知識と感性を磨き、素敵に生きるトータルライフを提案する専門家
加藤淳子
Mybestpro Interview
知識と感性を磨き、素敵に生きるトータルライフを提案する専門家
加藤淳子
#chapter1
「メリークリスマス」という言葉は、SNSで発信しない方が良いとご存知ですか?
「この言葉はキリストの生誕を祝うものなので、キリスト教以外の方に使うのは失礼になります。SNSは信仰する宗教が分からない不特定多数が見るため、『メリークリスマス』は避けるのがマナー。宗教色のない『ハッピーホリデー』などを使います」と語るのは、文化教室「ティーライフアカデミー」校長の加藤淳子さん。
ティーライフアカデミーでは、トータルライフをテーマに、健康で美しく生きるための知識や教養を学び、感性を磨くさまざまな講座やレッスンを行っています。
近年、国際儀礼であるプロトコールに、日本の精神文化をもとにした礼儀作法を融合したオリジナルメソッド「グローバル実践マナー講座」もスタート。マナーの背景にある歴史や精神文化まで掘り下げて学べ、知識も経験も豊富なエグゼクティブたちも、「目からうろこ!」と、深い内容を称賛しているそう。国内はもちろん、海外の企業や大学からも講座をしてほしいと注目されています。
「マナーは堅苦しいイメージがあるかもしれません。けれども、マナーのすべてに深い意味があり、とても合理的なんです」と加藤さん。プロトコールの5原則、『序列の重要性』『右上位』『答礼・相互主義』『異文化尊重』『レディファースト』を知るだけでも、マナーは表面的なノウハウではなく、歴史と文化に裏打ちされた、素晴らしいコミュニケションツールの一つだと気づくはず。
「マナーを学ぶことは、自分を守ること。さらには、相手を傷つけることも避けられます」と、加藤さんはほほ笑みました。
#chapter2
上品で凛とした加藤さん。以前はファッション系の会社で、バイヤーとしてヨーロッパへ買い付けなどを行っていました。結婚を機に仕事を離れますが、子育てがひと段落し、仕事復帰を考えた時、ヨーロッパでの経験を生かせ、年を重ねて続けられる仕事をと模索して行きついたのが、室内装飾などライフスタイルを提案する仕事でした。
インテリアやテーブルのコーディネイトなどを勉強していく中で、次第に持ち前の美的センスが評価されはじめ、2000年にテーブルコーディネイトの自宅サロンを開きました。
そんなサロネーゼの走りともいえる加藤さんには、有名な専門学校やホテルからも講師にと声がかかるように。バンケットコーディネイトを中心に、学生や新人、若手を多数育成。欧州の王女たちを題材に、ファッションから生き方まで学べる「プリンセスセミナー」も好評を博します。
一方、パートナーが世界的な建築家のため、各国のエグゼクティブと同席することが増え、国際儀礼の必要性を痛感。日本プロトコール&マナーズ協会認定講師を取得しました。ほかにも、中医食療士などの資格も得て、マナーや教養、食、健康、美学など講師の幅を広げ、大手企業の講演やミスユニバース沖縄などの講師も務めるようになりました。
そして、プロトコールを学んだことで、日本のマナーに内包する精神文化の重要性に気づき、「グローバル実践マナー講座」が誕生。正しい知識や教養を身につけ、内面を磨き心身ともに健康で美しく生きることを目指しています。また、「遊ぶ」「学ぶ」「生きる」「旅」をキーワードに、歴史や芸術、食など国内外の文化に幅広く触れながら、多くの人の「輪」と「和」に育て自分を見出す「夢雅の会」を主催。人気を得ています。
#chapter3
私たちは案外日本のマナーも深くまで知りません。日本の贈答マナーの歴史を知ると、名刺を名刺入れの上にのせて受け取り、そのまま机の上に並べて商談することも、実はおかしなマナーだと気づくそう。
古代・中世の日本において贈り物は、唐櫃(からびつ)という入れ物で運び、品物を蓋(ふた)の上に載せて受け渡しをしました。後にこの蓋が独立して広蓋(ひろぶた)と呼ばれ、大切な品物が汚れないよう掛袱紗(かけふくさ)を掛け、さらに風呂敷に包むことが正式な贈答のマナーに。現在、ご祝儀などの受け渡しで使われる切手盆は、広蓋が簡略化されたものだそうです。
「一流と呼ばれる人は、手渡しは不作法だからと、安直に形だけを真似して名刺入れを切手盆代わりにはしません。両手で受け取り名前を覚えたら、大切なものですから、汚れないよう名刺入れにしまい、机の上にも置かないはずです」
名刺の受け渡し以外にも、箸の使い方、おじぎなど日本のマナーには、神様や先祖、自然を敬い、感謝し、手を合わせてきた、日本古来から続く崇高で美しい精神文化も息づいています。「しかし、近年はマナーを知らないどころか、自分だけの小さな世界に満足し、好き勝手にふるまう人が増えて危機感を抱いています」と加藤さん。「マナーを通して、日本の精神文化の高さを伝えていくこと」も使命に感じています。
(取材年月:2019年6月)
リンクをコピーしました
Profile
知識と感性を磨き、素敵に生きるトータルライフを提案する専門家
加藤淳子プロ
トータルライフクリエーター
ティーライフアカデミー(株式会社ティーライフ環境ラボ)
トータルライフをテーマに、健康で美しく生きるための知識やマナーなどを約20年間指導。現在は大阪と東京に文化教室も主宰する。世界と日本の礼儀作法を融合したオリジナルのグローバル実践マナーでも注目される。
\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /
掲載専門家について
マイベストプロ大阪に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または朝日新聞が取材しています。[→審査基準]