採用・集客の悩み解決SNS広報チーム育成コーチ奥野美代子

採用・集客の悩み解決SNS広報チーム育成コーチ

奥野美代子

組織内で思いを共有し、理想の顧客に伝えることで、集客や採用の悩みを解消

　医療・福祉系企業の広報活動をサポートする「アイリスプランナー」。代表取締役の奥野美代子さんは、外資系企業でのPR広報や、中小企業のマーケティング支援の豊富な実績をもとに、クリニックや介護施設などで広報チームを育てるコンサルティングやオンライン講座に力を入れています。

　「広報とは、広告費をかけて認知度の向上や集患を図る宣伝とは異なり、診療方針や理念などの価値を伝えて共感や信頼を得る活動です。WEBサイトやSNS、院内掲示などは、あくまで手段。インスタやTikTokを始めるクリニックは増えていますが、『いいね』を増やすことだけが目的になっていないでしょうか。まずは〝何を・誰に・どのように伝えるか〟の軸を明確にしましょう」と奥野さん。

　コンサルティングでは、経営者や、異なる部署の若手スタッフを交えたチームをつくり、インナーブランディングに取り組みます。
　「特に10人以上の組織では、経営者の思いや理念などを共有することが重要です。一人の担当者や代行会社に任せきりでは、価値観が浸透しません。自分たちの活動が社会にどのように役立っているかを一人一人が理解すると、来てほしい層に説得力のあるメッセージを発信できるようになり、広報効果が高まります」

　〝正しい広報〟が実現すると、理想の患者や利用者が集まるだけでなく、採用や人材育成にも良い影響をもたらすと力を込めます。
　「診療方針などに共感し、ここで働きたいという意欲ある人材の応募につながるほか、組織内のコミュニケーションが活発化し、経営方針を理解したスタッフが自律的に行動するようになります」

27年にわたる外資系ブランドのPRを経て、中小企業診断士に転身

　首都圏での訪問型のコンサルティングに加えて、2023年11月から、オンラインでの「広報チーム育成講座」をスタート。6カ月のカリキュラムで、広報の進め方やSNSの使い方などをレクチャーする講座と、個別のコンサルを提供します。繰り返し動画を視聴できるオンラインサロンも開設する計画です。

　奥野さんは、デンマークの音響機器メーカーで、27年にわたりブランドPRやマーケティングの経験を積みました。展示会やメディア対応、ニュースレター作成、マーケティングなど幅広い業務に従事しました。
　「当初、国内では無名のブランドでしたが、音楽ファンに向けて、ストーリーや世界観を伝えることで、雑誌やテレビから取材が舞い込むようになり、知る人ぞ知る存在に。理想の顧客にきちんと訴求し、ニッチなマーケットでブランドの地位を確立できたことは強みです」

　リーマンショックの影響で退職し、中小企業診断士に転身。11年で250社以上の中小企業の事業計画やマーケティングを支援しました。医療経営コンサルタントの資格も有し、医療経営の専門誌や、医療機関向けのWEBメディアなどでの執筆も行っています。
　「魅力的な商品やサービスを持っていても、伝えることが苦手な経営者は多いです。特に医療業界には広告規制があり、患者さんが本当に知りたい情報を届けられていないケースも。医療や福祉分野に特化し、SNS広報やメディアPRの実務に精通する専門家として、経験を生かしてお手伝いしたいですね」

広報活動を通してコミュニケーションを促進し、組織の成長につなげる

　これまで医療機関や介護施設で、数々のコンサル実績を誇る奥野さん。最初は、「特別なことはしていないので、差別化ポイントがない」と悩む経営者も少なくないそう。
　「院長がいつも言う口グセや、何気ない日常業務の中にも、ならではの魅力はあります。ヒアリングで自分たちも気付いていなかった強みを引き出し、一緒に言葉にしていきます」

　経営者から、「やりたいことがうまく伝わらなかったが、ビジョンを言語化すると、スタッフの理解が進んだ」「思いを見える化でき、全員が同じ方向を向けるようになった」など、組織の変化を実感する声が寄せられています。
　「経営者とスタッフのコミュニケーション不足から、意識のギャップがあり、経営者が何もかも抱えてしまう組織は多いです。広報活動を通して、お互いに言葉にして確認する機会が増えると、信頼関係が築かれ、スタッフからもアイデアが出てくるので、スムーズに組織が回るようになります」

　奥野さんがやりがいを感じるのは、チームが成長した姿を目の当たりにするときだと言います。
　「発信したことが正しく伝わり、患者さんが増えた、収益が上がったという成果はもちろん重要ですが、若手の担当者が自発的に行動したり、働く方々の笑顔が増えたり、組織として育っていくのがうれしいですね」

　自分たちの価値を言葉で共有し、丁寧に伝え続けることは、地域のみならず従業員にも選ばれるクリニックづくりにつながります。

（取材年月：2023年10月）

価値を伝える広報チームを育て、選ばれるクリニック・福祉施設に

組織内で思いを共有し、理想の顧客に伝えることで、集客や採用の悩みを解消

27年にわたる外資系ブランドのPRを経て、中小企業診断士に転身

広報活動を通してコミュニケーションを促進し、組織の成長につなげる

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