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「おもてなし経営」で地域・顧客・仲間から愛される組織に

従業員に顧客志向を根付かせ組織を成長させる経営コンサルタント

伊東久

従業員に顧客志向を根付かせ組織を成長させる経営コンサルタント 伊東久さん
伊東久さんセミナー風景

#chapter1

従業員のやる気を引き出し、顧客志向にシフトさせる

 株式会社おもてなし経営研究所代表取締役の伊東久さんは、飲食・サービス業を中心に組織の環境づくりをサポートしています。特に、パート・アルバイトの力を引き出す手法には定評があります。

 「お金や仲間が欲しくて仕事を始めたという人も、アンケートやヒアリング調査で内面を探っていくと、本当はもっと仕事を充実させ、自身が成長したいと願っていることがわかります。しかし、ルールありきの職場で働いているうちに、やらされているという感覚が強くなり、いつのまにか与えられた仕事しかしなくなってしまうのです。ですから、従業員の定着率を上げるには、働く目的を明確に持たせ、モチベーションを高めることが重要です」

 一方、店長などの責任者も、人手不足や売上のノルマに悩まされています。「限られた予算で売上を上げるには、自分が頑張って現場を回すしかないと思い込み、一人で仕事を抱えてしまう。『休みがない』『考えるより動いた方が早い』と言いながら、時間に追われて働いているうちに、何のために仕事をしているのかわからなくなってしまうのです」

 実際、飲食・サービス業は身近に感じられる仕事として人気があり、パート・アルバイトの応募も多いのですが、いざ仕事を始めてみると、お客様の要望にうまく対応できなかったり、現場の忙しさに振り回されて、自信を失う人も少なくありません。そんな気持ちを理解してやる気を引き出し、組織を活性化させるためには、安心して働ける環境を整備し、従業員の意識を顧客視点にシフトさせる必要があります。

#chapter2

サービスで差別化できる組織が顧客に愛される

 「仕事で認められたい」「スキルアップのチャンスが欲しい」という内なる声を汲み取り、一人ひとりの目的や課題を聞き取った上で、適切なアドバイスや気づきを促す。その結果、行動がどう変わったのか見守り評価することで、従業員のやる気が生まれ、仕事へのモチベーションが上がってきます。「例えば、『コミュニケーションのスキルが上がり、チームワークが良くなった』『マネジメント力が身につき、現場が活性化した』など、自身が成長したという実感が湧いてくれば、必然的に次にやるべき仕事も見えてきます。そして、自らやりがいを求めて仕事をするようになった人は、お客様の立場になって物事を考え、行動できるようになります」

 伊東さんは、スーパーマーケットの組織活性化にも力を入れています。「スーパーではセルフレジが増えていることもあり、以前よりお客様と接する機会が少なくなっています。だからこそ、対面でのサービスが一層の差別化ポイントとなるのです」と指摘します。「あるスーパーでは、セルフレジを導入してレジの人数を減らした代わりに、お客様の誘導や袋詰めの手伝いなどのサービスを充実させたところ、『今までより便利になった』と喜ばれ、評判がアップしました」と実例を挙げて説明。「商品の価格では、他店に差をつけることはそんなにできませんが、サービスで差をつけることは十分可能です。そのためにも、従業員同士がまとまって活き活きと働ける職場環境を作り、地域・顧客・仲間から愛される組織となることが必要なのです」

伊東久さんセミナー風景

#chapter3

現場とマネジメント、両方の経験から生まれる説得力 

 飲食・サービス業の現場で働いていた経験と、組織マネジメントの経験を併せ持つ伊東さん。双方の事情や気持ちがわかるのが強みです。「従業員の座談会を開き、職場の問題点を話し合うと、最初は『給料が安い』『話を聞いてくれない』など、自身の不満ばかりが出てきます。しかし、意見を求めていくうちに、商品やサービスに関する話が増えていき、時には社長も気づいていないヒントが出てくることもあります」

 ある飲食チェーンでは、社員よりパート勤務の人たちの方が、お客様の好みを把握して、商品を提案できる力が強いことが判明しました。そこで、パート勤務の人たちを店長にするシステムを導入したところ、店舗の売上がアップしたそうです。「パート・アルバイトの人たちに対し、『言われたことしかやらない』と嘆く店長、社長も多いでしょうが、それは、『言ったことしかやらせていない』からではないでしょうか。現場の意見をもとに商品の売り方を変えてみたところ、お客様に喜ばれた事例はたくさんあります」

 実際に支援を受けた企業や店舗からは、「職場が明るくなった」「従業員同士の争いごとがなくなった」と喜びの声が寄せられています。「従業員一人ひとりが、お客様視点で仕事ができるようになると、自然とチームワークが良くなり、組織の中に協力体制ができてきます」と伊東さん。一人ひとりのお客様に必要なサービスをしっかり見極めて提供する「おもてなし経営」を目指す研修は、経験談が豊富でわかりやすいと好評です。

(取材年月:2020年2月)

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伊東久

従業員に顧客志向を根付かせ組織を成長させる経営コンサルタント

伊東久プロ

経営コンサルタント

株式会社おもてなし経営研究所

現場での接客と、組織マネジメントの経験を併せ持った視点から、顧客に愛され支持される「おもてなし経営」を目指した組織づくりを支援。従業員の力を引き出すコンサルティングと豊富な経験談を交えた研修が好評。

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