セルフ・キャリアドックと健康経営で成長を実現するナビゲーター山下邦子

セルフ・キャリアドックと健康経営で成長を実現するナビゲーター

山下邦子

定期的に自身のキャリアや人生への向き合い方を見つめなおす「セルフ・キャリアドック」の導入を支援

　企業や組織、一人一人のビジネスパーソンが望ましい未来を描けるようサポートする「アイセント」。
　東京と福井を拠点に、企業・組織の人材開発や働きやすい職場環境づくりを支援。各種研修やセミナーの企画・実施、メンタルヘルスの取り組みなどを通して企業課題の解決を目指し、組織全体のアップデートを後押ししています。

　「キーワードは“健康経営”。従業員の心身の健康管理に焦点をあて、組織の一員である個人が主体的に職務に向き合い、いきいきと働ける環境づくりを進めています」
　そう話すのは、代表でキャリアカウンセラーの山下邦子さん。

　「働く人の意欲が上がらないままでは、どんな企業課題もなかなか好転は見込めません。一人一人が、どのような活躍の場や働き方を望んでいるのか、従業員本人も企業も認識しておくことが必要です」
　
　山下さんは、具体的な取り組みの一つとして「セルフ・キャリアドック」の導入を提案しています。
　「人間ドックのように、定期的に自身のキャリアや人生への向き合い方を見つめなおす機会を設け、合わせてメンタルの状態をチェックするというものです。ありたい自分を知る習慣は心の健康維持にもつながります」
　
　山下さんのもとでは、高いスキルが求められるキャリアコンサルタントの育成にも力を入れています。合わせてプロダクション事業を展開し、活躍の機会を創出。
　養成講座やスキルアップセミナーを通して輩出したキャリアコンサルタントの中でも、山下さんが信頼を置く50人以上が、企業と個人の相互理解のための橋渡し役として活動しています。

キャリア迷子から突然のキャリアリセットまでを体験、導かれるように在るべき場所へ

　「どんな生き方が自分を輝かせるのか、見つけるのは簡単ではありません。私自身も生活のため、必要に迫られて働くしかない“キャリア迷子”の一人だったんです」と振り返る山下さん。

　地元福井で、シングルで年子の姉妹を抱え、たまたま就いたのは事務職の派遣スタッフ。数多くの企業で事務やSEの補助業務などに携わるうち、あるIT企業が始めた人材派遣事業の立ち上げに関わることになります。

　人々の生活や働き方に直結する分野で、よりワクワクしている自分を見いだすまでに、10年以上を費やしたとのこと。その間、キャリアコンサルティングを体系的に学び、実践に理論の裏付けも加えて自信を得ます。若い世代の地方回帰を促進するという、官民の枠を超えた取り組みにも参加。指導的な職務で知見を重ねました。
　
　手応えを感じ始めていたある日、突然の病が山下さんを襲い、全てのキャリアのリセットを余儀なくされてしまいます。

　「どこか前のめりの日々だったのかもしれませんね。どんな人生を歩みたいのか、自分を輝かせるために優先すべきことは何かを改めて問い直すきっかけになりました」
　約6カ月の休養を経て、再び自由な立場で組織や働く人々と向き合い始めようとした時、山下さんが迷わず理念に掲げたのは「心身の健康」でした。

　「良い巡り合わせに恵まれ、あるべき場所にたどり着けた私だからこそ、生き方に迷う多くの人のために力になれることがあるはず。そう信じて、立ち上がることができたんです」

従業員の健康維持にどれだけ戦略的に取り組めるかが、着実に生産性の向上を目指すための鍵に

　厳しい社会情勢の中で多様化するライフスタイル、価値観の変化といった状況を踏まえ、国の働き方改革の掛け声も、労働力不足の前に形だけの取り組みでは対応できなくなってきています。

　山下さんは「企業が着実に生産性の向上を目指すなら、従業員の健康維持にどれだけ戦略的に取り組めるのかが大きな鍵となるでしょう」と企業の意識転換を促し、さらに健康経営優良法人認定へのステップまでをマネジメントします。

　また、「社内にキャリア相談体制などを設けている企業にも、必ずしも十分に機能しているとは言えないケースが散見される」と指摘。
　「キャリア開発は、健康経営を具現化するための大きな要素となります。当方では、すべての従業員に対してメンタルヘルスケア研修およびキャリア研修を一括支援。経営者や担当者などと緊密に連携を図り、心と体の健康経営とキャリア開発の概念を定着させるための課題解決や啓発に努めています」

　企業の取り組みが実践可能かどうかは、「企業活動によって社会にどのように貢献したいのか、企業側が描くビジョンが明確に伝わっているか」にかかっていると言います。

　多くの職場経験を持ち、「置かれた場所で咲く」を体現してきた山下さん。
　「人生は一度きり。不満や違和感を抱えたままの状況に甘んじている時間などありません」の言葉は、聞く人の心に深く染みわたります。

　原動力となった娘たちへの思いと、「愛ある人生」と「聖なる生き方」への願いを社名に込めたこの立ち位置が、これからの山下さんを一層輝かせる場所となりそうです。

（取材年月：2023年8月）

個人が主体的にいきいきと働ける環境づくりで、組織全体のアップデートを後押し

定期的に自身のキャリアや人生への向き合い方を見つめなおす「セルフ・キャリアドック」の導入を支援

キャリア迷子から突然のキャリアリセットまでを体験、導かれるように在るべき場所へ

従業員の健康維持にどれだけ戦略的に取り組めるかが、着実に生産性の向上を目指すための鍵に

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