社会保険労務士の中でも障害年金手続きに長けた専門家
丸橋俊博
Mybestpro Interview
社会保険労務士の中でも障害年金手続きに長けた専門家
丸橋俊博
#chapter1
記憶に新しい2006年の「消えた年金問題」当時から、世田谷年金事務所で数々の年金記録調査を行ってきた丸橋俊博さんは、『街の年金おじさん』でありたいと思い、企業定年後の社会保険労務士事務所の開業を期に、地域の困っている方たちへ貢献したいという思いが強かったと言います。
世田谷年金事務所で年金記録問題とあわせて、窓口で年金の手続きをしていくうちに、障害を持っている方が自身で書類を書き、年金事務所まで持参する困難さを丸橋さんは知らされます。
障害年金請求に欠かせない初診日の証明ができない方の多さにも驚き、世田谷区の協力を得て、地域の回覧版に年金記録問題と併せて、あまり知られていない障害年金制度があることについても告知を実施。すると障害年金に関する問い合わせが多かったため、本腰を入れて取り組むことを決意し、2011年から継続的に無料の「障害年金を学ぶ会」を近隣各所で開催するようになりました。
障害年金は、対象となりうる障害者数に対して受給者数の割合は約25%と言われます。学ぶ会を通して「近隣に昭和大学烏山病院、都立松沢病院など精神系病院が多いこと」。「記憶をたどり問い合わせてみたもののカルテの保存期間が5年のため、正確な証明ができないこと」。「障害の認定基準や制度そのものが分かりにくく、証明書や診断書の手配、その症状などを適切に説明する困難さから請求を諦めている方が多いこと」などが浮き彫りになってきました。
中途半端な調査では申請は却下されます。20年以上前に関する調査であっても、数々の人脈を駆使して、徹底的に調べる日々の業務から、おのずと医師や患者家族会あるいは就労支援センター等とのネットワークも深まり、「丸橋さんがいるから行ってみたらいいよ」という信頼も頂いています。
#chapter2
医師や相談者の方だけでなく、地域の方とその気になって話しだすと町内会長さんや親睦団体の方から、通院している方やご家族の方がなぜ申請もされないのかという理由もわかってきます。
私は会社員時代、地域貢献という意識は希薄でした。定年後に開業したからこそ、35年以上世田谷区に住んでいながら、地域にこれほど身体的・精神的に苦しんでいる方がいることも知らなかった。だからこそ、お役に立ちたいという気持ちが強くなりました。
「世田谷区内に150名ほど社会保険労務士はいますが、障害年金に特化しているのはおそらく私だけです。その理由は労務関係や社会保険関連に比べて儲からないからですよ」と、丸橋さんは笑います。
一件の依頼に対して、申請を出すまでの調査に2~3カ月、請求審査に3~5カ月。認められた証書がきて支給開始までに2カ月。平均でも開始から10カ月かかり、丸橋年金塾がご依頼者へ請求を行うのは支給開始後。法人の顧問となれば継続的な仕事となりますが、障害年金の手続きに関しては、常にご依頼を頂けるように実績と評判を高めていく必然性があり、障害年金に特化されるところが少ない理由も頷けます。
調査期間には、医療機関をしらみつぶしに当たるだけでなく、国会図書館にある蔵書から医師の在職期間を調べるなど、年金に対する知識と医学知識から申請への綿密な分析と対策まで含まれます。
さらに「年金に関する法律や通達は、毎年のように変わっていくため、労働基準法関連や社会保険の試験に比べ複雑になり、他の労務士の皆さんが遠慮する気持ちもわかる」と、丸橋さんは言います。
#chapter3
この数年で発達障害への認識も高まってきましたが、丸橋さんが特化し始めた2010年当時は、まだ年金機構側も認知度が低く、請求してもほぼ通らない状況だったと言います。
現在でも医師や患者さん自身がそう思っている可能性もあり、障害者ケアや啓蒙に関する世田谷区主催のセミナー講師もボランティアで活動されています。
公的年金制度には老齢・遺族・障害と3種類の給付がありますが、年金関連は法律改正も多く、特に障害年金については最新状況が知られていないため、気軽に相談してほしい。私は社会保険労務士としての立ち位置は「町の年金おじさん」と言われるような仕事がしたい。そして地域に貢献したいという思いを持っていると松橋さんは語ります。
丸橋年金塾には、特に統合失調症・高次脳機能障害・発達障害で悩まれる方からの相談が多いようですが、世間的にはまだ障害年金の受給対象は視覚障害や聴覚障害、肢体不自由などのイメージが強く、いろいろな疾病でも受給できることは知られていません。また、障害手帳を持っていない場合でも、障害年金を受けることができます。
「自分は当てはまるのだろうか」「難しそう・大変そう」などで躊躇されている方こそ、まずは無料の問い合わせか障害年金を学ぶ会に参加されるのはいかがでしょうか。
(取材年月:2019年6月)
リンクをコピーしました
Profile
社会保険労務士の中でも障害年金手続きに長けた専門家
丸橋俊博プロ
社会保険労務士
せたがや障害年金支援センター/社会保険労務士法人 丸橋年金塾
障害年金の受給者率が低い理由として、手続きの複雑さ、受給申請の遅れによる初診日や障害認定時の病状報告の困難さなどがあげられます。地域貢献活動を通して得た精神系医師や家族会との関係性や調査力が違います。
\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /
掲載専門家について
マイベストプロ東京に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または朝日新聞が取材しています。[→審査基準]