防カビ塗装・除菌消臭のプロ
佐野範宜
Mybestpro Interview
防カビ塗装・除菌消臭のプロ
佐野範宜
#chapter1
1990年代後半に社会問題化したシックハウス症候群をご存知の方は多いはず。一般的には、住宅やビルに使う塗料や接着剤などに含まれる化学物質が原因で起きる体調不良をシックハウス(ビル)症候群といいます。具体的には目や鼻、喉などの粘膜が化学物質に刺激され、咳や涙、鼻水が出たり、粘膜への刺激で知覚神経が過敏になるため、体がかゆくなったり、じんましんが出たりする人もいます。さらには頭痛や吐き気、不眠、ひどくなるとうつ症状を引き起こすこともあるといわれています。
「シックハウス対策として、2000年初頭に国のほうでもホルムアルデヒドをはじめ13種類の揮発性の有機化合物についてガイドライン値を決めました。しかし、塗装にたずさわっている現場の目からは、シックハウス症候群が過去のものになったかというと、そうではないと感じているんです」
そう話すのは、静岡市駿河区に本社のある佐野塗装株式会社の佐野範宜代表取締役。昭和5年創業という老舗の塗装会社の3代目です。その事業内容は、ビルや住宅など建築物や鉄橋・鉄塔、発電所、石油・ガス・化学プラントの塗装から各種防水工事まで幅広く手がけています。同社は80年余りの長い経験と技術の蓄積をベースに、塗装工事だけでなく、塗料の研究開発にも取り組んできました。それがシックハウス対策の一環である防カビ剤や環境対策商品の開発です。
#chapter2
シックハウス症候群の原因は化学物質だけではありません。室内のカビやダニといった微生物による空気汚染も原因になりうるというのが、有力な説になっています。佐野さんは、こう指摘します。
「高温多湿の日本では、風通しと調湿に優れた古来の建築様式が一般的で、ある意味、カビと共存してきました。ところが、近年の建築は、高気密・高断熱化が進み、室内の空調はエアコン頼りで、風通しが悪くなってしまった。結果的に、こうした建物はカビやカビをエサにしているダニが増えてしまっています。さらに接着剤や塗料、防腐剤などに含まれているホルムアルデヒドの使用が制限されたことでカビの抑制効果が減少し、カビ被害が増えているのです」
一般的に、カビが繁殖すると、カビをエサとするダニが繁殖。そのダニの死骸は、ぜん息などのアレルギーの原因になるといわれています。またカビそのものの健康被害も指摘されています。
「当社では10年以上前からカビ対策の研究開発をしてきました。一般建築物から高い頻度で検出されるカビ57菌に対しJIS規格の基準では13菌の内5菌に対して効果が認められれば“防カビ剤”として承認されているのが現状です。また人体に悪影響を及ぼすような環境ホルモンといわれる化学物質を使っているものもあるんです。当社が開発したのは、そうした従来の防カビ剤の問題点を克服した防カビ塗装剤『SANOかびブロック工法』です」
#chapter3
「実は、国土交通省の依頼で静岡県が県営団地の一室を1年間生活状態にし、一般的なアクリル塗装と当社の『かびブロック』を使った実験を行いました。その結果、当社の防カビ塗装剤の高い効果が認められると同時に、安全・安心な防カビ剤による処理の必要性が裏付けられました。当社の開発した『かびブロック』は、文字通りカビを防ぐもので殺菌ではありません。ダニなどの微生物が棲む環境を取り除くものです」
同社によると『かびブロック工法』の特長は「建物から頻出する57菌すべてに有効で、藻類など広範囲に抗菌効果がある」「あらゆる材料に添加が可能」「油膜や汚れに対しての強いバリア効果がある」「防カビ効果が長期間持続する」「耐性菌の心配が少ない」などとなっています。
「そんなに効果があるのだったら、強い薬剤を使っていて人体に良くないんじゃないの?と心配する方もおられるかもしれません。しかし、使用している薬剤は、世界一基準が厳しいといわれる米国環境保護庁の安全性認定を取得していますし、国内では日本食品分析センターで試験をしてもらって、口に入れても毒性は極めて低く、市販のシャンプーより刺激性が低いという結果が出ています」
同社では、家庭などでも手軽に使える抗菌・防カビ・除菌・消臭効果のあるスプレータイプや据置タイプの『ノリックス』という商品の発売。最後に「カビを防ぐには換気が大事です。とにかく風通しを良くすることです」と佐野さんはいいます。
(取材日:2011年10月)
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防カビ塗装・除菌消臭のプロ
佐野範宜プロ
職人
佐野塗装株式会社
昭和5年創業で今年(平成29年)で87年の実績(個人住宅からマンション)のある会社です。お客様毎のご提案をさせて頂きます。相談だけでも構いませんのでお気軽にお問い合わせください。
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