現代のきものスタイルを提案する、きもの販売と着付けのプロ
住友律子
Mybestpro Interview
現代のきものスタイルを提案する、きもの販売と着付けのプロ
住友律子
#chapter1
呉服卸商の次男である現社長が昭和44年に開業した、ちもと呉服店。当初から「しゃれたきものスタイル」「卓越した職人技と伝統美」をテーマとし、きもの販売を行ってきました。洋風アンティークの調度品を随所に取り入れた店内からも、そのこだわりが感じられます。ライフスタイルの多様化により和服を着る人が減少している中で、これからのちもと呉服店のあり方を“第2ステージ”と位置づけ、品質とセンスを備え、かつ価格を抑えた商品提案を実践しています。
現在、ちもと呉服店の共同代表を務めるのが、長女の住友律子さんです。「きものは持っているけれど、着る機会がない」という声を耳にするたび残念な思いになるという住友さん。和服のイメージがもつ垣根を低くしたいとの思いから、「その人その人のライスタイルに合った、無理のないきものスタイルの提案するセレクトショップ」をコンセプトにしています。まずは自分が楽しむことが重要と考える住友さんは、積極的に和装で街に出たり人に会ったりすることでその楽しさを体現しています。
#chapter2
お父様の影響で、子どもの頃からきものが好きだったという住友さんですが、店を継ぐという意志はなかったそうです。東京の大学を卒業し、会社勤めをしていましたが、「着付けを習ってからきものにはまってしまい、この道に進もうと思った」と笑います。高等師範の資格を取った後、ホテルの貸衣装部門などで約2年半、結婚式の着付けの経験を積みました。ここで正統な着付けをきっちりと体得したことが、現在の仕事に大いに活きています。
その後徳島に帰ってきて結婚し、育児をしながら「父が掲げた“第2ステージ”が面白そうで」と、主に着付けの仕事に携わってきました。販売にも本格的に関わり始めたのは、2013年のホームページ立ち上げからです。
自身を「きものファンの呉服屋」と称する住友さんが仕入れる商品は「自分が個人的に買いたいと思えるもの」。流行だけを追って何十年か先に古いイメージになりかねないものではなく、先を見通し、長く着られるものを選んでいるそうです。小物は和洋どちらのスタイルにも合わせられるものが多く、例えば上質な京友禅のストール、バリ島のアタバッグなど小粋なアイテムは、感度の高いお客さまに人気。オンラインショップへのアクセスの多くが東京からであることからも、住友さんのセンスが都会的であることがわかります。とはいえ、店を構えているのは徳島。「地元のお客さまに向けて、徳島で着る・持つことを根幹として選んでいます」
#chapter3
現在、ちもと呉服店のお客さまは、心にも経済的にも余裕が出てきた50代以上の女性がほとんど。これからの“第2ステージ”で、もっと若い人にも和服や和物に興味を持ってもらうことが住友さんの目標です。
とはいっても、和服にはやはり洋服とは違うクラス感があります。「垣根を低くするのは一朝一夕には難しい。いろんな人と細く長くつながりながら、おしゃれの一つとしてのきものの魅力を伝えていければ」と考える住友さんが注力していることの一つが、着付け教室です。
ちもと呉服店の着付け教室では、レッスンの曜日や時間、回数などの決まりは一切ありません。「帯の結び方を忘れてしまった」「何とかひとりでは着られるけど、何だかすっきりしない。どこを直せばいい?」など、思い立った時に予約をすれば、気軽に教えていただけます。また、子ども向けの無料レッスンも計画しています。「お母さん世代があまり着付けを知らない時代。ならば『友達と浴衣を着て阿波踊りを見に行きたい』という子が自分で浴衣を着られればと思って」と住友さんは目を輝かせます。
また、ヘアメイク、ハンドメイド雑貨など、きものスタイルに関わるさまざまなジャンルのプロや愛好家が集い、気軽に情報交換を楽しむミニサロンを主催することも。こうして出会いが広がることをとても楽しんでいます。
呉服屋である前に、一人のきものファンとして、きものスタイルを存分に楽しんでいる住友さん。まずは、着物についてわからないこと、コーディネートの相談など、気軽に尋ねてみてはいかがでしょうか。
(取材年月:2014年5月)
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Profile
現代のきものスタイルを提案する、きもの販売と着付けのプロ
住友律子プロ
販売職
ちもと呉服店
「きものファン」かつ「専門家」の立場からの目線でセレクトしたこだわりの商品と、1回からでも気軽に受講できる着付け教室などにより、きものの魅力と楽しさを伝えています。
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