相手の意図を汲み取り的確に表現する映像ディレクター
藤野智光
Mybestpro Interview
相手の意図を汲み取り的確に表現する映像ディレクター
藤野智光
#chapter1
現在、テレビ番組のディレクターとして活躍中の藤野智光さん。今までに数多くのテレビ番組の制作を行ってきました。小さなころからテレビが好きだったこともあり、大学卒業後にテレビの制作会社に入社、ADからスタートし経験を積むことになります。
「大学在学中にテレビの放送作家見習いのようなことをする機会があり、この業界の面白さを感じました。働くならテレビに携わる仕事がしたいと思ったのがきっかけですね」
ADの仕事は、取材先のリサーチや取材交渉、予算を見ながらのスケジューリング、小道具の用意など、いわゆる裏方的なものです。一方でディレクターは、ADが準備したものを使い、いかに演出していくかが仕事です。
「AD時代はディレクターの仕事も見ていましたし、大体は把握しているつもりでしたが、いざディレクターとして現場に立つと、なかなか難しかったですね」
ディレクターの仕事は正解があるようでないものだと藤野さん。テレビ番組の仕事は、相手の要望に沿うことが必要であり、皆が納得するラインで作れるかが勝負です。いわゆる映画などの作家性を求められる仕事ではないため、できるだけ望みに近い映像を作り上げることに注力しています。
「相手の要望を受け取り、どんな番組にしたいのかを正確に汲み取ることが大切です。自分の強いこだわりを出すのではなく、相手が求めるものを現場で引き出し、形にして届けるようにしています」
藤野さんが手がける番組は、トークや再現ドラマ、旅番組、バラエティとさまざまです。各番組が何を目指しているのかを把握し、長年の経験から相手の求めるものを的確に提供しています。
#chapter2
自分の作品というよりは、番組を企画した依頼主が満足するかしないかが大切で、その人たちの期待に応えられるかどうかで評価が変わってくると藤野さん。そして仕事をする上で心がけていることは、準備をすること、細部にこだわること、納期を守ることだといいます。
「即興で何かを生み出すというよりは、事前に準備をしていくつかのプランを作っておくようにしています。また、細部にこだわることも大切ですね。そして必ず納期を守ること。以前上司から『質はスピード』と言われたことがあり、それを今も大事にしています」
番組ごとに求められるものは変わるので、初めて仕事をする番組などでは過去のものをチェックして傾向を探るようにしています。いつも100点を目指すのはとても難しいため、できるだけ誰が見ても70点くらいにはなるものを作るようにしていると藤野さん。またタレントを使う場合などは、思わぬことが起こる場合が多いので、下調べや準備を入念にした上で、方向性だけを決めてよい展開に持っていくようにしています。
「自分が一番得意なのは、いくつかパターンを作っておくものですね。たとえばA、B、Cと3パターンくらい作っておき、その場の雰囲気でどれかに転がればいいという感じです」
番組の意図に沿っていないときには、せっかく店側やタレントが頑張ってくれても放送されない場合があるので、それを避けるためにも現場をあらかじめしっかりと調べて撮影に臨んでいます。
#chapter3
今まで主にテレビ番組の制作を行っていた藤野さんですが、今後は一般の企業向けにも活動を広げていきたいと思っています。
「今までテレビ業界で培ってきたノウハウを生かして、WebやSNSなどを利用している一般企業の方々にも映像を提供していけたらと考えています」
企業から思い描く映像のイメージをもらい、それを具現化していけたらと藤野さん。インタビュー込みの画像や、シズル感(瑞々しさ、ジューシーさ)のある食べ物の映像など、テレビでおなじみのプロならではの演出も自由自在です。
ここ数年で動画も幅が広がってきていると感じているため、テレビの仕事以外にもいろいろなことにチャレンジしたいと模索中です。今まであまり経験のないアーティスト性のあるものもやっていきたいそう。
「これまで、映画のように世界観がしっかりしている映像を手がけたことはないのですが、やってみたいという気持ちはどこかに持っています。ゆくゆくは自分を表現するようなものにも挑戦していきたいですね」
今後は、今まで使用していたさまざまなソフトの他にも新たなソフトの導入も考えているとのことで、より魅力的な映像の制作が期待できます。動画を使った新たな試みを考えている企業の方は、一度藤野さんに相談してみてはどうでしょうか。
(取材年月:2020年2月)
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Profile
相手の意図を汲み取り的確に表現する映像ディレクター
藤野智光プロ
映像ディレクター
株式会社うずまき
長年テレビ業界で培ってきたスキルを生かし、依頼主の求めるものを敏感に察知。事前の下調べと細部へのこだわりで、クオリティの高い映像を生み出す。
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