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湿度対策に着目した断熱性と気密性を備える木造住宅で、心地よい室内環境を保つ住まいを提案

多湿な環境に配慮した木造住宅、年中快適な家づくりのプロ

棚原彰悟

棚原彰悟 たなはらしょうご
棚原彰悟 たなはらしょうご

#chapter1

設計から施工まで手掛け高品質を提供、外気を除湿して取り込む外気処理換気システムも装備

 「沖縄の環境に適した住まいをご提案します」と話すのは、沖縄市の「T home」代表で一級建築士の棚原彰悟さん。年中湿度が高くて蒸し暑く、冬は海風で気温が下がる時期もあるため、高気密・高断熱の木造住宅を手掛けています。

 「結露や湿気は木材の耐久性やカビ、シロアリに大きく関わります。防湿性の高い断熱材で建物を包む外断熱工法を採用しています。さらに、外気を除湿した上で室内に取り込む換気システムも標準装備し、年間を通じて屋内の湿度を50~60%に保つことができます」

 熟考して住宅をデザインする設計事務所と、数多くの住宅を建築する建設会社を経て独立した棚原さん。「両者のいいとこどり」ができるのも強みだと言います。

 「設計事務所はヒアリングを綿密に行い、図面や模型を作り込んでデザインなどしていきますが、施工するのは建設会社のため、設計時点では住宅の価格は決定できません。一方、自社で施工ができる体制であれば、設計の段階で建築費用を確認できる為、安心して家づくりの計画を進めていけます。当方では設計事務所のような設計の考え方やデザイン性の配慮に加え、建設会社ならではの資金計画、アフターメンテナンスまで家づくりのサポートを行います」

 打ち合わせで顧客と理想を共有する過程が楽しいと語り、設計から施工まで自社で担うことで理想とするマイホーム実現のお手伝いをします。「以前、二世帯住宅を請け負った際、お子さん世帯は木造に賛成でしたが、親御さんが反対されていました。そこで断熱性に優れ、心地よい空間を生み出す木造住宅の魅力を丁寧にご説明し、納得してもらいました。引き渡しの際には『あのとき話を聞いていてよかった。ありがとう』と言われ、うれしかったですね」

#chapter2

大工職人の父とともに、顧客の要望を細やかに反映

 北中城村で生まれた棚原さん。幼い頃、大工である父親の豊さんに「設計士さんがいないと家は建てられないんだよ」と教えられ、現職を志すようになりました。

 「職人の道は危険も伴うため薦めなかったのかもしれません。いずれにせよ、自分が設計し、父に大工として携わってもらう事が幼いながらの素直な目標になりました」

 県立普天間高等学校から沖縄職業能力大学校に進学。卒業後は、沖縄の風土に根差した住宅を手掛けるアトリエ設計事務所に就職し、実務のサポートをしながら、敷地や環境を読み解く設計の考え方や空間デザインを学びますが、若手であったことから設計の仕事の機会に恵まれず。将来、住宅建築での独立を目標にしていたことから更なる経験を求め、新天地に赴くことを決意。友人の紹介を受けて建設会社に入社します。

 「転職先はコンクリート造の建造物に軸足を置いていましたが、入社した翌年から木造注文住宅に着手し、設計を任されるようになりました。当時、現場のチームが初めての木造に苦戦していたため、私が施工の納まりまで担当するようになりました。設計から施工まで一連の作業工程に携わった結果として、工事費用を算出する積算のスキルも身に付けることができたのです」

 独立を目標にしていた棚原さんは、いとこからマイホームを新築したいと声が掛かったのを機に退職して事務所を開くことに。2022年5月、父が営んでいた「棚原内装」と統合して「T home」を設立しました。

 「私が図面を引いて、父に職人として携わってもらう。当方が一貫して対応する体制で、建築士の目線、大工の目線を掛け合わせ、長期にわたり満足できる住宅を提供いたします」

棚原彰悟 たなはらしょうご

#chapter3

断熱性とともに防音性や防火性も高めるなど改善を図り、住まいを快適に

 家族が長きにわたり暮らす住まいを快適に整えるため、棚原さんは新しい工法も積極的に取り入れています。

 「いま注目しているのが、耐火性のある断熱材で、木造だけど耐火構造にでき火災保険料を半分以下にできる造りです。長期で考えると保険料の割引分で断熱を付加できて、防音・断熱性能もさらに上げることができます。」

 ただ、暑さ、寒さなどの性能を言葉で伝えるのは簡単ではありません。感覚的な性能は実際に体感してもらうのが一番と、モデルハウスの建築を計画しているとか。「宿泊施設に応用して民泊事業を始めてもいいですし、温度や湿度に配慮した造りで省エネにつなげるホテルを建てるのも面白いと思っています」

 また、土地がなくて家づくりに困っている方は多数いる。かといって沖縄の気候を考えていないローコストの建売はおススメ出来ない、できるだけ沖縄の環境に適した住宅で健康に暮らしてほしいという思いから不動産業も視野に。「土地とセットでの高性能な建売住宅を販売など、多くの人が後悔のない夢のわが家を手に入れられるよう、お手伝いしていくつもりです」

 一生に一度のイベントであろう家づくり、施主の期待を越えていくには、案件に携わる誰もが心を一つにして取り組むことが大切。「図面通りというだけでなく、現場の状況を鑑みて『こうした方がよい』と、常に心掛けています。職人たちと共に高みを目指し、一緒に成長していきたいですね」と意欲を見せます。

(取材年月:2024年2月)

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専門家プロフィール

棚原彰悟

多湿な環境に配慮した木造住宅、年中快適な家づくりのプロ

棚原彰悟プロ

設計事務所、建設会社

T home株式会社

設計事務所と建設会社を経て設立。両方のメリットを兼ね備え、家づくりをトータルサポート。高温多湿の沖縄で夏型の高気密・高断熱の木造住宅を提案。湿度コントロールで人にも住宅にも優しい家づくりをいたします。

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