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店舗、施設の顔とも言える自動ドアを、安全で快適に利用できるよう、職人技で細やかに調整

施工から修理、点検まで請け負う自動ドアのプロ

新里貴之

新里貴之 しんざとたかゆき
新里貴之 しんざとたかゆき

#chapter1

沖縄本島と離島を対象に、自動ドアの設置や修理、点検に対応

 浦添市に拠点を構え、自動ドアの設置や修理、点検を行う「沖縄ドリーム産業」。沖縄本島全域に加え、離島も対象に幅広く活動しています。

 「自動ドアは、商業施設やスーパーマーケット、銀行の窓口といった来店者を迎える、サービス業の店舗のほか、温度管理や衛生基準に配慮した食品工場の冷蔵庫に設けるものもあり、その種類はさまざまあるんですよ」。そう話すのは、代表取締役の新里貴之さん。30年以上、この業界で腕を磨いてきたベテランの職人です。

 新里さんの役割は、ドアを取り付けたら「それでおしまい」というわけではありません。工事をする場所の状況に合わせ、適切に稼働するよう制御機器などを整えていきます。

 「例えば、人が通りかかっただけでもすぐに反応する上、閉まるまでの時間が長過ぎると、ドアは開きっぱなしになり、室内の空気が逃げて無駄な冷暖房費がかかります。これに対し時間が短いと、複数人が続けて通過する場合、閉まろうとするドアに人がぶつかってケガをする可能性があります」

 出入りの際に発生するトラブルを回避するために、ドアが開閉中であっても人の動きを検知する補助センサーが付いている製品もありますが、それでも完全に事故をなくせるわけではありません。

 「実装性能を踏まえた上でお客さまのご要望をくみ取り、ドアの開閉時間やセンサーが感知する範囲を調節しなければなりません。それが職人の腕の見せ所だと言えます。自動ドアはお店の顔ですから、できるだけ安全で快適なものにしたいのです」

#chapter2

28歳で大学に進み専門知識も習得。現場では当たり前のことこそ徹底

 新里さんは1972年に那覇市で生まれました。県立浦添高校を卒業後、実家が代理店をしている東京の自動ドアメーカーに就職します。
 「高校を出たばかりの頃は、将来自分が何になりたいのかもはっきりせず、跡を継ぐかどうかも決めていませんでした」

 進路に迷いがあった新里さんですが、メーカーで働くうちに興味がわき、家業に就くことを意識するように。3年後、沖縄ドリーム産業に入社するため帰郷しました。

 「これから会社を引っ張っていく立場として知識が足りないと思い、28歳の時に琉球大学の工学部機械システム工学科へ入学しました。若い人に置いていかれないように一生懸命勉強しましたね。今となってはいい思い出です」

 専門性を身に付け、実践を重ねてきた新里さんは、基本を大切に、全ての現場で丁寧な仕事を心掛けているそうです。
 「まだ私が当社に入ったばかりの頃、『自動ドアが閉まらないので見に来てきてほしい』と連絡を受けたことがあります。センサーやモーターの交換をはじめ、ありとあらゆる部品を検査したつもりでしたが、一向に直りませんでした」

 原因をつかめないまま5時間ほど経過し、途方に暮れていた時、通常1個しかない補助センサーが2個あることに気づきます。
 「片方に蛾(ガ)が止まっていたせいで、センサーが正常に機能していないと分かったのです。そのドアの仕様を最初に確認しておくべきでした。この経験から、当たり前のことこそ徹底しなければならないと肝に銘じています」

新里貴之 しんざとたかゆき

#chapter3

業務拡大の一環として、施設などの防火設備を点検する「沖縄ドリーム」も設立

 父親の他界に伴い40歳で代表取締役に就任した新里さん。「創業者の父は、職人気質の真面目な人で私のお手本でした。自動ドア施工技能士は今でこそ国家検定制度となりましたが、民間協会の認定であった頃から、わざわざ本土に試験を受けにいっていましたね」と先代への思いを語ります。

 「実は、資格がなくとも自動ドアを設置することはできます。しかし、きちんと取得していれば、お客さまに対して高いレベルの知識と技能を有していると証明できます。それが、安心感につながるはずです」

 顧客からの信頼性を大事にする新里さんのもとには、自身を含め自動ドア施工技能士一級を保有する社員が2人在籍。今後は、サービスを充実させながら、新しいビジネスチャンスを探っていきたいと意欲を見せます。

 「その一つが、施設などで実施する防火設備の法定点検です。2017年には、同業務を専門で手掛ける会社として『沖縄ドリーム』を設立しました。先の事業で取引のある企業さまを中心に顧客を開拓していく方針です」

 加えて、コロナ禍以降に自動ドアメーカーが開発した換気システムの提案にも本腰を入れていきます。
 「これは、二酸化炭素濃度を検知するセンサーと連動してドアが隙間を空け、換気をするものです。自動ドアは、1日1000回開閉を繰り返しても電気代が月100~200円程度ですみますから、非常にリーズナブルに空気の入れ替えができるんです」

 仕事への情熱にあふれる新里さん。今日も、忙しく各地を飛び回っています。

(取材年月:2022年7月)

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専門家プロフィール

新里貴之

施工から修理、点検まで請け負う自動ドアのプロ

新里貴之プロ

建設業

有限会社 沖縄ドリーム産業

自動ドアの施工、修理及び点検に携わって30年の経験があり、自動ドアの施工に関する国家資格も保有しています。豊富なノウハウをもとに、自動ドアを安全で快適に作動させます。

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