ライブコマース販売×子ども服で幸せを循環させる専門家
松村美樹
Mybestpro Interview
ライブコマース販売×子ども服で幸せを循環させる専門家
松村美樹
#chapter1
「服を扱っていますが、商品だけを売っているつもりはありません。子どもが『おしゃれだね』と褒められて、ママもうれしくなる。ママがうれしくなると家庭が明るくなる。最高に幸せじゃないですか。そんな幸せの循環をつくりたいと考えています」
そう話すのは、「kiitos」の代表・松村美樹さん。韓国を中心に海外の子ども服を輸入販売するECサイトとSNSを運営しています。
海外ならではの生地の柄をつかった赤ちゃんのロンパースやワンピース、セットアップ。大人顔負けのエッヂの効いた男の子服。帽子やヘアリボンまで淡いカラーや繊細なレースがお子さまを優しく包んでくれるようなアイテムが豊富です。
主な顧客層は20~40代のママたち。毎月およそ5000枚もの子ども服を販売するなど、トレンドをつかんだラインアップで注目を集めています。
「お子さんの写真を送っていただいたら、似合う色とブランドを即答できるほど服が大好きなんです。その子にぴったりのコーディネートをご案内します」
松村さんの最大の強みは、顧客との距離感の近さと提案力です。生配信を通じて顧客と直接コミュニケーションを取る参加型のライブコマースが、Kiitosのスタイルです。
「ライブでは『これかわいくない?』と、和気あいあいとやり取りしながらチョイスしています。この子にはどんな服が似合うか、どんなシーンで着せたいかを一緒に考えるんです。『まるで現地にいるみたい』と言っていただけるのが何よりの原動力で、長いときには12時間にわたって配信することもあります。仕入れの瞬間をリアルタイムで共有し、お客さまとともに商品を選んでいるような感覚です」
#chapter2
アロマセラピストや仮想空間のデザイナーといった経歴を持つ松村さん。物販は、まさに手探りからのスタートでした。アパレル経験はゼロでしたが、子育ての合間に始めたハンドメイドの服が、思わぬ大ヒットとなります。
「自作のTシャツが販売ランキング1位になり、売り上げも数百万円を記録。でもマネする人が増えて似たような商品が増える中、かわいいなと目に留まったのが韓国の子ども服でした」
ママたちが望む魅力的な服を届けるべく、幾度も渡韓。臆さず現地に飛び込み、ショップのオーナーやメーカーと交渉を進めてきました。
「私、韓国語をしゃべれないのですが、不思議と何とかなるんです。伝えたいことがあるから身ぶり手ぶりで。情熱と意気込みで買い付け先を開拓してきました」
言葉の壁ですら、松村さんにとっては物事を前に進めるエネルギーに。熱意と勢いに引き込まれ、今では日本語で話しかけてくれる人も増えてきたそうです。
「息子が『ママが日本語しか話さないから、取引先の人が日本語を覚えてくれたよ』と驚いていました。現地では五感と直感と根性で乗り切っています。お金も時間もたくさん使って遠回りしましたが、まず行動する。それが私のやり方です」
困難な状況でも、未知の環境でも、とにかく「行ってみる、やってみる」という姿勢がモットー。ライブではサイズ感や着せ方をコメントし、育児に心細さを感じている人には「1人じゃないよ」と語り掛け、友達のような親しみやすさがママの励みになっています。
#chapter3
2015年の開業以来、時代や顧客のニーズに応え、Kiitosは競争が激しい韓国のベビー・キッズ用品の市場にあって、Instagramのフォロワーが約9万人という大きなコミュニティーを築いてきました。
2025年には、物販のノウハウを生かしてオンラインスクールを開設。松村さんは実践的なカリキュラムと実体験に基づいたリアルな知識を次世代に伝えたいと語ります。
「ネットショップの普及により物販業界は成熟していますが、本質を伝えられるのは、現在進行形でビジネスを営んでいる自分だけだと思っています。私自身が何度も失敗して、紆余曲折を経てきたからこそ、事業を軌道に乗せる的確な道筋を教授できると考えています」
また、同業他社が多い中でも低価格競争に巻き込まれない独自のブランドを確立。同業者からも手法を知りたいという声が寄せられるとか。
「私のようにアパレル未経験でも挑戦し、多くのお客さまとつながる素晴らしさを味わってもらうことが願いです」と松村さん。物販を通じて女性たちが小さな自信や喜びを手に入れ、自分のペースで人生を謳歌できるよう応援していきたいと言います。
「女性の自立支援というと堅苦しく聞こえますが、私が伝えたいのはもっとシンプルなこと。物販をきっかけに毎日の家事や育児、仕事がちょっと楽しくなったり、ワクワクしたり。何気ない日常にささやかでもときめきを感じ、笑顔の女性が増えたら、日本全体が元気になると信じています」
(取材年月:2025年7月)
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Profile
ライブコマース販売×子ども服で幸せを循環させる専門家
松村美樹プロ
ECサイト運営
kiitos
韓国子ども服を輸入・販売。現地からのライブ配信でコーデを提案し、配信後は一人一人に合わせてセレクト。全メッセージに代表本人が返信し、フォロワー数の多いECながら親しみやすい距離感を大切にしています。
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