徳島の地に根差し、人々の暮らしを支えるインフラ土木工事のプロ南幸佑

徳島の地に根差し、人々の暮らしを支えるインフラ土木工事のプロ

南幸佑

道路、橋、ダムなどを整備する土木工事、住まいや店舗、施設をつくる建築工事に従事

　「地域密着型の総合建設会社として、地域に根ざし、地域に愛され、地域の未来づくりに貢献したいと考えています」と話すのは、「南建設」の代表・南幸佑さん。

　徳島県内で、道路、橋、ダムなどを造成する土木工事を展開。設計通りに構造物を造るための測量や、配管などを埋設するために地面を掘り下げる掘削、土地を平らにならす盛り土、コンクリートを流し込んで躯体を構成する型枠工事などを手掛けています。

　「車や人の通行をスムーズにする道路の舗装・拡幅工事や、堤防を補強する護岸工事、山崩れを防ぐ山腹工事などは、地震や大雨による被害を抑える上で重要な役割を果たしています。いつ発生するか分からない災害に備え、『人の命を守る』という使命を胸に、一つ一つの現場に向き合っています」

　南さんは、防災・減災につながるインフラを整備する責任の大きさを実感。地域の人から「道路ができて便利になった」「これで安心して暮らせる」といった言葉が届くたびに、「皆さまのお役に立てて良かった」と感じ入り、日常を支える職務に誇りを持っているそう。

　「当方は、住まいや店舗、学校といった施設の内外装を新築・改修する建築工事も承っています。生活に欠かせない空間を整え、豊かな毎日を創造することも私たちの役目です」

　南さんはともに頑張ってくれる社員を「家族のような存在」と語り、ささいな不満や悩みでも気軽に相談できる、風通しの良い職場づくりに注力。上下関係にとらわれず、活発に意見を交わしてチームワークを形成し、誰もがやりがいをもって働ける会社を目指しています。

祖父が創業した会社を母から継承。社員の要望を聞き取り「働きやすさ」を追求

　「南建設」は、1945年に南さんの祖父が創業。祖父の亡き後は母親が代表を務めていました。

　「大阪の大学に進みましたが、地元・徳島が好きだったので、いつかは帰ろうと思っていました。卒業後は塗装業や解体業を経験し、2014年、26歳で帰郷して家業に入りました」

　現場監督をしながら建設業の基礎を学び、2019年、31歳で代表取締役に就任。約80年の歴史を引き継ぐことに不安もあったそうですが、若さならではの行動力と発想力で会社を成長させることを決意します。

　「経営のノウハウは十分ではなかったので、社員に頼ることも多くて。会社は、力を貸してくれる人材がいてこそ成り立ちます。まずはみんなの声を聞こうと、一人一人と面談を行い、会社に望むことや働きやすさを実現するために必要だと思うことを聞き取りました」

　南さんは問題点を洗い出し、要望のあった物品なども購入。改革にあたってはワークライフバランスを重視し、完全週休2日制、ゴールデンウイーク、お盆、年末年始も休業にして年間休日数を115日以上に。資格や免許の取得支援、退職金制度の導入など福利厚生の充実を図りました。

　「人を大事にしたいので、例えばスポーツジムの会費や、現場での飲料・おやつ代は無料、社員の誕生日にはお肉をプレゼントしたり、子どもの入学時や結婚記念日には祝い金を贈ったりしています。社員の喜ぶことは何でもしたいし、働きやすい環境を整えることで、長く当社で働いてほしいと願っています」

従来の建設業のイメージを払しょくするため、InstagramやYouTubeで発信

　南さんのもとには、20～60代の幅広い層が正社員として在籍。キャンプ部といった部活動や、打ち上げなどの飲み会も盛んです。

　「目標は『出社するのが楽しみ』と言ってもらうこと。みんなが集う機会が多ければ多いほど気心が知れて連帯感が生まれ、モチベーションも上がります。ちなみに社員に一番人気のレクリエーションは、豪華賞品が数多く登場する年末のビンゴ大会です」

　Instagramでは風通しがよく社長も気さくな会社として発信。社員らとダンスしたり、コーヒーの代わりにめんつゆを出されたり。愛されキャラの社長が社員の遊び心にのった笑いにあふれた投稿が並びます。またYouTubeチャンネルも開設し、ひたむきに業務に打ち込む様子を紹介しています。

　「かつて建設業界は『きつい・汚い・危険』の3Kといわれ、若い世代から敬遠されていましたが、近年はICT（情報通信）技術の発展で作業効率や安全性が向上しています。未経験でも挑戦しやすいので、若い人たちに入ってきてほしいですね」

　現在は、徳島県西部エリアで公共事業を中心に請け負っていますが、今後は東部にも赴き、民間企業や個人からのニーズに応えることを展望。南さん自身も「人間力」を高めるために、さまざまなセミナーや勉強会に積極的に参加しています。

　「今でも現場で祖父の話を聞くんです。『仕事には厳しいけど、人には優しい人だった』と。何十年たっても仲間からそう言ってもらえる祖父を尊敬しており、私も周囲から信頼される経営者になりたいと思っています」

（取材年月：2025年10月）

地域密着型の総合建設会社として暮らしを支えるインフラを整え、地域の未来づくりに貢献

道路、橋、ダムなどを整備する土木工事、住まいや店舗、施設をつくる建築工事に従事

祖父が創業した会社を母から継承。社員の要望を聞き取り「働きやすさ」を追求

従来の建設業のイメージを払しょくするため、InstagramやYouTubeで発信

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