事業コンサルタント、組織コンサルタント
安澤武郎
Mybestpro Interview
事業コンサルタント、組織コンサルタント
安澤武郎
#chapter1
安澤武郎さんは、実行支援型のコンサルタントを展開しています。これは、企業に入り込みハンズオンで事業を改革するやり方で、日常的な活動の積み重ねの中で改革を推し進めていきます。手間のかかる仕事ですが、確実に実績を上げるという点、企業業績及び体質の改革を人事的な部分に触れることなく展開する点など、多くのメリットがあるため、時代の変化に対応したい企業に評価の高いコンサルタント法として注目されています。
安澤さんが組織変革コンサルタントとしての活動を始めたのは、2005年のこと。バブル景気はとうに過ぎ去り、長く続くデフレの中で閉塞感が漂う時代でした。デフレ経済の「モノはあるけどカネはない」という状況下、多くの企業は「商品やサービスを通じて何を提供しているのか」、その価値を発信し、消費者を啓蒙する方法を模索していました。多くの企業は今までのやり方を捨て、行動を変えていく必要性を実感することになったのです。
そんな時代の要請に、企業は常に敏感に対応していかねばなりません。しかし、企業規模が大きくなるほど、自己変革を図ることは困難になります。組織の生産性向上という意味では、一時リストラなどの手段で社員の入れ替えや一部の社員を切り捨てることで対応した時代もありました。安澤さんのコンサルティングは企業に対し、そんな荒療治を強いることなく、組織の最大の資産である人の能力を発揮させることで立て直しを図る手法です。つまり、トップの認識や行動を変えていくところから着手し、実務を通じて組織全体の活動を構築し直す事業なのです。
#chapter2
安澤さんは京都大学工学部出身。学生時代はアメリカンフットボールに親しみ、レギュラーとして活躍してチームを日本一に押し上げました。国立大学では、スポーツ推薦などで優秀な選手を優先的に入学させることはできません。私立大学とのハンデキャップを補うため、学生たちはありとあらゆる手段を用いてチームに勝利をもたらすことを実践していました。過去の常識に縛られることなく、自分たちの殻を破って挑戦したことが、今日の仕事につながっているのです。
例えば、京都大学フットボール部は将来有望な学生を確保するため、学生自身が出身高校の学生を勧誘し、受験勉強まで指導をしています。練習において世間の常識と違っている点をあげれば、4年生がグランド整備をすることも当然の習慣でした。勝ちたい人間が率先垂範で取り組むという、チームの規律を作る上で重要な取り組みでした。「勝利する」と決め、目の前に立ちはだかる「壁」を乗り越えていく。それを安澤さんたちは、学生時代にアメリカンフットボールを通して実践していたのです。
そんな経験から、安澤さんは実績が伸び悩んでいる企業には、何かしら乗り越えられない「壁」があるはずだと考えます。それを経験上6つに分類し、企業と共に一つずつ壁を乗り越えていきます。すると、企業は少しずつ生まれ変わっていきます。
#chapter3
安澤さんのコンサルティングの大きな特徴は、OJT(On the job training)です。企業の現場に入り込んで同じ空間で仕事をしながら、問題を解決できるように支援をします。日常の業務では理論は理解していても、「時間がない」「お金がない」「自信がない」などの理由で実務に反映できないことが多いです。また、反映できたとしても品質が低く、成果に結びつかないケースもあります。そんな症状は本人に自覚がないもので、OJTでないと解消できません。OJTは仕事をしながらの行動改革支援です。一つひとつの業務に客観的に理論が反映できているかできているか分析し、ギャップを特定します。心理的に、論理的にギャップの生じている原因を取り除いていくと、理論と実践は合致し、業績が変わっていきます。仕組みを正しく運用できるようになり、成長サイクルが回るようになると、組織の成長は加速するのです。
現在安澤さんは、京都大学で講師をしたり、中高生向けの私塾を運営したり、自身の経験を次世代に向けて語り継ぐ仕事も展開しています。そこには自分の成果だけ追求しては成功に結びつかないという思いや、チームメンバーがフルポテンシャルを発揮できることを追求したり、「仕事は厳しいけれど楽しくあるべき」という発想が垣間見えます。それらは全て学生時代のアメリカンフットボールで培った経験からくるものではないでしょうか。安澤さんは現在でも日本一を目指して活動を続けているのです。
(取材年月:2014年8月)
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事業コンサルタント、組織コンサルタント
安澤武郎プロ
経営コンサルタント
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