不動産業とFP双方の視点から売買をサポートするプロ
當間一隆
Mybestpro Interview
不動産業とFP双方の視点から売買をサポートするプロ
當間一隆
#chapter1
「小さな会社だからこそ、地域のためにできることがあると思っています」と話すのは、那覇市田原で不動産業「有限会社トーマ開発」を営む當間一隆さん。
「不動産業は地域密着の仕事なんです。単純に土地建物の売買だけではなく、土地建物の取引によって、売主・買主はもちろん、地域や街もよくなっていくことがベストだと思っています」と當間さん話します。
當間さんは、県内の不動産業者としては数少ないFP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取得しているのが特徴です。
「家を買ったり売ったりという住環境の整備って、実はファイナンシャルプランとライフプランを考える良い機会なんです。お客さまの人生にとって、大きな選択となる不動産売買。だからこそ不動産業とFPという2つの視点を持つことに意義があるのでは」と、當間さんは言います。
「土地や建物を売買する際、ほとんどのお客さまは金融機関で融資を申し込みます。そこで金融機関が融資に対して懸念するのは、融資申込者の所得の低さです。不動産業者としては売りたい、でも所得が厳しい方に無理はさせられない。その葛藤がずっとあったんです」
何とかならないか、と模索を続けた當間さんはある考えに至ります。「売買するだけの不動産業でいいのか?その後のケアができるようにならないと、お客さまのためにもならない」
#chapter2
FP資格を持つ不動産のプロとして活躍している當間さんが、現職を目指したのは大学在学中でした。「当時はバブル真っただ中で、不動産業界だけでなく、世の中全体に活気がありました。今後も不動産取引は経済の基盤になるであろうと思い、この道に進もうと思いました」
在学中に宅地建物取引主任者(現在は宅地建物取引士)の資格を習得。その後約20年以上の実務経験を経て、有限会社トーマ開発の二代目として顧客に寄り添い、順調に事業を広げてきました。
「例えば『ある不動産を買いたくても自己資金がない』という場合、もしご両親がお元気で、多少ゆとりがあるなら生前贈与を受けて頭金の原資にするという選択肢もあります」
直系尊属(父母・祖父母)から住宅資金の贈与を受けた場合、一定の要件はありますが、非課税になる場合があります。
「土地や建物をうまく活用するには、多様な選択肢があることを知っていただきたいんです。そうすれば必ず売主、買主、ひいては地域のためにもなりますからね。」と當間さんは言います。
実際にこの思いが具現化された、こんなエピソードを話してくれました。
#chapter3
「先日、那覇市のとある地域で、規模も価格も大きい物件の売買に携わったんです。でもなかなか買い手がつかなかった。そんな中、買えないけど借りるならOKという話が出てきたんです。ならば、土地を活用するためにあえて貸すことにしよう、そこを地域のための施設にしよう、賃貸ならば建物にお金がかけられる、というメリットもある、などと対話を続けた結果、無事に事業用定期借地契約が成立しました」
売主も思い入れのある土地を手放さずに済んだだけでなく、地域のためになる活用が可能になったことも喜んでいたそうです。當間さんいわく、「不動産業冥利に尽きるお仕事となりました。その地主さま、借主さまとは個人的にも良いおつきあいが続いております」と表情をやわらげます。
當間さんは、最後にこんな話をしてくれました。それは2007年から始まった「家族信託制度」です。
「認知症や高齢者の方々の財産を守るための制度で、相続対策としても有効です。成年後見制度は知られていますが、家族信託については、まだまだ認知度が低いように思います」
簡単に説明すると、成年後見制度では、ある意味資産が「凍結」され、資産の有効活用が難しくなります。家族信託制度を活用すれば資産の積極的運用が可能になるというものです。一般社団法人 家族信託普及協会公認 家族信託専門士の資格も取得した當間さんならではの提案に重みを感じます。
「相続問題を多く抱える沖縄だからこそ知っていただきたい制度です」と當間さん。「小さな会社だからこそ、お客さまの悩みや課題に寄り添いつつ、地域を活かす制度やノウハウを模索し続けるという『地域密着』への思いを持ち続けたい」と語ってくれました。
(取材年月:2019年1月)
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當間一隆プロ
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有限会社トーマ開発
ファイナンシャルプランと住環境には密接な関係があります。双方の視点から、より良いライフプランとは何かを、お客様の立場に立って長い目でご提案しています。
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