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おせっかいが好きな浪速の結婚相談員

結婚を引き寄せる婚活の専門家

野々山邑子

野々山 邑子(ののやま・ゆうこ)さん
交際中の会員と、絶えずコミュニケーションをとり、いいタイミングで背中を押してあげられるのがベテランの相談員(仲人)です

#chapter1

ベテラン相談員(仲人)は成婚に至る方法を教えます

 大阪市にある結婚相談所「セブンローズ・ブライダルギャラリー邑(ゆう)」の事務所の壁いっぱいに飾られたカップルの写真。「みんな、私がお世話した人たち。私、おせっかいな浪速(なにわ)の仲人おばさんです」と、テンポよく話す野々山さんは、この道三十有余年のベテラン相談員(仲人)です。男女の機微を知り尽くし、お見合いから成婚まで成功するコツというより、失敗しないコツを親切に教えてくれます。
 野々山さんは結婚までの一番のポイントは、自分の気持ちをアピールできるデートだといいます。例えば、ラーメン好きの男性会員は、見合いのその日に、相手の女性を連れてラーメン屋のハシゴをして嫌われた。別の男性会員はかっこいい“イケメン”なのに必ず断られる。調べたら食事代を割り勘にしていたなど。「みんな、勉強ばかりやって、一流の会社に入っても、これまでデートした経験が少ない。気の毒になって教えてあげるんです」という野々山さんに、デートテクニックを一部紹介してもらいました。お見合いをして別れる時には「次は食事をしましょう」と好意を伝える。おいしいケーキ屋さんの話が出たら、次のデートで、その店のケーキをプレゼントする。「こんな当たり前のことを誰も教えていなかった。手間をかけて相手に誠実さを伝える。デートは相手のハートをつかむチャンスなんです」と言う浪速の<おせっかいおばちゃん>の携帯には、婚活のアドバイスを求めてSOSの電話が相次いでいます。

#chapter2

ベテラン相談員はコミュニケーションを大事にします

 野々山さんの相談所の会員になった人は、まずコンピューターに登録された人の中から、会いたい人を選び、野々山さんが間に入って手続きをして見合いをします。しかし、3か月が過ぎても、縁のある人に巡り会えなかったら、野々山さんの“カンピューター”が働き出します。「分業でお世話するのではなく、最初のお見合いからご成婚までを、一人で責任を持ってお世話します。大変な努力が必要ですが、相談員(仲人)の『心=愛情』が伝わり、人柄が良く、一緒にいて楽しく価値観の合う人を探し出せるのです」と野々山さんは言い切ります。
「お見合いに何度も付き添えば、会員の好みもわかります。好みに合わせながら、無口な人には少しおしゃべりな人など、長年の経験から、組み合わせがいいと思うタイプの人を紹介します」と野々山さんは話します。
紹介したあとのフォローも大切にしています。例えば、ある女性会員がお見合いをして交際にまで進んだが、なかなか結婚が決まらない。おとなしい性格で自分に自信が持てず「相手から好かれていないのでは」と悩んでいる女性に、野々山さんは「『親が会いたがっている』と男性に伝えなさい」とアドバイス。すると、男性も了承したうえで、女性に「自分の母に会ってくれ」と言い、その後はとんとん拍子に話が進んだそうです。
 野々山さんは「交際中の会員がどのように進展しているのか、絶えずコミュニケーションをとり、いいタイミングで背中を押してあげられるのがベテランの相談員(仲人)。そこまでしてもらえず、結婚に至らなかった男女がどれだけ多いことか。相談員(仲人)は、結婚できなかった原因を見抜く力も必要なんです」と話します。

一生つきあうためにも、自分がもっていないものを持ち、尊敬できる人を結婚相手として探しなさい

#chapter3

ベテラン相談員がお見合いを通して人を育てます

 野々山さんのもとには、多くの男女が訪れますが、「人のアドバイスを聞かない人は相手にしません」と、厳しい表情で話します。相談に訪れた人には最初に「どんな人と結婚したい?」と聞きますが、多くの男性が「若くて美人で優しい人」、女性は「優しくて経済力のあるかっこいい人」と答えるそうです。野々山さんは「お互い自分のレベルに見合う相手しか出会えないので、すてきな方と出会いたければ、自分を磨くことが一番大切」と指摘します。
「夢を見るのは勝手。恋人ならいいかもしれないけれど、結婚は遊びじゃない。一生連れ添うためにも、自分が持っていないものを持ち、尊敬できる人を結婚相手として探しなさい。人間は誰でも欠点を持っているけれど、尊敬できるところが一つあれば欠点を許せます。そんな相手を探すためにも自分を磨きなさい」と野々山さんは言います。
野々山さんがいう「人間を磨く」とは、難しいことを勉強しろというのではありません。例えば、デートの時に、男性は相手に恥をかかせない気遣いと服装をしていく。女性は少しおしゃれをするなど、ちょっとした気配りができるといった、ごく普通のことです。
「自分がしてもらえばうれしいことをしてあげる。相手に喜んでもらおうと思う気持ちを持つ。お見合いとは自分が成長するプロセスで、私が手がけたカップルは、そうして人間を磨いた人たちなんです」。壁いっぱいに飾られたカップルの写真を見る野々山さんの表情が、おせっかいな浪速のおばちゃんの顔に戻りました。本当に幸せそうな、仕事に誇りを持っているって感じです。

(取材年月:2011年9月)

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専門家プロフィール

野々山邑子

結婚を引き寄せる婚活の専門家

野々山邑子プロ

有限会社「セブンローズ・ブライダルギャラリー邑(ゆう)」

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