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充実したスタッフで介護生活の困りごとに柔軟に対応し、利用者と家族を最大限にサポート

細やかな心配りで地域を支える介護の専門家

大村統卓

大村統卓 おおむらむねたか
大村統卓 おおむらむねたか

#chapter1

8時から20時まで年中無休で受け入れ。ゴミ出しや買い物代行、弁当配達も行うマルチなデイサービス

 「私自身の給料は度外視して、スタッフを充実させています」と話すのは、「日本ソシアルケア」の代表・大村統卓さん。東京都町田市で、地域密着型通所介護「だんらんの家 町田木曽」を運営しています。

 民家を改装したデイサービス施設は、定員10人でアットホームな雰囲気。人件費がかかるにもかかわらず、人員配置を厚くしている理由について「予測できないことが起きるのが介護であり、その時にフォローしてくれる仲間がいるかいないで、職員の心理的な負担が大きく変わるから」と言及。スタッフが互いに助け合う環境を整えることで離職率が下がり、ケアの質も上がったと言います。

 「当方では、ご本人やご家族の生活リズムに合わせて8時から20時まで、年中無休で利用者さんを受け入れています」と大村さん。小規模で柔軟な対応ができるという利点を生かして、日常のちょっとした困りごとに応えているのも特長です。

 「ご家族やケアマネジャーに了解を得て、送迎の際には家の中も一通り見て、火の元や戸締まりの確認をしています。自宅を訪れた際に、利用者さんの電話応対がおかしいことを察知し、振り込め詐欺を未然に防いだこともあります」

 ほかにも、ゴミや古新聞の回収、食材や日用品など希望の品の購入代金のみで買い物を代行。有料となりますが、食事の準備、洗濯、美容院や病院といった外出に同行もしています。

 また、利用者一人一人のアルバムを作り、施設での活動の様子を写真で伝えています。細やかな気配りが人気で、ここ数年はキャンセル待ちの状態が続いているそうです。

#chapter2

飲食業でのマネジメントと接客経験を生かして、明るく細やかな介護を

 30年にわたり飲食業に従事していた大村さん。ファミリーレストランを運営する会社で店長も務め、売り上げ管理や人材育成などマネジメントも担当していました。しかし、会社が目指すビジョンに疑問を感じるようになり退職。今後の人生を模索する中で、フランチャイズ経営に興味を持ち、展示会に出掛けたことが転機となります。

 「介護業界は全く頭になかったのですが、全国約200カ所で『だんらんの家』を展開する事業者の説明を聞き、その理念に共感するとともに、自分が長年やってきた飲食店のマネジメントと共通点が多いと感じました」

 介護のノウハウを学び、2014年に開業。未経験という不安もありましたが、実際に始めてみると、サービス業の経験が生かせることに気づきました。ともに働くスタッフも、元飲食業が多いとのこと。相手をよく見て、今何を求めているかを察すること、明るくあいさつすることが身についているため、介護に向いているのではと分析します。

 「認知症の方はご家族等から間違いを指摘され続け、生きることや生活意欲が低下してしまっていることも多いんです。私どもは何度同じ話をされても耳を傾けますし、多少間違ったことをしても、けがや事故の危険がなければ、さりげなくサポートしながら見守るようにしています」

 最初は暗い面持ちだった人も、介護に対する拒否が強かった人も、次第に表情が和らぎ、自分から何かをしてみようという前向きな姿勢に。「ここに通い始めて穏やかになった」という声が家族からも届いているとか。

大村統卓 おおむらむねたか

#chapter3

人柄重視の採用で一人一人に寄り添い、その人らしい自立した暮らしを支援

 大村さんが介護において大切にしているのは、利用者ができるだけ自分の力で生活できるよう支援すること。

 「例えば、少し離れたところにあるつえを取ってほしいと利用者から頼まれた場合。周囲にいる人はすぐに取ってあげて『どうぞ』と渡しがちなんです。でも、それでは、自宅で誰も周りにいない時は困りますよね。当方では、自分の足で歩いてつえを取りに行くという一連の動作ができるよう、後押ししています」

 自立を支えていけるのも、志のあるスタッフがいるからできることだと力を込めます。
 「採用の際には、経験や資格ではなく、何よりも人柄を重視しています。たとえ初心者でも、仕事は1年もすれば覚えるでしょう。ですが、人柄はそうそう変わりません」

 いろんな価値観を持つ人がいて、その一人一人にどうすれば寄り添えるのかを考えるのが楽しいと、現職の奥深さについて語る大村さん。民生委員や町田市通所事業所連絡会の役員も務め、地域全体の問題にも目を向けています。

 「1人での生活は限界を超えているのに、介護サービスにつながっていない人が非常に多いことに危機感を抱いています。また、身寄りがない方は、何かあった時に入院するのも、施設に入るのも苦労するという現実があり、成年後見人制度をもっと活用しやすいものにしていく必要性も感じています」

 誰もが最後まで安心して暮らせるために。大村さんは、介護事業者として、地域に暮らすひとりとして、全力で取り組んでいます。

(取材年月:2023年8月)

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専門家プロフィール

大村統卓

細やかな心配りで地域を支える介護の専門家

大村統卓プロ

介護サービス

日本ソシアルケア株式会社

ゴミ出しや買い物など日常のちょっとした困りごとにも柔軟に対応する、地域密着型通所介護サービスです。介護への拒否が強い人も積極的に受け入れ、利用者と家族が安心して生活できるようサポートします。

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