楽しめます」と笑顔を見せる大西さん。「ITで組織の生命力を高める」を信念に、経験知を発揮します。

(取材年月:2023年2月)

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大西亜希

中堅企業の基幹システム導入を支援するDXコンサルタント

大西亜希プロ

DXコンサルタント

ヴェールコンサルティング株式会社

中堅企業に向け、基幹システム刷新の課題抽出やベンダー選定を中立の立場でサポート。100社以上のDXコンサルティングを手掛けた実績をもとに、経営と現場、ITをつなぎ業務に適したデジタル活用を支援します。

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