豊富な情報と充実したサービスを強みとする不動産経営の伴走者大槻圭将

豊富な情報と充実したサービスを強みとする不動産経営の伴走者

大槻圭将

物件オーナーと情報共有できるシステムやリーガルサービスを用意

　東京都渋谷区に拠点を構える「ノースエステート」では、月額賃料3万8000円のアパートから100万円を超える高級マンションまで、一都三県にある約2500戸の管理を手掛けています。

　「通常、賃貸の管理会社はオーナーさんから預かった物件を全ての不動産業者が閲覧、仲介できるデータベースに載せ、仲介業者はその情報をもとに希望者に部屋を案内します。当方も同様で、オーナーさんのためにも、より多くの業者に扱ってもらい入居につなげていきたいと考えています。借り手を見つける早さを評価してもらえれば、別の物件も任せてもらえるかもしれません。不動産管理は中長期にわたり信頼が第一ですから」

　こう話すのは、代表取締役の大槻圭将さん。中には、データベースを介さず独自に仲介まで行う事業者もあるそうですが、「オーナー側と借り手側から手数料が得られるからでしょうね」と説明します。

　オーナー第一を掲げる大槻さんは、物件を掲載している媒体名、反響や内見の数、申し込みに至らなかった理由、空室状況とその期間などをオーナーと共有するシステムも構築しています。
　「これらのデータが芳しいものでなくとも、包み隠さずお伝えします。課題を可視化することで、迅速に改善策を導き出すことができます」

　加えて、水漏れなどに対応する24時間サポートや、弁護士によるバックアッププランも無償で用意。「契約書のチェックをはじめ、法的な相談にのるリーガルサービスは特に好評です。訴訟にかかる費用もカバーできるなど、不測の事態に備えることができます」と力を込めます。

物件の仲介から管理業へと事業の主軸を移し、オーナーをサポート

　大槻さんは、大学に通いながら通信系の代理店を19歳で創業。さらなる飛躍を目指し、実行に移します。
　「通信事業を立ち上げるために、店舗を借りる際お世話になった不動産会社の社長のもとで実務に就き、勉強させてもらいました」

　ビジネスとして軌道に乗ってからは通信事業を売却。以来、オーナーの大切な資産を守り、適切に運用していくためのパートナーとして伴走しています。

　「まずは、賃貸の仲介から始めました。当初から管理を主体にしたかったのですが、ハードルが高いのです。何の信用もない会社が『私どもがお力になりますので、ぜひ』とアプローチしても、オーナーさんは不安で相手にしてくれません」

　仲介業に軸足を置きつつ、少しずつ管理案件を増やしていった大槻さん。2016年頃から自社の業績を占める比重が大きくなり、現在は一部の物件を除いて管理業に専念。「20年以上会社を営み、実績を重ねてきたことで多方面からお声をかけていただくようになりました」と語ります。

　長年の経験を買われ、全国賃貸不動産管理業協会等の業界団体で講師を務め、同業者に顧客開拓のノウハウを教えています。

　「管理自体は、売り上げが大幅に伸びることは期待できませんが、数年先まで収益が見込めます。今後もオーナーさんのお役に立てるサービスを提供することで、長いお付き合いをしていきたいですね。近いうちに、物件の修繕ができる部署も社内に新設する予定です」

「不動産は投資ではなく経営するもの」との考えからオーナー向けにセミナーを開催

　「『不動産の運用は管理会社に任せておけばよい』という意識を変えてほしい」と、大槻さんはオーナーに向けたセミナーにも力を入れています。

　「不動産投資という表現は間違いです。正しくは『不動産経営』です。多額の資金を投じたもののうまくいかず、自己破産してしまったオーナーさんも見てきました。企業活動と同じように、ビジョンにそって戦略を立て、マネジメントしていく必要があるのです」

　例えば高額物件を購入し、毎年1000万円の家賃収入に対して800万円のローンを返すとします。利益200万円に対し数十万円を課税されても、その中から納めることができます。

　注意すべきは、ローン金利は経費となりますが元本部分は計上できない点。返済方法が元利均等払いの場合は、返済初期こそ返済の大部分が金利に充てられますが、一定期間を経過後から月々の支払いの大半が元本に充てられるようになります。

　仮に家賃収入が800万円に減り、売り上げが返済に全て消えても元本部分は経費として扱えないため数百万円を納税しなければなりません。
　「こうしたケースは珍しくありません。将来を見据え、早いうちから対策を講じることが大切です」

　セミナーには、家賃収入1億円超のオーナーも参加。そこで縁を結んだオーナーから、不動産経営に関するアドバイスを求められるようになり、依頼につながることもよくあるそうです。

　「オーナーさんに喜んでもらえたときが一番うれしい」と笑顔を見せる大槻さん。常に賃貸物件オーナーの味方でありたいと願っています。

（取材年月：2022年6月）

「オーナー第一」を胸に、一都三県で約2500戸の賃貸物件を管理

物件オーナーと情報共有できるシステムやリーガルサービスを用意

物件の仲介から管理業へと事業の主軸を移し、オーナーをサポート

「不動産は投資ではなく経営するもの」との考えからオーナー向けにセミナーを開催

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