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言葉は第六の経営資源。「ペップトーク」と「ロジカルシンキング」で社員のやる気、企業の力を引き出す

社員が活気づく「ペップトーク」で企業力をのばす講師

占部正尚

マーケティングオフィス・ウラベの占部正尚さん
マーケティングオフィス・ウラベの占部正尚さん

#chapter1

右脳と左脳に訴えかける研修で、成果に結びつける

 ビジネスパーソンに向けて数多く行われる研修。ビジネスは人と言われるとおり、企業・組織のビジネス力を向上させるために欠かせない経営投資ですが、その一方「瞬間的にモチベーションがあがったように見えたが元の木阿弥」「座ってレクチャーを聞いただけ」と期待を裏切る結果に終わるコトがあるのも事実です。
「感情を盛り上げるだけでも“残念!”、理論を詰め込むだけでも“残念!”実は人間は、心と頭、感性と論理性、右脳と左脳の両方に響かないと現実の行動に落とし込めないんです。企業研修は、研修後に受講者の意識と行動の両面から変わらないと意味がないんです」。そう話すのはマーケティングオフィス・ウラベの経営コンサルタント・占部正尚さん。経営コンサルタントして行う研修は年間150本以上、「受講者の目の輝きと身についたスキルが受講前と後でまるでちがう」とまで言われる独自の研修で企業の業績アップ・組織改善に導いてきたその言葉には説得力があります。

 占部さんの研修は「ペップトーク」と「ロジカルシンキング」の二本立て。ロジカルシンキングは言わずもがなですが、耳慣れないペップトークの意味は“勇気づけの言葉”。
「アメリカのスポーツ界発祥の言葉です。トップレベルの選手ともなると実力は均衡していますが、では何が勝敗の差になるかというと精神力。プレッシャーだらけの状況でも力を発揮できるようにコーチや監督が選手をポジティブに鼓舞する言葉が『ペップトーク』。どのような言葉で選手の力を引き出すかが、管理職の手腕のひとつなのです」
 2010年4月。ペップトークの日本への普及活動に取り組む岩﨑由純氏のセミナーで、ペップトークを初めて知った占部さんは、「これはビジネスにも役立つ」と直感したそうです。
「いくら正論や実践的な改善策を主張しても、相手がネガティブな心で聞くと馬の耳に念仏。相手がポジティブに受け取って初めて行動につながるのですが、そのためには『ペップトーク』効果が絶好だと確信しました」

#chapter2

モチベーションアップ+論理的な具体策=業績アップ! ペップトークとロジカルシンキングの相乗効果

「たとえば『机上の空論だ』と『いつか実現したらすごいな』は、現状ではできていないという点では同じような意味なのに印象が変わりませんか? どちらが将来に向けてやる気が出るかは言うまでもありませんよね。 この言葉かけ少しの差が社員の意欲・能力を引き出し、ひいては組織が活性化するんです。研修では、ポジティブな言葉とネガティブな言葉をロールプレイングで体験してもらったりしますが、みなさんハッとされますね。上司に、部下に、同僚に、『今までいかにうまく言葉をかけられていなかったか』と」
 気づきを与えるだけではなく、今日からの実践につなげるのが占部流の醍醐味。研修では受講者が実際の業務に使える「シナリオ作り」を行います。
「上司に自分の意見を伝えたい時、部下のスキルアップを促したい時、あるいは失敗した自分を励ましたい時……日常に出くわすシーンを想定して言葉を自分で考えてもらいます。もちろんそのまま言うということではなく、一度文字に起こしておくことで咄嗟の場面でも前向きな言葉が出やすくなる」と占部さん。

 ペップトークを十分に学んだ後はクレーム対応や営業・マーケティング戦略といった企業がもとめるテーマの下、ロジカルシンキングをもとに問題解決に重きをおいて研修を進めて行きます。
「この順番が大事なんです。ペップトークを学んだ後は自然と前向きになるので、ロジカルな研修も深く受け入れられるようになるんです」
 まずモチベーションをあげて、そこから具体的な論理へと落とし込む。この一連の流れを経て初めて、研修後の行動に結びつく「本当に効果のある研修」が成し遂げられるのだとか。

マーケティングオフィス・ウラベの占部正尚さん

#chapter3

現状打破のキーポイントは、今いるスタッフを磨きあげること

 業績不振だったメーカーの営業所が占部さんの研修により一大躍進を遂げるなど、高い研修効果を聞きつけて日本全国からオファーがある占部さん。今後はDVDやネット動画等も利用して、さらにペップトークの普及に力を注いでいきたいと語ります。
「言葉の力は想像以上です。ペップトークを学び、実践していただいて、日本中の企業が躍進する一助になれたら本望ですね」。自分に対してペップトークを行えば、モチベーションアップや自己成長、折れない心づくりにも有用。いわばペップトークは現代日本をサバイブするキーワードです。
 
「『人・物・金・情報・時間』。この5つが現代の経営資源だと言われますが、私は第6の経営資源はまちがいなく『言葉』だと思っています。よく『優秀なスタッフがいない』とおっしゃいますが実は人はいるんです、ただ磨いていないから輝いていないだけで。コストのかからない言葉で磨けるなら、やらないのは勿体ないと思いませんか?」
(2016年5月取材)

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専門家プロフィール

占部正尚

社員が活気づく「ペップトーク」で企業力をのばす講師

占部正尚プロ

経営コンサルタント

マーケティングオフィス・ウラベ

ペップトーク(勇気づけの言葉)とロジカルシンキング(論理的思考)の融合で、社員のやる気・思考力の両面を育み、組織を活性化させる講師。レクチャーは「即効性・持続性が圧巻」と日本中からオファーが絶えない。

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