未来志向の決算ツールで社長を応援するプロ
宮﨑栄一
Mybestpro Interview
未来志向の決算ツールで社長を応援するプロ
宮﨑栄一
#chapter1
親しみやすい笑顔を絶やさない宮﨑さんは、自ら「中小の社長の応援団」と名乗り、中小企業の経営を「未来決算書」でサポートしています。「税理士・会計士は決算書類をつくるだけが仕事ではありません。そこから見える数字を経営に生かす手段をアドバイスしていきたい」と研究を重ねた結果、「未来決算書」という独自のスタイルを確立しました。
「いわゆる決算書は、税務署や金融機関などに向けて過去を整理した提出用書類にすぎません。過去を振り返る後ろ向きの資料でなく、未来志向で経営に生かせる資料を提供する」。それが未来決算書だといいます。具体的には「変動損益計算書」で数値目標を明らかにし、大企業で採用されている「キャッシュフロー計算書」を中小企業に扱いやすいカタチで提供し、「資金別貸借対照表」でシミュレーションを検証していきます。
「これらを活用して目標や課題が明確になると、販売計画をはじめ具体的な行動プランが社長さんの頭のなかに自然とわいてくるようで、どんどん前進を始めていく」――宮﨑さんはそんな事例をいくつも見てきました。また未来決算書が示す数字や課題は、従業員にとっても重要な動機付けになっているといいます。自主的に本気で業務に向き合うようになり、社長と従業員のコミュニケーションツールとして活用できる点が、一般の決算書類にはないメリットとして評価されています。
同じ経営者として「“社長の孤独”は、自分自身も身にしみて理解できる」と宮﨑さん。悩みを共有・共感しながら話をすると、「こんなことも相談できるのか」と驚かれることも多いとか。
例えば法的問題、保険など資産の運用のしかたなど、「皆さんが考える以上に、税理士・会計士の守備範囲は広いのです」と、業務の枠を絞り込むのではなく、あらゆる角度から経営者支援に取り組んでいます。「会計の専門家こそ、黒字経営コンサルタントであり、財務体質改善アドバイザーになれうる」というのが、宮﨑さんのゆるがぬ信念です。
#chapter2
さまざまな依頼に対処しているうち、「放っておけない」と感じているのが相続の問題です。「いずれそのうちと思いながらカタチにできていない方が多いこと、税金や財産分与の観点から検証すると不十分なケースが多いことが憂慮される」と指摘します。
そしてここでも、宮﨑さんのアドバイスは「未来志向」。「特に納税資金の対策がキーとなる。税理士・会計士なら相続税のシミュレーションが適切にできる点が最も重要なメリットです」といいます。
もし相続税が発生しない場合でも、財産分与をめぐるトラブルを避けるための準備と対策は必要です。宮﨑さんが指摘するまで、トラブルの可能性に気づかなかったという方も多くいるそうです。
宮﨑さんは、納税対策や財産分与対策として、資産運用・節税の両面から生命保険の活用なども積極的に提案します。実は会計事務所で保険活用の提案までするところは少なく、対して保険代理店等では、納税のことまで考えてのアドバイスが少ないとか。宮﨑さんは、「今後は保険業界に呼びかけ、啓蒙していく活動も行いたい」と考えています。
#chapter3
また社会福祉法人のサポートにも重点的に取り組んでいます。社会福祉法人の会計基準は平成12年に整備され、さらに本年度、新会計基準が採用されることになり、会計業務にますます高い専門性が必要とされることになりました。
宮﨑さんは平成12年の基準整備以来、社会福祉法人の会計・経営支援に取り組む岡山では数少ないプロフェッショナル。「社福経営サポートクラブ(通称SSC)」を設立し、介護老人福祉施設、保育施設、障害者施設などの依頼に対応しています。
ここでも宮﨑さんは、「未来決算書」を活用。「社会福祉法人は公益性が高いため、経営という観念がなじみにくいと感じます。しかし今後の法改正などを考慮すると、自助努力で安定した経営を行うことが求められます」。施設や設備の改修、機器類の購入など未来の課題を明らかにし、「その資金を確保すること、つまり事業の存続費として利益を生む努力をすることが、福祉サービスを守ることにつながるという意識をもっていただけるように」と、未来志向の経営を提案。自分自身も「地域の福祉を守る」という強い使命感を原動力に取り組んでいます。
セミナーやホームページでも積極的に発信する宮﨑さん。「社長さん、社会福祉法人の理事長さんの向上心とやる気に必ずお応えできると確信しています。未来=明るい明日を創 (つく) るお手伝いに全力で取り組みます」という言葉に、まさしく「社長さんの応援団」の名に恥じない力強さを感じました。
(2011年3月取材)
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Profile
未来志向の決算ツールで社長を応援するプロ
宮﨑栄一プロ
公認会計士
(株)創明コンサルティング・ブレイン/公認会計士・税理士宮﨑会計事務所
公益性の高い社会福祉法人を永続させるためには、ガバナンスの強化と経営力の強化が必須です。今後、重要性を増す監事監査・内部監査の充実と会計監査の導入、新指導監査ガイドラインへの対応まで支援します。
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