ガラス＆ワイヤークラフトレッスンで人生を輝かせるプロ加納貴子

ガラス＆ワイヤークラフトレッスンで人生を輝かせるプロ

加納貴子

電気炉でガラスを溶かして造形するガラスフュージングのコースを展開

　「色、形と表情豊かなガラスを活用して、個性あふれるあなただけの作品を生み出しましょう」と語るのは、「ガラス＆ワイヤークラフトスタジオ琉璃（るり）」の加納貴子さん。那覇市のメインストリート・国際通りから徒歩約1分の場所に工房を構え、電気炉でガラスを溶かし、自由に造形するガラスフュージングを伝えています。

　「10歳から幅広い世代の方をお迎えしており、それぞれにしっかり向き合えるよう1人から3人の少人数制でレッスンしています。頭の中に描いたデザインを、ゼロから創り上げる喜びを皆さんと分かち合いたいですね」

　体験は4歳からで定員は6人まで。定期コースと講師養成講座を展開し、オンラインも用意しています。

　「ピアスや指輪、ペンダントといったアクセサリーをはじめ、お皿や時計、フォトフレームなど炉に入るアイテムなら制作できます。金太郎あめのようにどこを切っても同じ柄が出てくる『ミルフィオリ』を用いた細工などは、小さいお子さまでも楽しめます」

　形や厚み、サイズなどによって、温度や焼成時間、冷まして取り出すタイミングが異なるため、初心者向けやオンラインレッスンでは加納さんが焼き上げます。

　「シート型や棒状のほか、細かいかけらの『カレット』、粉末状の『フリット』などがあり、形状や大きさもさまざま。さらに、光を通すクリアタイプや不透明でマットなど、質感も多種多様で、ピンク、ブルーとカラーバリエーションも豊富です。複数の素材をあしらって焼き付け・カットすることで、ガラスそのものから自分で作ることもできます」

ガラス＆ワイヤークラフトの多彩な技法が学べる講師養成講座を開講

　作り手の世界観を具現化するため、素材の組み合わせ方や加工の仕方を伝授する加納さん。カトレアガラスクラフト研究会認定・ガラスフュージングインストラクターの資格を持ち、開業を目指す人や多彩な技法を習得したい人に向け、講師養成講座にも力を入れています。

　「毎週や隔週など、ご本人のペースに合わせて受講してもらえます。温度管理といった電気炉の扱い方と、バーナーの炎でガラスを溶かし成形するバーナーワーク、アートクレイシルバー（銀粘土）とガラスを合わせるシルバーワークも学べます。標準的には10カ月から1年ほどで修了する方が多いですね。興味をお持ちの方は、まず単発クラスにご参加ください」

　加納さんは、くるくると渦を巻いたり、滑らかな曲線を描いたり、草花のようなかれんなモチーフを作り出すワイヤークラフトもマスター。2021年にはインターナショナルワイヤークラフト協会の認定講師となり、同協会の沖縄校も開校しました。

　ピアスやネックレスに付けるチャーム、ドア飾りやバスケット、壁掛けミラーといったインテリアを手掛け、繊細でエレガントな作風が特長です。

　「ガラスとワイヤーを取り入れると創作と指導の幅が広がりますので、両方のテクニックを身に付けていただくことをおすすめします。また、私自身が異業種からものづくりの世界に飛び込み、開業した経験がありますので、教室の立ち上げや運営についてもサポートいたします。すでに県外で独立し、活躍中の方もいらっしゃいます」

感性を生かして輝く人が増え、ガラスフュージングが沖縄に根付くことが願い

　月1回、ビデオ通話ツール・Zoomで開催するオンラインレッスンは、趣味として習う人が中心で、友達や家族と一緒に始めるのも大歓迎と言います。

　「3回または6回のコースがあり、ワイヤークラフトにも触れるカリキュラムです。選んでいただいた材料がご自宅に届きますので、当方のレクチャーに沿って土台の上にデザインを組み上げてもらいご返送。工房で焼成した上でガラスを再度送付し、アクセサリー制作へと進めます」

　自宅など好きな場所で取り組める気軽さで、首都圏や関西地方、九州など全国各地から申し込みが入るそうです。

　「家事、育児、仕事などでお忙しい女性の方が時間を見つけて受講してくださいます。手を動かして作品づくりに集中することで日常の雑念を忘れ、リフレッシュして前へ進む活力を得ていただければうれしいですね」

　加納さんは、沖縄県内の商業施設で開かれる手作り市やイベントにも出店。ネットショップでオリジナル商品も販売しています。

　「私自身が好きなことを仕事にすることができ、日々やりがいをもって活動できるのも皆さんのおかげ。ノウハウを共有することで、自分の感性を生かし、ガラスのようにキラキラと輝く人生を送る人が増えてほしいと思っています。いつか、琉璃で学んでくれた生徒さんと一緒にイベントができたらと夢見ています」

　沖縄の伝統工芸である琉球ガラスのごとく、ガラスフュージングも新たな表現のかたちとして地域に根付くことを加納さんは願っています。

（取材年月：2024年3月）

ガラスとワイヤーを用いた個性あふれる作品づくりと、資格取得や開業もサポート

電気炉でガラスを溶かして造形するガラスフュージングのコースを展開

ガラス＆ワイヤークラフトの多彩な技法が学べる講師養成講座を開講

感性を生かして輝く人が増え、ガラスフュージングが沖縄に根付くことが願い

専門家プロフィール

Other Interview