性格別の心理法則で子どもを導くピアノ＆リトミックの講師渡辺光里

性格別の心理法則で子どもを導くピアノ＆リトミックの講師

渡辺光里

一人一人の個性を育むため、6タイプの性格判断とそれぞれの対処法を考案

　「メロディーを奏でるピアノや、音楽に合わせて体を動かすリトミックは、IQ（知能指数：学力や考える力）、EQ（感情指数：感情を理解する力、良好な対人関係を築く力）、EQ（人間性知能：信念を持ち夢の実現する力）を育むと言われています。習い事として人気ですが、『子どもが前向きになってくれない』とお困りであれば、お力になります」

　そう語るのは、子どもの個性を育む「ひかりピアノ」を主宰する渡辺光里さん。ピアノでは、幼稚園生から高校生を対象に目黒区・港区・渋谷区・世田谷区の自宅へ出張レッスン。目黒区でスタジオレッスンにも対応しています。一方、リトミックでは、1歳から就学前の子どもに向け、目黒区・渋谷区で教室を開いています。

　「当方ではお子さんの性格判断をし、ライオン・ワニ・ユニコーン・イルカ・ウサギ・パンダの6タイプに分けて指導しています。というのも、2004年から多くの子どもを教え、どうすればピアノが好きになり、練習が楽しくなるだろうと思案しているうちに、生徒は一人一人違うのだから、個々に応じた対処法が必要だと気づいたからです。心理学などを取り入れて体系化しました」
　例えばライオンとワニはどちらも、負けず嫌いで頑張り屋さん。結果だけでなく、努力の過程、失敗を乗り越えたことをほめると、やる気がアップするそうです。
　
　そんな心を大切にしたレッスンにより、生徒だけでなく親から相談を受けることも。「ピアノに限らず、学校生活の悩み、子育ての不安などでも頼りにしてほしいですね。幼少期から思春期と長く付き合いが続くため、子どもの成長を保護者とともに見守っていきたいです」

講師という第三者の立場から、親と子の心の呪縛を解放したい

　「子どもから見るお母さんの姿は、子どもに大きな影響を与えます。私自身、母のことを不幸だと思い込んで、幼少期から生きにくい人生を歩んできました」
　母子家庭で育ち、毎日泣く母親の姿を見てきた渡辺さん。心では自身の幸せを望んでいても、母を差し置いて、自分が結婚したり楽しんだりはよくないと、無意識に幸せを避ける行動を取っていました。

　「知らず知らずのうちに刻まれた“心のかせ”にとらわれ、人間関係をうまく築けないこともありました。重苦しい心境から抜け出せたのは、大人になって両親の離婚後に初めて父親と会ってからです」
　父の事情を聞いたことで、第三者の目線で公平に自分を見られるようになり、自分の考えには思い込みや勘違いがあったこと、周りの人たちに実はとても愛されていたことが分かったと言います。

　離婚をしていない家庭でも、母親から父親の不満ばかり聞かされると“のろい”になるそう。また、『頑張ろうね』などのポジティブな言葉であっても、その時の状況や子どもの性格・解釈によっては、やはり“のろい”になることも。
　「第三者の立場の私が『自分が我慢しなくても、お母さんは不幸じゃないよ』と声を掛けることで、呪縛を解いてあげたいですね」

　子どもが“のろい”にかかっている時は、親も自分の親の“のろい”にかかっているケースも多く、親子双方の心のケアにも手を差し伸べたいとか。
　「親から愛されているのに息苦しさを感じ素直になれない子や、子どもを大事にしているのにうまく愛情表現ができない親御さんに寄り添い、気持ちをほぐしたいと思います」

習い事の先生に性格判断と対処法を伝え、音楽を通したボランティアも視野に

　「ひかりピアノ」で出会う子どもと、保護者のサポートに力を入れる渡辺さん。学術的な裏付けにより、自信を持ってアドバイスできるようになるため、心理カウンセラーの資格取得を目指して勉学に励んでいます。

　「オリジナルで考案した6タイプの性格判断と対処法は、ジャンルを問わず、習い事の先生方にとって役に立つため、ノウハウをお伝えしていくことも計画しています。また、相手のことを知り、人間関係の構築にも応用できるため、ビジネス向けに作り直し、企業への講演やセミナーなども開催したいですね」

　さらなる展望として、二つのボランティアも視野に入れています。一つめは、シングルマザーの家庭に向けたリトミック教室です。母親と向き合ってきた自身の経験も生かしながら、母と子の心をケアしたいと語ります。

　二つめは、カンボジアなど音楽教育がほとんど行われていない国へ音楽を届けること。以前にも現地で活動し、一緒に歌ったり踊ったりして子どもたちが大喜びをしてくれたことが忘れられず、ライフワークにしたいそうです。

　「私は音楽大学の卒業生ではありません。リトミック教室からスタートし、『子どもが学校にあがっても音楽に親しむ場がほしい』といったご要望を受けて、小さい頃から取り組んできたピアノのレッスンを始めました。高度なテクニックも大切ですが、音楽と心理学を通して、子も親も心豊かに楽しく生きられることも大切。そんな一助になればうれしいです」

（取材年月：2024年2月）

ピアノレッスンやリトミック教室を通して、子どもと親の心をケア

一人一人の個性を育むため、6タイプの性格判断とそれぞれの対処法を考案

講師という第三者の立場から、親と子の心の呪縛を解放したい

習い事の先生に性格判断と対処法を伝え、音楽を通したボランティアも視野に

専門家プロフィール

Other Interview